ポーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
黒猫 この手の小説をあまり読んだことがないのでちょっととっつきにくかった。もっと感覚を鋭敏にして入り込んで読んだら楽しめるのかなと思った。
名作、有名作品と呼ばれてるのにぴんと来ることができなくて悔しかった。もっと味わって深くまで読むことができるようになろうと思った。
解説を読んだらなるほど面白いと思った。
けどやっぱり解説は少なくとも一度自分で読んだ後に読むべきだと思った。
アモンティリヤードの樽
これも少しわかりづらいと感じてしまうところがあったが、主人公とフォルトゥナートの間に何があったのかわからないところがよいそう。個人的にはフォルトゥナートがあんな状況でアモンティリヤード(ワイン)のことばっかり言ってるのがおもしろかった。
告げ口心臓
すごい面白かった。自分のことをおかしくないと思ってるすでに狂った人の話かな。
老人に関しても考察したら面白そう。
邪気
論評みたいな文が続いて、考えていると急に現実感のある人間の語り、リアルな世界に引き戻されるのが面白かった。してはいけないからこそしてしまう抗えない衝動。
あ、そっちの方なのねってなった。
ポーの作品には自分の心を発生源として自分で苦しんで破滅へ向かう人物が多いような気がする。
→これはこの短編集の作者がそのテーマで選んだそうだ。
ウィリアム・ウィルソン
信用できない語り手的な面があるのかと思ったけど別にそういうわけじゃないらしい。とっつきやすい話ではあった。面白かった。
早すぎた埋葬
欧州では19cは土葬が一般的で、だからこそ大衆は興味を惹かれたそう。自分はあまりピンと来なかった。
もっと目が覚めてる時に読んで最後のオチをちゃんと理解したい。
ポーが暗闇に対する恐怖を持っていたという知識を手に入れてから読んだらもっと深く読めたのだろう。
深い読みを手に入れるのは大変そうだ。
モルグ街の殺人
めっちゃ面白かった。結末が意外すぎた。江戸川乱歩のD坂の殺人事件を読んでいる時と同じ感情で読んでいた。
真の想像には分析がともなう。という作中の言葉の通りだった。世界初の名探偵デュパンの出てくる作品が他にも2つあるそうなので読みたい。
デュパンが、警察は想像が甘いみたいな、先入観に囚われてるみたいな感じのことを言っていて、自分も警察と全く同じだった。面白い。
解説も面白かった。なるほどと思うと同時に自分の読みの甘さを知った。
(メモ)ポーの作品は恐怖と分析のどのあたりに目盛りが触れるかを見ながら読むのが一つの指針とならりうるらしい。前者はとにかく迫る恐怖。分析しようがない怪奇。アッシャー家の崩壊など。後者はモルグ街の殺人。怪奇などない。
ポーは理詰めゆえ、結論から考えそこにたどり着く道筋を決めて読者を驚かすそう。
自分の決めた通りに読まれたがってるので、何も分からないか、モルグ街の殺人のように完璧に全てを示すかどうかの両方の傾向があるとか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ海外小説の何の本だか忘れたけど、その中で紹介された本だったので興味持って読んでみたけど古典サスペンスという意味では面白かった。登場人物がそれぞれ狂人ばかりで読んでいておいおいそれはないだろうって突っ込みをいれたくなるような凶行を犯すのだけど、心理描写も滑稽でワクワクしながら読むんだが、犯行描写もエグイ。昔ならゾッとしただろうけど昨今の小説はそれ以上のもはやスプラッター描写になってしまっているから古典物はほっこりする。
モルグ街の殺人は推理小説の先駆けらしいんだけど、シャーロックホームズよりとんがった推理考察を持ってくるからえ?え?ってなる。そしてその結末があーそう来るかって思わずニヤリ。こういう作品はもっと早く出会っておきたかったと思う。それでも今更ながら出会えたことに感謝したい。
余談がけど、この光文社古典新訳文庫はほんと現代風な和訳がつけられており、かなり読みやすく綴られているから苦手意識の高い古典作品を読むならこのシリーズを選びたい。いつかはカラマーゾフの兄弟かな? -
Posted by ブクログ
アッシャー家の崩壊/アナベル•リー/ライジーア/大鴉/ヴァルデマー氏の死の真相/大渦巻への下降/群衆の人/盗まれた手紙/黄金虫
よくわからない作品が多かった。
前半が怪奇系、次第にミステリー系になる構成で、『黄金虫』の謎解きはよくできていて良かった。読んでいる中で、神経質さ、音への過敏さ、女性に対する思慕?が共通して感じられることが多かった。
きっと自身の経験(妻を失う)を重ねているのだろう。
乱歩が尊敬する人なので私もハマるかと思ったが、細かく神経質さを感じる描写が見られ、おおらかさを感じられない。おそらく乱歩は自分にないものを持っていることに憧れがあったのではないか。前半の怪奇系は女性が死んで生き返る?ようなパターンが決まっており、そちらはそちらで理屈がよくわからないこともあり、腑に落ちなかった。(なぜアッシャー家の妹は生きていたのか、なぜあれほど精神を病んでいるのかなど) -
Posted by ブクログ
本日2度目の『モルグ街の殺人』であるが(^^;)、これは素晴らしい!
翻訳は小川高義という方。『黒猫』『モル殺』はおそらく翻訳違いのをそれぞれ3つ以上は読みましたが、先ほど読んだ新潮文庫のポー短編集Ⅱの巽孝之の翻訳などに比べても圧倒的な読みやすさです。同時読み比べをすると、ワンセンテンスが短く、平易な語彙が用いられていることが明らかです。ポオの晦渋で格調高い文章を楽しみたい方にはおすすめできませんが、物語を全力で楽しみたい方にはこれがぴったりでしょう。
『本能vs理性 黒い猫について』
ポーの飼っていた黒猫を例にとって本能と理性の境界の曖昧性について説くエッセイ。知的生命体という驕りによって、我々は理性を神格化する。
『アモンティリヤードの樽』
こちらも犯罪小説。地下室、壁、モルタル、塗り固め、『黒猫』の人間版であり成功バージョン。やはり慢心は良くない。
『告げ口心臓』
なんとこちらも犯罪小説。『黒猫』の使い回し多すぎ笑 しかしこちらは異常心理を持った犯罪者ではなく、罪悪感によって心臓が掻き乱されるような等身大の人間でありました。
『邪鬼』
おいおいこれも犯罪小説だった。人間の行動原理は器官の作用によるもの。それとは別にひねくれた精神による作用「邪鬼」が存在するという。たとえば動機がないのが動機、というようなもの。それは魔性の情熱となり、人間を犯罪に駆り立てる。犯罪を白状させたのは理性かそれとも…
『早すぎた埋葬』 6点
こちらもどっかで書評済み…かと思いきやしてなかった。医学が未発達だった頃、生きたまま埋葬されることへの恐怖は尋常じゃなかったのでしょう。この作品集だけでも生者の埋葬は既に3作目、ポーはこのネタ多いよね。こちらはユーモア小説。ヨカッタネ -
Posted by ブクログ
ネタバレポーに振り落とされずに余裕を持って楽しめる小川高義さんの翻訳はなかなか良い。愛する女性との死別を描いた『アナベル・リー』『ライジーア』『大鴉』が3作並んでいて比較しやすい所も超ナイス。
『アナベル・リー』と『ライジーア』は愛する女性の名がそのままタイトルになっているだけでなく、語り手の思慕の情も似通っています。例えば引用すると↓
「夜空に星が出るたびに
美しきアナベル・リーの輝く星が見えている」
「ライジーアの美しさが私の精神に染み込んで美神が居を定めたようになってからは、現実界に存在するさまざまなものを見るにつけ、あの大きな明るい双眸が私の内部にもたらす感覚と似たものを呼び起こされていたのだった-(中略)-望遠鏡で天の星を眺めていても、その一つか二つにはそんな感想を抱いた」
などです。詩と小説で表現媒体は違えど、同一のテーマでしょう。『ライジーア』は更に意志の超越や死者蘇生(ポー愛好)が加えられますが。『大鴉』に登場する大鴉の定型句「ネバーモア」は『ポー詩集』の阿部保訳では「またとない」と翻訳されていましたが、こちらでは「もはやない」となっています。死別に対する冷徹なアンサーであることを考えると、「またとない」の方が適していそうです。
この次が『ヴァルデマー氏の真相』。これまた生死の境界の曖昧さが催眠術の例を用いて説かれている。しかしこちらは上3作と違って、意志の強さや情は絡んで来ず、怪奇小説風味な終わり方となっています。 -
Posted by ブクログ
ポーー!
一瞬これでレビュー終わらそうと思いました
一瞬です
はい、光文社古典新訳文庫シリーズ、エドガー・アラン・ポーの短編集ですよ!
いやぁ、読み辛かったw
もう延々と情景描写が続くのでつらい
「恐怖」を醸成してるってのはわかるんですけどね
ホラー映画なんかでよくあるじゃないですか
ずーっと風景だけを映してるシーン
例えば薄暗い森を静かに延々映しておいて
あれ?今端っこの方でなんか動いた?
…気のせいか……ギャーーーーッ!!ってやつね
あれと一緒だと思うんですね
なんていうか雰囲気づくりといいましょうか
静かに静かにゆっくりと不気味さを整えていく
で、確かな技法で完璧にそこに持って行ってるんだけど、長い!長いよポー!
この長さは今の時代では飽きが先に来ちゃうんよなー
そして小川高義さんの訳もわざと古めかしい感じにしてる
原作のもつ雰囲気を最大限残すためにその古めかしさの塩梅に苦労の後が見えるんですが、やっぱり固い
もともと小川高義さんは固めの訳が多く、原作にわりと忠実な方な印象
難しいな〜と思うんだけど、やっぱり光文社古典新訳文庫シリーズの色としてはもっと崩して「いやこれもうポーじゃないわ」って言われるくらい冒険しちゃう訳者さんの方が良かったんではないかな?と思ったりしちゃいました
『黒猫』が小川高義さん訳でバチっと決まってたので、こっちは変化球で読んでみたかったな〜 -
Posted by ブクログ
表題作の『黒猫』に寄せた作品が6編と、有名な『モルグ街の殺人』。悪意と良心の葛藤という『黒猫』のモチーフが前面に押し出された構成。
似たような作品が続くので、ポーの書き癖が見えやすい。訳者あとがきで落語との親近性が指摘されていたがその通りで、最初に抽象的な一般論がだらだら続き、本編は感情の動きメインで出来事の描写は控えめ。そしていいところでストンと終わる。
注釈や修飾も多くストレスフリーな文体とは言えないが、それだけごちゃごちゃ言わなければ説明がつかないような奇妙な心情描写には妙に納得させられる。『黒猫』の「悪くなるために悪いことをしたいという得体の知れない願望」という一節には共感した。
巻末のポー年譜を見るに、ポー自身も作中人物のようなダメ人間だったらしい。そう考えると私小説のようでもあり、ジャンルもの小説の元祖とばかり思っていたが偏見だったようだ。
ポー作品の中でも偏った選び方ではあるので、姉妹編の『黄金虫/アッシャー家の崩壊』もそのうち読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ謎解きミステリーにどんでん返しは私の大好物。
本作におさめられている「モルグ街の殺人」から始まった推理小説の歴史。
まさに原点となる作品をようやく手にしました。
本書は「モルグ街の殺人」以外にも「黒猫」「本能vs.理性ーー黒い猫について」「アンモティリャードの樽」「告げ口心臓」「邪鬼」「ウィリアム・ウィルソン」「早すぎた埋葬」の計8作からなる短編集。
「モルグ街の殺人」も60p弱の作品なので、サクッと読み終えました。
まるで詰将棋。
作者が決めた答えに導いていく思考は、今の時代の何気ない日常の中でも使える思考法で、作品の舞台裏を覗き見たような感覚を味わいました。
本作で謎解きをするデュパンこそが世界初の推理探偵であり、モルグ街…こそが推理小説の扉を開いた作品。
古い作品ではありますが、古さを感じる事なく読み終えました。
お見事。
説明
内容紹介
■黒猫の真の恐怖がよみがえる。眩惑へと誘う、ポーの決定訳
怪奇趣味の奥に仕掛けられた真の狙いとは。難解な原文の中に著者ポーが残した手がかりから、「現場」を見事に再現する、翻訳家=探偵の「名推理」がここに。
出版社からのコメント
■怪異と知性、恐怖と探索
推理小説が一般的になる半世紀も前に、不可能犯罪に挑戦する世界最初の探偵・デュパンを世に出した「モルグ街の殺人」。160年の時を経て、いまなお色褪せない映像的恐怖を描き出した「黒猫」。多才を謳われながら不遇のうちにその生涯を閉じた、ポーの魅力を堪能できる短編集。
内容(「BOOK」データベースより)
推理小説が一般的になる半世紀も前に、不可能犯罪に挑戦する世界最初の探偵・デュパンを世に出した「モルグ街の殺人」。160年の時を経て、いまなお色褪せない映像的恐怖を描き出した「黒猫」。多才を謳われながら不遇のうちにその生涯を閉じた、ポーの魅力を堪能できる短編集。
著者について
エドガー・アラン・ポー [1809-1849]
アメリカの作家、詩人。推理小説の祖とも言われる。計算された恐怖を創作する「理詰めの芸術派」。旅役者の両親に早く死なれ、27歳のとき13歳の従妹と結婚するが病気で先立たれ、職に恵まれず酒に溺れる。断酒会に参加したものの40歳で死去。主な作品に「アッシャー家の崩壊」、「黄金虫」、詩集『大鴉』など。
[訳者]小川高義
1956年生まれ。横浜市立大学準教授。訳書に『永遠を背負う男』(ウィンターソン)、『リリィ、はちみつ色の夏』(キッド)、『調律師の恋』(メイスン)、『灰の庭』(ボック)、『さゆり』(ゴールデン)、『停電の夜に』(ラヒリ)、『第四の手』(アーヴィング)、『骨』(イン)ほか多数。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ポー,エドガー・アラン
1809‐1849。アメリカの作家、詩人。推理小説の祖とも言われる。計算された恐怖を創作する「理詰めの芸術派」。旅役者の両親に早く死なれ、27歳のとき13歳の従妹と結婚するが病気で先立たれ、職に恵まれず酒に溺れる。断酒会に参加したものの40歳で死去
小川/高義
1956年生まれ。横浜市立大学準教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)