佐藤泰志のレビュー一覧
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仕事を辞め、曖昧に生きていた達夫がパチンコ屋で出会った拓児。
百円ライターをあげた事がきっかけで拓児の住む家に行くことになる。そこはサムライ部落と言われるバラックだった。
深く関わらない方がいいと思っていた達夫だったが拓児の姉千夏に惹かれていく。
高齢の母、寝たきりの父と刑務所上がりの弟との暮らしの為に身体を売っていた千夏。
終始どんよりとした雰囲気だったが、言葉にしなくても惹かれあっていく達夫と千夏や、家族思いの拓児の無邪気さには引き込まれて行った。
閉鎖的な環境から抜け出したいのに抜け出せずに、だからと言ってやりたい事も解らずに、ただ歳をとって行く。
そういう大人を見て私も地元を離れた一人 -
Posted by ブクログ
ネタバレ数年前に、映画化されて話題になっていたのを知っておりまして、それで読んでみよう、と思い手に取った次第です。映画の方は、まだ未見です。池脇千鶴、凄い好きなんですよね、、、映画の「ジョゼと虎と魚たち」が、ホンマにもう、大好きで仕方ないのですよね。おっといきなり話がそれているじゃん。いかんいかん。
で、ある程度読み進めていた状態で「ふーむなるほどねえ、こんな感じなんだねえ」と思いながら、なんとなく、小説の最後の方の部分をチラッと見ましたら。すげえビックリしました。
「この小説、1985年の作品なんだ!!」
と、そこで初めて知りまして。
映画化されたのが、結構最近だった記憶があったので、てっきり、 -
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映画が評判で気になっていたら、原作があるというので読んでみた。
まさか今から40年近くも前の小説だとは。
読んでみて思ったのはノルウェイの森みたいだなぁということ。細部が似てるとかそういうのではなく、流れている空気感が。でも佐知子はどちらかといえば直子じゃなくて緑かな。私も夜遊びした雨の日の帰り道、ひとつの傘のなか二人の男にはさまれて歩いてみたい。
そして実写映画のキャスト、柄本佑はてっきり静雄だと思いながら読んでたら、「僕」役なんですね。なんか意外。映画も早く観てみよう。
併録されていた短編「草の響き」の方が好きだった。自律神経失調症と診断され仕事を辞め、医者にすすめられるがままストイック -
Posted by ブクログ
人々がITの世界に新たなそれを見いだすまで
現代とはフロンティアの失われた時代だと
思われていたかもしれない
しかし実際のところ、必ずしもそうではなかった
人々はノスタルジーの世界を破壊して、フロンティアの土台を作った
かつて人々の暮らしと男たちの誇りを支えていた炭鉱は閉鎖され
畜糞まみれの農村風景も潰されて、やがて郊外のそれへと変わっていった
しかしそんな都市の清潔さとひきかえに
人心はじわじわ荒廃していった
いかに都市化したとて東京にかなうわけではない
雪ばかり多くて、海炭市には夢がない
人々は…特に若いものたちは、幻想のなかの東京に憧れて
うわついていた
最初は、海炭市という架空の街を
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Posted by ブクログ
ネタバレ行きたかったのに映画を見そびれたので、まず小説から読もうと手にとった。
映画の予告動画を見ての印象を持って読み始めたのだが
どうも映画のあらすじと比較すると、映画は結構設定を変えているようだ。
全体に漂う倦怠感は心地よく感じる部分もあり
注意深く具体的な名称を出さないが、分かる人にははっきりとわかる
町の描写もあるが
けして自分の知っている函館の姿ではなかった。
共感出来る人物も個人的には出てこず、
あまり最後まで入り込んで読めないままに終わってしまった。
強いて言えば松本が気になった程度。
原作どおりで、二部まで描いてくれるなら映画も興味があるのだが
そうでもなさそうな気もして映画を見