あらすじ
古来、中国人は日本人をさまざまにイメージし、歴史書に記録し、絵画に描いてきた。そのなかには、荒唐無稽なものもあるが、驚くほど現実に近く詳細なものもある。本書では、かつて日本人が「倭」と呼ばれていた時代の歴史書や地理書から、明の時代に人々が使っていた日用の辞書、日清戦争前後に発行された絵入り新聞、現代の映画に至るまで、中国人による日本人=〈鬼子〉イメージの変遷をたどる。
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
古来、中国人は日本人をさまざまにイメージし、歴史書に記録し、絵画に描いてきた。
そのなかには、荒唐無稽なものもあるが、驚くほど現実に近く詳細なものもある。
本書では、かつて日本人が「倭」と呼ばれていた時代の歴史書や地理書から、明の時代に人々が使っていた日用の辞書、日清戦争前後に発行された絵入り新聞、現代の映画に至るまで、中国人による日本人=「鬼子」イメージの変遷をたどる。
[ 目次 ]
1 「日本人」と「鬼」(異人の描きかた;「鬼」が来た! ほか)
2 「人」と「鬼」の図像学(「人」とはなにか?;「鬼」―「人」にあらざるもの ほか)
3 清朝末期の日本人像(『点石斎画報』;「東洋」の異人 ほか)
4 怪物は東洋から(日出ずる処の妖怪たち;巨大生物の島国;ニッポン怪獣図鑑;四つ首の奇獣)
5 戦争と「倭奴」たち(「倭人」ふたたび;戦況の報告 ほか)
6 「倭奴」から「鬼子」へ(台湾民主国をめぐって;台湾の倭奴たち ほか)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
以前『よい子の文化大革命』でも紹介した北海道大学の武田雅哉先生の本です。中国で「鬼子」と言えば日本人のことであり、明清時代から20世紀初頭くらいまでの中国人が描いてきた「日本人」についておもしろおかしく解説しています。この本を読むと、今でも年に数回目にする中国人の反日暴動や“下品”な中傷は伝統的なものなのだと、そして伝統だからこそそこには洗練されたものが見受けられるということが分かります。そのような視点で見ると、中国人の反日意識も違ったアプローチでとらえることができるのではないでしょうか。ただいたずらにこちらも反中意識を増幅させるのではなく、あちらさんの“エスプリの効いた”スローガンにはこちらもにやりと余裕な笑顔を向けましょう。「あとがき」にもふれてますが、中国とは異人に対する蔑称の王国です。もはや文化なのです。そのように考えるとなぜか親近感がわくのは私だけでしょうか?