武田雅哉のレビュー一覧

  • 西遊記 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典

    Posted by ブクログ

    仏教を軸としているもののコメディの要素が強く、敬虔な仏教徒を育むための物語では全くない。

    むしろ、仏を目指す修行中の仏教徒の人間らしさ、不完全さが親しみを覚えさせ、仏教徒の欠点を示すことで仏教を皮肉っているとも捉えられる。

    エンタメとしては非常に面白いと感じたが、『西遊記』もまた他の中国名作の例に漏れず相当長いらしい。原作を読むのはまた今度。

    0
    2025年10月29日
  • 西遊記 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典

    Posted by ブクログ

    西遊記は知ってるけど、詳しい所までは分からないレベルだったので、改めて読んでみると大人が読んでちょうどいい面白さでした。
    三蔵法師も意外と分からずやだったり、欲深かったり人間味があって良かった笑
    展開は一緒だけどユーモアがあって面白い。

    0
    2024年12月06日
  • 万里の長城は月から見えるの?

    Posted by ブクログ

    中国の文化についていつも面白おかしくそして深く考察し、読者を中国文化の深層に誘ってくれる北海道大学教授武田雅哉先生の新刊です。タイトルに「万里の長城は月から見えるの?」と言っておきながら冒頭から「見えません」と即答しています。「万里の長城は地球から見える唯一(もしくはオランダの大堤防と2つだけ)の人工建造物」というフレーズは私も何度も聞いたことがあり、それに対してとくに疑問の何も持ちませんでした。まあ授業でこのことに触れたこともないので要するにとくに関心がなかったというだけですが、この本はのっけから「見えない」と断言していることからも分かるとおり、万里の長城が月(ないしは宇宙)から見える・見え

    0
    2012年01月03日
  • 万里の長城は月から見えるの?

    Posted by ブクログ

    「月から(あるいは宇宙から)万里の長城が(肉眼で)見える」という都市伝説を検証した本。結局はうそっぱちなのだが,多くの文献を渉猟して,なぜそんな話が生れたのかまで考察する。
     中国の宇宙開発で2003年に初の有人飛行をやったとき,帰還した飛行士が「長城見えなかったよ」と言って騒動になったらしい。日本ではあまり知られていないが,中国では国民的議論になったという。なんせ,教科書にも「万里の長城宇宙から見える」旨の記述があって,それを削除すべきかで侃々諤々。
     たまたまその宇宙飛行士が運悪く見えなかったのではなくて,幅10メートルの長城が高度300kmの上空から見えないであろうことは,過去に何度も指

    0
    2011年12月29日
  • 〈鬼子〉たちの肖像 中国人が描いた日本人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    [ 内容 ]
    古来、中国人は日本人をさまざまにイメージし、歴史書に記録し、絵画に描いてきた。
    そのなかには、荒唐無稽なものもあるが、驚くほど現実に近く詳細なものもある。
    本書では、かつて日本人が「倭」と呼ばれていた時代の歴史書や地理書から、明の時代に人々が使っていた日用の辞書、日清戦争前後に発行された絵入り新聞、現代の映画に至るまで、中国人による日本人=「鬼子」イメージの変遷をたどる。

    [ 目次 ]
    1 「日本人」と「鬼」(異人の描きかた;「鬼」が来た! ほか)
    2 「人」と「鬼」の図像学(「人」とはなにか?;「鬼」―「人」にあらざるもの ほか)
    3 清朝末期の日本人像(『点石斎画報』;「東

    0
    2011年04月03日
  • 〈鬼子〉たちの肖像 中国人が描いた日本人

    Posted by ブクログ

    以前『よい子の文化大革命』でも紹介した北海道大学の武田雅哉先生の本です。中国で「鬼子」と言えば日本人のことであり、明清時代から20世紀初頭くらいまでの中国人が描いてきた「日本人」についておもしろおかしく解説しています。この本を読むと、今でも年に数回目にする中国人の反日暴動や“下品”な中傷は伝統的なものなのだと、そして伝統だからこそそこには洗練されたものが見受けられるということが分かります。そのような視点で見ると、中国人の反日意識も違ったアプローチでとらえることができるのではないでしょうか。ただいたずらにこちらも反中意識を増幅させるのではなく、あちらさんの“エスプリの効いた”スローガンにはこちら

    0
    2009年10月04日
  • 万里の長城は月から見えるの?

    Posted by ブクログ

    見えるのかと言えば、見えない。
    当然なのだが、ではなぜ何時からそんな言葉が流布され、且つ彼の国ではどんな意味を持ってきて、これからどうなるのか。
    とっても面白い。物理の本ではありません。

    0
    2013年12月28日
  • 万里の長城は月から見えるの?

    Posted by ブクログ

    まず大前提として、タイトルの問は否、である。長細すぎて見えないそうな。
    じゃあこの本は何?というと、この説が産まれた背景や、初の中国人宇宙飛行士の見えなかった証言から始まる一連の騒動を追いながら、中国をめぐる諸外国と、中国自身の想像力を覗こうという、著者曰く「長編エッセイ」。

    で、この神話の始まりはどうも17世紀頃のヨーロッパ人が中国に来て、その大きさを表現するために、これは宇宙からも見えるに違いない!と書いたあたりから始まったっぽい。
    で、天文学者をはじめ、色んな人がしばしば否定したものの、何時の間にか、20世紀に入るころには定着した模様。で、アームストロング船長の発言(のちに自ら訂正した

    0
    2012年08月17日