斎藤学のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本当はだれも、あなたが思ってるほどにあなたに期待などしていません 。他者から向けられていると感じていた期待や要求の視線は、実はあなた自身があなたに向けている視線。
問題を背負いやすい人はだいたいナルシスト、自分だけに関心がそそがれていると思って人に関心がない。
耳が痛いほど自分にあてはまる内容。自意識過剰、自己中心性が抜けきれていない。また、未だに自分を特別視して平凡を受入れきれていないのであると感じた。
症状とか問題行動と呼ばれるものは全てメッセージ
症状と呼ばれるものの多くは周囲の他者へのコミュニケーション。
言語化できないため身体の症状で伝える。言葉にすると当たり前のことであるが、 -
Posted by ブクログ
作中名言
「自分には何かが足りないという強迫観念を抱えながら、自分を待っててくれるはずの女性の存在を信じる。これが男のプライドの根幹にある。」
「【世間】は【個人】の成立にとって不可欠なもの。【世間】という異物の排除に努めようとするところに【個人】の誕生と成長がある。
【世間】はあるとき、ある状況では、凝集集団から【個人】を誕生させる新鮮な空気となり、別なとき、別な状況では【個人】を攻撃する悪意の塊と化す。つまり、【私】の位置と必要が【世間】の特徴を決めるわけで、【世間】とは【私】の鏡像である。」
自由な視点で男を語る小気味の良いエッセイみたいな本。
男の成長や、結婚観などが考え方として -
Posted by ブクログ
昨今、大学内カウンセラーや地域の事業者などとの話の中で話題になるのは、学生の「自己肯定感の低さ、「人間関係上の葛藤経験の高年齢化」、「自己と他者との距離感のつかめなさ」など。
1996年当時に本書では機能不全家庭に育った人間の傾向、回復過程をアダルトチルドレンという概念をアメリカから輸入した著者により書かれている。
2012年現在、上述の問題点が顕在化してきているのは、家族という枠組みはすでに不安の場であることが定着し、そこにとどまらず、学校・教室・地域コミュニティ、またマスコミが流す「世の中」が、「落ちこぼれるなかれ!」という脅しをかけ続けてきている結果だと思う。
そうした恐怖の中で育った人 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
「曾祖父は地元の名士で金持ちだった」「曾祖母は評判の美人だった」など、ある人の考え方・世界観を知らぬうちにしばる「家族」の「神話」。
それが生きにくさの原因となったり、うつ、引きこもり、過食・拒食、アルコール依存などを引き起こしたりする。
依存症研究の第一人者が、「家族療法」の紹介を通じ、神話支配からの脱却、さらには自ら症状を改善・回復するための手引きをする。
[ 目次 ]
第1章 「家族」とは何か
第2章 症状は何を意味するか
第3章 家族療法の実際
第4章 「家族神話」にしばられる
第5章 子は親の人生を引きずる
第6章 外傷体験を語る
第7章 変化に挑戦する
第8章 エン -
Posted by ブクログ
なかなかに独特な先生だというのは知っていたが、うーん、なんというか、言っていることに疑問はないのだけれど、読みにくいというのはあるかもしれない。
第3章くらいまでは確かに内容も学術的なのだが、あまりその必要性が感じられないものまでカタカナ語で表記されていて、しかもそれだと読者に伝わらない可能性を危惧してなのか、括弧書きで日本語名称を追記したりしている。だったら最初から日本語表記で書けばいいのになと思うことしばしば。その都度、ブチブチと文章が断ち切られるので、あれ?なんの話だっけと読み戻ったりして。
フロイトやクラインが多く引用されているので、精神分析が専門なんだなーと理解して読み進めていたが -
匿名
ネタバレ 購入済み「毒親だ!」と親を責めるのは反抗期のようなもの、というご主張はよくわかった。「毒親」は「理想の親」と同様、概念であり、実在しないという考えも理解できる。
しかし、自分の幼少期が不幸であったと「毒親」を恨む者は、大抵現在何かしらの不幸な状況(人間関係のつまずき)におかれている、その原因を「毒親」のせいにしている、という著者の主張には首をかしげた。
私が困っているのは他の人との人間関係ではない。(それらも多少はあるが)一番は他ならぬ親や家族との関係なのである。あのクセの強い人たちとどうやって付き合っていけばよいのか、捨てることもできない、感謝もある、しかし重荷にも感じて困っている。
その前提 -
Posted by ブクログ
自己肯定感は自己効力感や全能感とは違う
自己肯定感とは、他者と比べて自分を評価しないそのままの自分を認めること
父親は娘に鬱陶しがられるだけ。母親はきちんと情緒的に殺されることで、娘が独り立ちする
アルコール依存症者の妻の4人で1人はアルコール依存症者の娘だった
自分が必要とされる必要という病=面倒を見なければいけない人がいる幸福感が必要な病気
意味のある人生という実態があるわけではない、普通に生きていることを面白いと思うと。
意味ある人生など、どこにもない。
子供は犠牲者であり、依存者、それ以外の選択がない場合は犠牲者になる
依存しなくても生きていけるとき、大人になる。
食べ物が満足に -
Posted by ブクログ
ACは正式な精神医学的な言葉ではないが、心理学的側面から見て、著者の解釈(範囲をアルコール依存の親元で育った子どもに限らない)は的確であると考える。共依存の意味も本書によってある程度理解できた。
個人的見解として、内因性の気分障害、あるいはその他の精神疾患は、本書に述べられているように、生育歴に関係性を求めることができると考えている。そこに名前をつけてわかりやすくまとめたことが本書の意義になると考えられる。
しかし、大変複雑な問題を、これだけの少ないページ数にまとめたことで、総花的になってしまい、概要を俯瞰するにとどまることしかできなくなったことは、やや残念な点である。
読んでいて -
Posted by ブクログ
この本は,学陽書房から1996年に単行本として発行されたものが文庫になったものです。以前にも読んでいたのですが,再度読み直しました。
アダルトチルドレンに関する本はいくつかありますが,私が一番最初に読んだのがこの本でした。
裏表紙には,次のような書かれています。
「周囲が期待しているように振る舞おうとする」「NOが言えない」「しがみつきと愛情を混同する」など,安全な場所として機能しない家族のなかで育った人々が抱える心の問題を解き明かし,生き生きとした自分を取り戻す方法を具体的に提示したベストセラー,待望の文庫化!
アダルトチルドレンとはどのような概念なのかに始まり,最終的にはどのよ