大西暢夫の作品一覧
「大西暢夫」の「津波の夜に 3.11の記憶」「炎はつなぐ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「大西暢夫」の「津波の夜に 3.11の記憶」「炎はつなぐ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
ダム開発のために地図から消されていった日本の多くの村のひとつに、岐阜県徳山村がある。コミュニティが崩壊したあとも山で暮らしつづける老人たちのもとを1990年代初頭に初めて訪れたジャーナリストの著者は、トチの実やマムシ、種々の山菜などを採り加工し保存する日々の労働を克明に記録するにとどまらず、ひとり村にとどまったゆきえさんの人生、そして今や彼女の記憶の中にとどまるのみの村の歴史そのものを掘り出し、現場を歩いて自らの体によって確かめるようにして記録していくことになった。
角入(かどにゅう)という雪深く貧しい集落から一度は北海道開拓民の村へ嫁いだゆきえさんは、なぜまたこの村に戻り、最後のときまで立ち
Posted by ブクログ
ダムが建設されることによって移転を余儀
なくされた、ある集落に住む一人の老婆の
人生を追ったドキュメンタリーです。
と、書いてしまうとどこにでもありそうな
内容と思ってしまいますが、まさしく日本
のどこでも起こっていることなのです。
それがとても切なくて悲しくて、失ってし
まったものの大きさに気付かされることは
多いはずです。
ダムの寿命は100年と言います。
一人に人間の長さでしかないのです。そん
な人間一代の長さでしかない物の為に、先
祖代々から受け継がれてきた物を全て食い
潰してしまった、と嘆く老婆の描写は心が
痛みます。
我々が失った「豊かさ」の大きさに愕然と
させられる一冊
Posted by ブクログ
ダムに沈む村の老夫婦の暮らしぶりを伝える第1部は普通の良書だが、第2部はハイパー展開だった。
最後の住人となった老婦人は、この岐阜県の山村で生まれ育ったが、戦時中に、初めて会う夫と結婚するために北海道の開拓地に移住していた。しかもその夫とは血の繋がる関係だという。
その夫は戦時中には満州移民を、戦後にはパラグアイ移民を志望して果たせなかったという。そして開拓地を捨て、岐阜の山村に移り住んで生涯を終えた。
ダムに沈むような山奥の集落だが、その住人は丸1日歩かなければ越えられないホハレ峠を頻繁に行き来して外の世界と交流していたというのは、当たり前かもしれないが驚きがある。老婦人も14歳の頃から毎