大西暢夫のレビュー一覧

  • ホハレ峠
    ホハレ峠 大西暢夫 彩流社

    ドキュメントとでも言うのだろうか?
    改めて人の世とは何なんだろうかと
    問い直すキッカケとなる素敵な本だった
    理不尽な法治国家に生きる視野の狭い人間と
    あるがままに人生を噛み締めながら80年生きたとして
    その内何回の花を見て旬を感じて
    一生を全うして行く心豊かな人間は
    ...続きを読む
  • ホハレ峠
    ダム開発のために地図から消されていった日本の多くの村のひとつに、岐阜県徳山村がある。コミュニティが崩壊したあとも山で暮らしつづける老人たちのもとを1990年代初頭に初めて訪れたジャーナリストの著者は、トチの実やマムシ、種々の山菜などを採り加工し保存する日々の労働を克明に記録するにとどまらず、ひとり村...続きを読む
  • ホハレ峠
     2006年9月25日早朝、揖斐川を堰き止めるゲートが。徳山ダムの記念日であり、それは徳山村がダムに沈む日でも。水かさが増していき、国道が、学校が、集落が・・・沈んでいく。1500人ほどが暮らしていた徳山村。2005年4月まで最奥地に最後の1人として暮らしていた廣瀬ゆきえさん(大正7年生まれ、201...続きを読む
  • ホハレ峠
    ダムが建設されることによって移転を余儀
    なくされた、ある集落に住む一人の老婆の
    人生を追ったドキュメンタリーです。

    と、書いてしまうとどこにでもありそうな
    内容と思ってしまいますが、まさしく日本
    のどこでも起こっていることなのです。

    それがとても切なくて悲しくて、失ってし
    まったものの大きさに気...続きを読む
  • ホハレ峠
    ダムに沈む村の老夫婦の暮らしぶりを伝える第1部は普通の良書だが、第2部はハイパー展開だった。

    最後の住人となった老婦人は、この岐阜県の山村で生まれ育ったが、戦時中に、初めて会う夫と結婚するために北海道の開拓地に移住していた。しかもその夫とは血の繋がる関係だという。
    その夫は戦時中には満州移民を、戦...続きを読む
  • ホハレ峠
    映画を是非見たいと思った。
    廣瀬ゆきえさんの人生を、写真と共に詳しく書かれていて、私自身、ヒトとしての生き方を考えさせられた。
  • 津波の夜に 3.11の記憶

    写真と一緒に

    写真の場所はよく知っている。
    昔、住んでいたからだ。
    震災当時は東京にいたから被災はしなかったが、この本を読んで、母校の高校が遺体安置所になっていたことを知った。
    理屈をダラダラと述べているくだらないジャーナリストよりも、ずっと良かった。
    すっと、入ってくる文章で読みやすかった。
    ぜひ、一人でも多く...続きを読む
  • 津波の夜に 3.11の記憶
    現地に行った人にしか絶対分からない気持ちや状況を伝えていただいたことに感謝したいです。遠いとついつい震災から離れていく気持ちを引き締めたいと思いました。
  • 津波の夜に 3.11の記憶
    宮城県東松島市の被災者の証言(記録)集。
    フォトジャーナリストの人がうまくまとめている。
    あまりよけいなことを書いてないし、
    使われている写真もなかなか質が良く、
    シンプルでストレートな仕上がりで好感度大です。

    ボランティアでこの地に関わって2年経ちましたが、
    よく知ってる場所の知ってる人の証言も...続きを読む
  • ホハレ峠
    ダムに沈む村に最後まで住み続けた女性。電気もない不便な奥地に住んでいた方が豊かに生きていたと感じられる。その人生は本当に過酷で。開拓使として北海道で暮らしていた時のとても貴重な体験を知ることができました。
    読み終えて、歴史に名を残すような壮大な人生ではないはずなのに、ずっとその偉大さのようなものに静...続きを読む
  • ホハレ峠
    日本最大のダムを作るために沈んでしまった岐阜県徳山村。
    岐阜県の西より、滋賀県と福井県の境にある徳山村の最も奥にある門入(かどにゅう)地区が本書の舞台で、隣の坂内村や川上地区につながる峠がホハレ峠、物資の流通や交流が行われた険しい山道だ。
    同じ岐阜県出身の作者は、徳山ダムの話は小学生頃から聞いていて...続きを読む
  • ホハレ峠
    ホハレ峠
    ~ダムに沈んだ徳山村 百年の軌跡~

    著者:大西暢夫
    発行:2020年4月
    彩流社

    岐阜県中西部、福井県に接し、滋賀県ともほとんど接しているような地域にあったのが徳山村。村のほぼ北端、福井県との県境にある冠山を源流とする、木曽三川の一つ揖斐川が南へと流れ、その南端に出来た徳山ダム。200...続きを読む
  • ホハレ峠
    徳山村で唯一水没しなかった集落「門入」に最後の1人となって暮らしていた「ゆきえさん」が主人公の大河ドラマ.
    徳山の最奥地の集落に生まれ,見ず知らずの北海道に嫁入りし,跡継ぎのいない生家を嗣ぐために徳山に帰ってくる.しかしダム建設に追われ,最後は本巣の文殊の移転先で一人亡くなる.
    ゆきえさんが14歳の...続きを読む
  • ホハレ峠
    ”本の雑誌”ランキングから。村に唯一残った家庭との交流を通じて、一方的な行政のやり方に疑問を投じる。思い出話を通し、舞台は北海道開拓史におよび、実現はしなかったものの、南米への移住までが絡んでくる。時代背景も考えると、何とも壮大な話。自分の中では”カムイ”とか”熱源”とか”ヒストリア”とか、最近読ん...続きを読む
  • ホハレ峠
    あれ?大西さんて『ぶたにく』の人じゃないですか。

    ダムの是非という以上に、ゆきえさんという1人の女性の人生に、力強さ逞しさと共に、生きる悲しみそのものを思う。山村に生まれ、14歳で親元を離れて紡績工場で働き、写真で見た人と結婚して北海道へ渡って開拓の厳しい生活を生き、また生まれた村に戻るとそこはダ...続きを読む
  • ホハレ峠
     ダムに沈む村。
     本屋で手に取って気になってしまった。

     岐阜県徳山村、かつて地図に存在した村は今は徳山ダムの湖の下に沈んでいる。
     この村の最奥の門入集落に最後まで暮らしていた老婆、廣瀬ゆきえの生涯を追うノンフィクション。

     門入集落は、村の中心地の本郷ではなく、ホハレ峠を越えた隣村との交流...続きを読む
  • 津波の夜に 3.11の記憶
    淡々とした記録なので読み進めやすかった。
    通っている地域だから、いろいろ知れてよかった。
    北川吉隆さんが編集担当だったんですね♪
    この本の取材をしたときからも、被災者の方々の状況は変わっているので(たとえば当時のことをより克明に思い出してしまうこととか)、やっぱり、そのときどきのことを残していくこと...続きを読む