横山三四郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
[家の中の家]近代ヨーロッパにおいて、その卓越した情報力と金融力を基礎として栄えたロスチャイルド家。その影響力と知名度の大きさから、時には陰謀論と絡めながら語られることすらあるこの一族の歴史を、史料に基づき丁寧に記した作品です。著者は、上智大で学び同大学で教えたこともある横山三四郎。
私もそうだったんですが、「ロスチャイルドという名前だけは聞いたことのある」という方にぜひオススメの作品。どのように家を興し、発展し、今日に至るまで栄えるグループを作り上げていったかがわかりやすく解説されています。また、一族が仕出かしてしまった失敗についても記されているので、コンパクトでありながらバランスの取れ -
Posted by ブクログ
世界史の学習をしているなかで、ユダヤ人が陰で大きな影響力を持っていることを知りました。
中でもロスチャイルド家というユダヤ人一族は、莫大な財力を背景にスエズ運河株買収などといった歴史的場面でも活躍し、現在に至るまで世界への影響力を持ち続けている、、、ということを耳にしたので、同一族の歴史について学習しようと思い、本書を手にとりました。
この類いの本は「陰謀論」に終始していることが多く、本書についてもあまり期待はしていなかったのですが、予想に反してしっかり史実と結びつけて丁寧に説明がなされていて満足のいく内容でした。
主に近代ヨーロッパ史の重大な局面においては、常にロスチャイルドの陰があった -
Posted by ブクログ
よくは知らないが、誰もが耳にしたことがあるロスチャイルド。この本は読みやすく、彼らの歴史と全体像が分かる。
ロスチャイルドの歴史を知ることは、ヨーロッパの近年の歴史と現在を知ることと言えるくらい、ヨーロッパ諸国への影響力は大きかった。商才のあった1代目マイヤーは、5人の子供に意志を受け継ぎ、やがてその巨大財閥の原型を確立させていく。
まだ連絡手段が未発達の時代にヨーロッパ各国に五人が散らばる、というだけでも難儀であるのに、逆にその各国にいるための情報収集や情報操作などのメリットと、多くの財産を十二分に生かした戦略で繁栄し続けた。その後の分家消滅や分裂はあったが、なんとかパリとロンドンの分家は -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
紋章に刻まれた言葉は協調・完全・勤勉。
家訓は「語るなかれ」。
徹底した秘密保持と、一族の結束と連係で国際金融を制覇し、今なお世界を牛耳る巨大財閥の実像を描く。
[ 目次 ]
第1章 歴史を彩る
第2章 金融王国への階段(19世紀)
第3章 不死鳥の世界財閥(20世紀)
第4章 受難のパワー
第5章 日本とロスチャイルド家
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の -
Posted by ブクログ
軽い好奇心で読んだ新書本。
「ロスチャイルド、というのは良く聞くけど、あんまり知らないなあ」というだけです。
細部はもうすっかり忘れてしまいましたが、もともとはドイツのユダヤ人の商人。
被差別の立場にあったユダヤ人が、権力に取り入って商人として足場を固め、ファミリーでかなり冒険なビジネスに成功しながら、
欧州中にネットワークを作り、情報という武器を手に近代を世渡りしていくあたりは、なかなか面白かった。
2度の大戦にもバランスを取りながら巨大財閥を維持し、折々の権力者に殲滅されかかりながらも、対抗していく。
そのあたりは、近代国家という枠組みと、グローバルビジネスという鋭利な武器の丁々