鳩山郁子のレビュー一覧

  • 羽ばたき Ein Marchen

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    ネタバレ

    鳩山郁子の本は8割がた読んでいる。
    毎回ため息をつくほど好きなのに、どこか走り去りゆく作者の背にタッチできないような、隔靴搔痒を感じていた。
    が、今回は確実に、少しだけ触れた。
    もちろん読後、その感触だけ残していつものように作者は逃げていったのだが、触れた瞬間の喜びと、走り去られるに違いない喪失感の予感とが、同時に感じられたこの読書体験だけは、憶えておきたい。

    内容についてはもう、わざわざ書かない。
    何度でも読み返すだろうから。

    原作小説の展開のあとに、18ページほど、鳩山郁子なりの解釈が描かれているのだが、
    ここだけで萩尾望都「残酷な神が支配する」の達成に、届かんとしていると思う。
    鳩山

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    2020年08月02日
  • 羽ばたき Ein Marchen

    購入済み

    鳩山郁子のファンなので冷静に善し悪しを論じるのは難しい。
    鳩山さんの作品は、言語化しづらい空気とか気配とか光の煌めきをそのまま漫画にしているというか…ただただキラキラした空間に圧倒されてる内に読み終えてしまう感じがします。
    今回は原作つきとの事でしたがしっかり鳩山郁子ワールドを堪能できたと思います。
    解説まで含めて一個の作品。

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    2020年07月18日
  • 寝台鳩舎

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    少年ダヴィーが寝台列車の中でたどり着いた寝台車両には、たくさんの傷付いた少年たちが居た。彼らはその脚に着けた信書管を託そうとする。
    かつて戦地の通信手段として遣われていた、軍鳩をモチーフにした物語。
    鳩山郁子さんの作品独特の玻璃のような果敢なさに加え、この作品には力強く痛ましい雰囲気も。どうか無数に散った迷える鳩たちが、彼らの家に帰れますように。

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    2017年09月27日
  • ゆきしろ、ばらべに―少年傑作集―

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    耽美で少しレトロ。とても繊細。そんな短編集。

    グリム童話を原作とした表題作「ゆきしろ、ばらべに」は森の奥で『お父さん』と住まう少年たち、ゆきしろとばらべにのお話。二人が冬のある日、道に迷った熊さんを家に入れてあげるのですが、この熊さんがなんとなくエロい。

    「ニオラの黒い騎士」寄宿学校に存在するらしい『騎士会』についての考察。

    「ルケッタ」修道院の裏手にある菜畑で葉を摘む少年と、彼が出会った白い十字架を探す少年の話。

    「すみれとピッケルハウベ」病に倒れ、部屋で伏せる祖父の枕元に、すみれの実と薬包紙で作った『すみれ爆弾』を置く少年。無邪気なのか違うのか。ピッケルハウベが意味深で、ゾッとした

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    2014年04月24日
  • ゆきしろ、ばらべに―少年傑作集―

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    読み終えるのがもったいない~となる本でした。(鳩山さんの作品はいつもだけど)どの作品も美しいです。そしてなんか切なくなるな。
    表題の「ゆきしろ、ばらべに」。少女を少年に置換するだけでもこんなに印象が変わってドキドキするのに、+αの仕掛けがたまらなく良い!
    他の童話でも描いて欲しいです。

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    2012年10月24日
  • ゆきしろ、ばらべに―少年傑作集―

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    森の奥深く、沢山の本と動物たちに囲まれながら、穏やかな日々を送るふたりの兄弟、「ゆきしろ」と「ばらべに」。寄り添い暮らすふたりのもとに、ある厳しい冬の晩、寒さに打ちひしがれた大きな大きな“熊”がやって来ます。心優しいゆきしろとばらべには、“熊”を家に迎え入れ、冬のあいだ中むつまじく暮らすのですが、そんな蜜月は長くは続かず――。
    グリム童話“Snow White & Rose
    Red”を原作とした表題作のほか、少年たちの一瞬のきらめきを繊細な視線でとらえた至高の5篇。他の追随を許さない闊達な想像力と、精緻な筆先が誘うのは、まさに夢幻の世界。私たちの魂を、高く、遠く連れ去ります。
    中村明日

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    2012年07月17日
  • 羽ばたき Ein Marchen

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    堀辰雄の『羽ばたき Ein Märchen』をコミカライズしたもの。
    原作小説と文筆家・長山靖生氏による解説を同時収録。

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    2021年06月23日
  • ゆきしろ、ばらべに―少年傑作集―

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    ネタバレ

    ゆきしろ、ばらべに……グリム童話モチーフ。熊が王子様と分かったときの顔の赤らめかたが可愛い。
    ニオラの黒い騎士……日本の足穂的世界。誰かが助けてくれるけど、騎士団?いいえ、朝顔です。
    ルケッタ……修道院。
    すみれとピッケルハウベ……日本の湯本香樹実的世界。
    白い金平糖の島……地中海?ウイキョウ。こんぺいとう36の角。島を離れたことのない少年。
    あとがき
    Bibliographic作品年表
    少年ロンド
    初出一覧

    これまでに読んだどの作品集と比べても、一段と好みの世界。

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    2019年02月03日
  • 寝台鳩舎

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    美しい…。
    絵も言葉も、物語も。

    読み終わって、胸が締め付けられる感じ。

    「飛ぶか、死ぬか」

    その二択しかない彼らは
    きっと死ぬまで飛ぶのだろうと思う。

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    2018年06月30日
  • ゆきしろ、ばらべに―少年傑作集―

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    リリカルなお耽美漫画短編集 「白い金平糖の島」がすきです 金平糖ってそうやって作られてるんだ…! 廻転する釜と金平糖を、星景写真の夜空と星に例えるカットが素敵でした どの作品も独特の余韻が残されて心地いい

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    2016年05月02日