白井恭弘のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
子供は第二外国語を特別の学習なしに身につけることができるのに大人にはそれが難しいのはなぜか。言語系統が近い言語と遠い言語における学習過程の違いは何かなど第二言語習得に関する科学的なアプローチを紹介し、そこから効果的な学習方法の提案などに展開していく。
言語の習得に関してはまだわかっていないことも多く、決定的な学習方法というものも存在はしないが、本書ではインプットを重視することが学校教育でよく行われる文法訳読方式よりも効果的であろうと締めくくっている。
これさえやればペラペラに!という類ではないが、外国語を学習する上でどのように進めていくのが良いかを考える一つの指針となるのではないかと思う。 -
Posted by ブクログ
第二言語習得研究という新しい学問の成果を紹介した本です。
第二言語習得研究とは、外国語の学習のメカニズムを、言語学、心理学、脳科学などからのアプローチによって解明する学問分野で、第二次大戦後のアメリカではじまりました。当初は、言語学と心理学のそれぞれの分野で当時の主流だった構造主義言語学と行動主義心理学に基づく外国語習得論が提唱されましたが、これらの理論は言語学や心理学の理論からトップ・ダウン的に導かれたものであり、学習者に対して十分に目を向ける態度が欠けていました。
その後の第二言語習得研究の主流は、実際の学習者の詳しいデータに基づく実証的研究へと移っていきました。本書は、この新しい学問分野である第二言語習得研究の成果を示しながら、外国語習得のメカニズムについてわかりやすく解説しています。
ところで、第二言語習得研究はまだまだ発展途上なので応用はできないという意見も存在するが、著者はこうした立場に与していません。本書では、これまでの第二言語習得研究の成果を生かして、効果的な外国語学習法の提言にまで踏み込んで解説がおこなわれています。ただし、細かいトレーニング法が提唱されているわけではないので、読者がそれぞれ本書で参照されている研究成果を消化して具体的なトレーニングのプランを作成しなければなりません。それでも、このようにみずから主体的に学習プランを組み立てることで、習得への動機づけが高められるように感じました。