沼野恭子のレビュー一覧

  • 家庭で作れるロシア料理
    某フィギュアアニメの影響でピロシキ食べたい需要が爆発して増刷されたため比較的入手は容易。コラムも充実していて生活感たっぷり。写真もきれいで手元に置いておくのに良いと思います
  • 初恋
    青年時代の大人の女性への憧れと失恋、その恋敵が衝撃的で、この時代ではかなりセンセーショナルな感じもします。
    序章での老人3人が語るところと、それに繋がる最終章の終盤の、青春を振り返る切なき思いが響きます。
    新約でとても読みやすいです。階級を露骨に描くところは時代を感じさせますね。
  • 家庭で作れるロシア料理
    コラムも多く、レシピ本としても読み物としても秀逸な本でした。
    ここ暫くロシア料理にどっぷり嵌まっているので、友人が遊びに来ると必ずロシア料理を振る舞います。味見に利用しているとも言う。
    厳しい気候と厳しい統制のソビエト時代を経たロシア料理は、素朴かつ命を繋ぐ切実さを感じさせます。
    塩コショウとハーブ...続きを読む
  • 初恋
    ロシア文学って人間の内面に入り込んでいくことを得意としているイメージがあるので、積極的に読んでいきたいと思っている。

    初恋っていうと、衝動ばかりが前に出てしまっておかしな言動をとってしまうような、くすぐったいものを想像する。この本も読みながら身悶えすることを期待して読んだ。
    しかし、この作品は物語...続きを読む
  • 初恋
    これはもう読んでみてくださいとしかいいようのないみずみずしい物語。
    ウラジミールのジナイーダへの初恋と失恋の物語。

    ウラジミール 16歳
    ジナイーダ 21歳
    ジナイーダの彼氏 40歳代。

    年齢構成的にも申し分ない。
    ウラジミールに勝ち目があるはずがないですね。

    これも、いまぐらいの年になると、...続きを読む
  • 初恋
    とんでもない話です。
    10代半ばかな?今で言うと中学生かな?みたいな男の子が、20代前半くらいの女性に惚れちゃうわけです。
    それでまあ、別段エッチなことがあるわけではなくて、精神的に振り回されたりもてあそばれたりするんですが。
    実はその娘さんは、男の子のお父さんと不倫の関係でした。どっとはらい。

    ...続きを読む
  • 家庭で作れるロシア料理
    工程の写真が細かく載っていて、ここしばらく見ていた料理本の中ではかなりの分かりやすさである。本は大きめ、目の覚める鮮やかな色合いの写真がたくさん。歴史や背景などの文章も多めで読み応えもある。コラムはロシア文学者マダム沼野によるもの。ロシア料理を順番につくっていきたい人にオススメ。
  • 初恋
    読後、私より先に読み終えた父から「カルピスみたいな味やと思ったやろう、どぶろくやで。」と名言を頂いた。
  • 初恋
    16歳の少年ウラジーミルは、年上の公爵令嬢ジナイーダに、一目で魅せられる。初めての恋にとまどいながらも、思いは燃え上がる。しかしある日、彼女が恋に落ちたことを知る。だが、いったい誰に?初恋の甘く切ないときめきが、主人公の回想で綴られる。作者自身がもっとも愛した傑作。

    わりかしドロドロしているなぁと...続きを読む
  • 初恋
    少年ウラジーミルは隣に引越してきた年上の美しい女性ジナイーダに恋心を抱く。しかし彼女は自身に好意を寄せる何人もの男たちを家に集めては、いいようにあしらい楽しんでいた。そんな彼女の型破りな言動に驚きつつもウラジーミルの想いは募る一方。しかし、ある日を境に彼女の様子が一変する。ツルゲーネフの半自伝的恋愛...続きを読む
  • 家庭で作れるロシア料理
    おいしそうです!日本で日本人が作れるおいしそうなロシア料理の本って、はじめて。
    ブルガリア料理でもこんな本が出るといいのに。
  • ペンギンの憂鬱
    初めから終わりまで薄暗く、不穏であり、春の陽射しのように温かくありながらも、常に冷気が優しく吹いているような小説でした。

    このあと、彼らはどうなったのか?
    そんなふうに思わせる小説、僕は好きです。
  • ペンギンの憂鬱
    面白い。
    村上春樹風のカフカ、あるいはカフカ風の村上春樹でもいいけど。
    (ブラック)ユーモアあふれる名品。
  • ペンギンの憂鬱
    異国情緒ある静かで不穏でダークなミステリー。映画を観てるみたいだった。
    政治としてのロシアは到底許されないけれど、文学芸術に罪はないと思って、ロシア語文学を読んでみたくなった。作者はウクライナ人で、ロシア語で執筆されている。
  • ペンギンの憂鬱
    憂鬱症のペンギンを飼う作家の男。これといった希望もなく、なんだか曇天のイメージ。国家を揺るがす陰謀?に巻き込まれるのに気が付かない。気づこうとしない。偶然が重なってできた疑似家族を守るため?でも心許すのはペンギンだけ。ペンギンはどうかわからないけど。少しだけミステリ。最後まで曇天。でもなんか惹きつけ...続きを読む
  • ペンギンの憂鬱
    奇妙な物語だった。ストーリーに抑揚は感じさせず、憂鬱症のペンギンのほか、追悼文、複数の知り合いの死去、葬式参列のバイトといった死に関わるものが扱われているせいか全体的に陰鬱な雰囲気となっている。そこに挟まる幼児や食事とコーヒー、性の描写などの生的なものの描写が対比となっている印象だった。最後は自暴自...続きを読む
  • ペンギンの憂鬱
    始終空気が重かった、少し希望が見えたと思ったら絶望に通ずる道だった。でも救いはあった。
    外国文学なので登場人物の考え方が予想外だった。
    カバーストーリーに重要なことは真実味より事件が起きたことを仕方がないと誘導することだと思った。

  • 初恋
    冒頭から何か思い出すことがあり、話が分かってしまって読み進めたが、、、もしかして別訳(とすると岩波か)で昔読んだことあったかな。
    でもはっきりと思い出せない。「父」に記憶が引っかかるけど、別の作品か?
  • ペンギンの憂鬱
    ソ連崩壊直後のウクライナ。動物園から譲り受けたペンギンと暮らす無名作家ヴィクトル。彼は存命中の著名人の死亡記事を書く事になる。書かれた人は次々と不審な死をとげ、彼自身も危険な状況に追い込まれていく。最後のオチが良い。
    非人道的状況がはやく終わりますように。
  • 初恋
    言い回しや表現がお洒落。
    恋をしたときの感情やそのとき見える景色をこんなにも明文化することができるのかという驚きもあった。
    なんとなく昔の恋が思い出されて共感できるような、しかしこれほどの恋は未だにしたことがないと少し羨んでしまうような不思議な感覚だった。
    一人の少年の恋の始まりから終わりまでを見届...続きを読む