後藤和智のレビュー一覧

  • 「ニート」って言うな!

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    非常に主張がはっきりしていることが特徴的である。
    「ニート」がテーマの中心ではあるが、マスコミ等が「世間の常識」として形作っている世論らしきものを無条件に信用することに警鐘を鳴らしているところに共感できる。
    しかし、「ニート」論への批判は納得できる、できない半々というところか。

    中身とは直接関係ないが、元々見ず知らずの三人の著者がブログのコメント欄でつながり、この本の出版につながったというところが面白い。ネットワーク社会の産物の一つと言えるのかも知れない。

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    2014年09月16日
  • 「ニート」って言うな!

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     3人の著者が、バトンをわたすようにして、それぞれの立場から「ニート」言説について切り込んだ本。問題意識としては「三者三様」という面もありながら、その中心点として「ニート」という言葉が析出するところに妙がある。

     第一部の本田由紀のパートが、俗流「ニート」論のまやかしをわかりやすく示している。だいたいのところは

    ・統計で見れば、ニート(働く気がない若者)は増えていないし、以前からわずかである
    ・そもそもイギリスの「ニート」は、経済的に恵まれず低学歴な若者が社会から排除されるのを問題視するために生まれた言葉だった
    ・しかし日本では15~34歳までと対象が大きく拡大され、しかも「失業者」が除外

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    2014年03月30日
  • 「ニート」って言うな!

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    言ってることは正しいけど、それはもうわかってるでしょ、
    とどうしても思ってしまう内容。

    "ニートとひきこもりを近似値で見ること自体が間違え、更に言えばひきこもりを否定的に見ること自体が間違え(要約)"

    "典型的なのは、2003年に内閣府が刊行した「平成十五年度版国民生活白書」における認識です。この白書の中では、「フリーター」問題は企業が若者、特に新規学卒者の採用を抑制したことから生じており、一番重要な原因は企業側にあると言い切っていました。"

    ニートという単語が張り切る前にフリーター論がそういう風に転んでいたのは初耳でした、おしい。

    "

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    2013年05月26日
  • 「ニート」って言うな!

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    「ニート」という言葉を正しく再定義し、その上で新たに考察しようとしてる一冊。

    ニートについて思うところは色々あるけれど、根本的には若者の怠惰な姿勢よりも、不景気に由来した社会の構造改革が必要だと痛感した。

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    2021年08月22日
  • 「ニート」って言うな!

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    ニートという単語が元々の意味から離れて間違ったイメージだけで使われている。
    そのイメージはマスコミや一面的な分析者によって誘導されたものだ。
    いろんな人がニートを問題視し、解決策を議論しているが偏った見方をしていたら問題の本質には触れられないだろう。
    ニートの概念だけに留まらず、自分がいつのまにか持っているイメージを見直し、物事を多面的に捉える必要がある。

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    2012年07月31日
  • 「ニート」って言うな!

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    ・ニート主婦。ほっとけよ。
    ・ニートなんて昔からいたのに、社会の不安や不満のはけ口のために、血祭りにあげられた。結局人口構成比にうやむやにだまされてるだけだ。
    ・でもじゃあニートと呼ばれた人たちはどうしたらいいのか、誰かが何かしてくれるのか、完全に無のままなのが残念だ。
    ・暇を持つことが悪だというのは、日本のひどい文化だと思う。仕事なんて他にやる大事なことがない人がやるものだと。

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    2011年11月15日
  • 「ニート」って言うな!

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    所詮はニートという言葉も名声稼ぎ視聴率稼ぎ銭稼ぎのネタ。風が吹いていると分かれば、多少事実と違っていてもあおれあおれのメディアの大攻勢。新しい言葉が出たときは、銭稼ぎ言葉か身構える気持ちを与えてくれました。

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    2011年11月07日
  • 「ニート」って言うな!

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    三人の著者が、それぞれニート問題の論点への疑問提起、誤ったニート論の産まれる社会構造、これまでのニート論壇の歴史検証について語っている。

    そもそも曖昧な調査によって語られていたニートだが、その曖昧な調査データをもとに論点をひっくり返したりなどはある。

    ただ、最近の若いものは、、というくだりで安直にニートとか言って本当の問題を曖昧にすんな、という事が徹底的に語られている。

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    2011年08月20日
  • 「ニート」って言うな!

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    ネタバレ

    「ニート」という言葉は、もうあまり聞かなくなった気がするけれど。

    ・イギリスの「NEET」=16~18歳、学生でもなく働いてもいない、失業者を含む
    日本の「ニート」=15~34歳、〃、失業者を含まない
    ・少年犯罪は凶悪化も増加もしていない。むしろ終戦直後の方が、いずれの点においても悪い状況にあった。
    ・同書の中でも述べられている通り、「ニート」論に限らず、あらゆる若者バッシングの構造を見抜くヒントが示されている。政治、経済、雇用といった側面から問題解決が図られるべきところを、教育や精神論にすり替え、自己の醜く耐えがたい部分を若者に投影することで溜飲を下げる人々がいるという。これは私自身にも無

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    2011年08月27日
  • 「ニート」って言うな!

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    ニート問題の論じられ方、そういう論じられ方にはどういう構造的問題があるのはをデータに基づいて分析し問題提起した1冊。3部構成でそれぞれ3にんの著者がテーマ別に論じている。

    1部ではニートの定義と、本当に必要な支援策について。問題なのは非希望型と非求職型の人、ひきこもり、犯罪親和層を一色淡にしていることだ。非希望型とは今働く必要も予定もない人。非求職型とは働く意欲はあっても病気やけがで働けない人のこと。非希望型には教育機関への入学準備者や結婚を控えた女性、身障者なども含まれており、そもそも実数は増えていない。色々なライフスタイルの人が、データ上でひきこもり・犯罪親和層と同じ扱いを受けている。非

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    2011年01月23日