第二外国語の習得が母語に比べて圧倒的に遅いのは、以下の2つの理由によると考えていた。
1)圧倒的なインプット量不足。相当勉強している人でも朝起きてから寝るまでに見聞きする外国語の比率は半分にも満たない。普通は1/100から1/1000位ではないか?そうだとすると日本で1年間に習得する日本語知識と同レ
...続きを読むベルの外国語知識を獲得するには100年から1000年かかることになる。子供が言葉を覚える時も、最初は文法も発音も稚拙だが、親が付きっきりで正しい表現を都度教えていく。第二外国語を学習するのにもネイティブが24時間付きっきりで間違いを正してくれたら上達が速いと思う。
2)記憶への定着が悪い。人は意味記憶よりもエピソード記憶の方が圧倒的に記憶しやすい。母語を覚えるのは一連の体験の中で文脈を持って覚えていくから言葉の意味や、それが使われた状況を含めて記憶している。一方で外国語はテキストを読んで覚えるから日常の文脈から切り離された意味記憶となり記憶が定着しにくい。自分の場合も海外で覚えた表現はいつまでも覚えているものだ。
本書を読んでも上記の確信は変わらないが、これに加えて最初に覚えた言語がフィルタになって新しい言語の習得を阻害する可能性があることを知った。なるほど、確かにそれはありそうだ。
第二外国語の習得に関する科学的なアプローチがこんなにも研究されているとは思わなかった。40年前に知っておけばと悔やまれる。