岩城けいのレビュー一覧

  • さようなら、オレンジ

    Posted by ブクログ

    難民サリマの悲喜、厭世、矜持、希望を織り交ぜて、彼女が心理的葛藤の中で自分を見出し、成長していく姿を著す。新たな環境に放たれて、女性として自活することの困惑が自信へと変じていく様が心に響く。対して、サユリの手紙は何なんだろう。家庭生活の愚痴、夫への半端なわだかまり、そんなのを長々と記した手紙を頻繁に読ませられるジョーンズ先生は、真にお気の毒である。自己研鑽するに決して不幸な立場とは思えません。単純にサリマの物語で良かった。

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    2017年12月24日