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こういう分野の本を飲むのは初めてだし専門でも無いので、内容の正誤については判断できませんが、第二言語習得という複雑な過程について色々な研究成果を紹介しながら、説明しています。インプットの理解とアウトプットの必要性が第二言語習得において大切ということですが、まあやはり近道はないのだなと思わされました。現在英語と中国語を勉強中ですが、意識するべき点を学べたという意味では読んで良かったです。参考文献も新書とは思えないほど豊富です。
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第二外国語の習得が母語に比べて圧倒的に遅いのは、以下の2つの理由によると考えていた。
1)圧倒的なインプット量不足。相当勉強している人でも朝起きてから寝るまでに見聞きする外国語の比率は半分にも満たない。普通は1/100から1/1000位ではないか?そうだとすると日本で1年間に習得する日本語知識と同レベルの外国語知識を獲得するには100年から1000年かかることになる。子供が言葉を覚える時も、最初は文法も発音も稚拙だが、親が付きっきりで正しい表現を都度教えていく。第二外国語を学習するのにもネイティブが24時間付きっきりで間違いを正してくれたら上達が速いと思う。
2)記憶への定着が悪い。人は意味記憶よりもエピソード記憶の方が圧倒的に記憶しやすい。母語を覚えるのは一連の体験の中で文脈を持って覚えていくから言葉の意味や、それが使われた状況を含めて記憶している。一方で外国語はテキストを読んで覚えるから日常の文脈から切り離された意味記憶となり記憶が定着しにくい。自分の場合も海外で覚えた表現はいつまでも覚えているものだ。
本書を読んでも上記の確信は変わらないが、これに加えて最初に覚えた言語がフィルタになって新しい言語の習得を阻害する可能性があることを知った。なるほど、確かにそれはありそうだ。
第二外国語の習得に関する科学的なアプローチがこんなにも研究されているとは思わなかった。40年前に知っておけばと悔やまれる。
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第二言語習得に関してエビデンス・ベースに科学した本。母語習得はほぼ間違いなく成功するのに、第二言語はなぜ失敗することが多いのか。子供ほど成功しやすいが、習得に臨界期が存在するのか。適性や動機付けの影響はあるのか。また、言語を習得するというのはどういうメカニズムか。母語と第二言語で異なるのか。などなど、この分野での現在までの研究結果の到達点を解説しています。効果的な学習法を手っ取り早く知りたいという人というよりも、第二言語習得という言語学に興味ある人にオススメです。
一番興味深かったのは、アウトプットが習得に与える影響の有用性に議論がある点。素人考えでは、効果あるのが常識かと思っていたが、内的なリハーサルだけでも効果があるので、インプットのみが習得に有用という見方もあるのだなと。
個人的に、4月から管理部門の有志を集めて英語講座のストリーミング放送を聴いているのですが、学ぶ立場だけでなく教える立場としてもどうしたら効果的なのか考える機会も多く、ちょいネタとしての活用の余地も含めて非常に参考になりました。
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同著者の『外国語学習に成功する人、しない人』の続編として書かれた本。
同じような内容はあるものの、第二言語学の基礎が学べる王道の本。何度読んでもいい。読むに値すると思う。そして、この中から少しでも自分の第2第3の言語習得に役立てていきたいと思う。
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実際にこの著者の白井さんの講義を大学で取り、教科書として使われました。
教科書でしたが、第2言語習得に興味がある人には楽しめる一冊だと思います!
言語はどのように習得されるのかや、どういったことにきをつけるべきなのかが簡単に説明してあるので、
英語だけでなく、外国語を学んでいる人にはおすすめです。
私的には、臨界期説が特に面白かったです。
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大人になってからの言語習得は難しいと身の程を知る。
ネイティブに近いといわれるのは凡人には無理で、圧倒的な記憶力が必要。
一般的には意味を理解した大量のインプットと、アウトプットの必要性で上達する
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言語学の知識がほんの少しあるからか、とても分かり易くスラスラと読めた。
新書って、書かれている内容の知識が少しあればこんなにも簡単に読むことができるんだなと初めて思った。
第二言語習得のメカニズムが第二言語習得論を通して書かれている。
その中で、具体的な第二言語習得方法として
1.アウトプットよりインプット
2.単文よりもダイアローグの暗記
3.アウトプットも毎日少しでもやるべき
の3つが重要ポイントなのではないかと思う。
言語学について学びながら、言語習得についてもためになる一冊。
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読みやすかった。でも引用する研究の数が多すぎて結局何言いたいのかはよくわからなかった。
多分ようはインプット多めで、でもアウトプットも今の学校の量よりは増やすようにってことだと思う。
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近年、英語学習は「アウトプットが大事」「とにかく話せ」と言われることが多く、大学入試改革なんかもその動きがきっかけになっていて、そんな状況にどこかモヤっとしていました(もちろん大切ではあるのだけれど)。けれど自分の知識不足、語彙力不足のせいで言語化できずにいました。
そんなモヤっとを明快に言語化してくださったのがこの本です。大切なのは「インプットの理解とアウトプットの必要性」。いわゆる受験勉強で培ってきた多読や多聴も無駄ではないはずなのです…。
そして著者の方の丁寧な語り口、物腰の柔らかさが個人的に好印象でした。とてもわかりやすく、読みやすかったです。
Posted by ブクログ
第二言語習得論について一通り網羅されており大変勉強になった。クラシェンのインプット仮説は聞いたことがあったが、インプット仮説が全て正しいというわけではなく、それだけでは説明できない点があること、自動化モデル説の存在など、第二言語習得論における位置づけや潮流も概観することができて良かった。
日本の英語教育には圧倒的にインプットが不足しているというのは薄々感じていたが、第二言語学習のために最も良いとされているコミュニカティブアプローチの真反対をいく文法訳読方式に問題があるという主張には深く頷かされた。
もともとは子どもの英語教育について関心があり本書を手に取ったが、幼児期の学習は無意識の学習であり、第二言語習得ともまた違っているように思う。子どもの言語習得について他の本も読んでみたい。むしろ、自分の英語学習法を振り返り、今行っているLearning Englishのリスニング、ディクテーション、英語ニュースのリスニングは理に適っていると再認識できたのは副産物であった。
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言語学習ついて、とても分かりやすく説明されている。「日本語には、英語のような複数形がありませんから、いちいち複数形のsをつけるのは大変。一方、所有の’sの方は日本語の表現と非常に形が似ているので、やさしい。」という内容を読み、妙に納得した。しかし、なぜ日本語には複数形の表現がないのか不思議である。現在我々は世界中で異なる言語を使用しているが、もし世界が一種類の言語で統一されていたら、どのような世界になっていたのだろうか、という妄想が止まらない。
以下、本書より抜粋。
Listen more, speak less. Read more, write less.
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母国語で離れた言葉ほど、覚えにくい、近い言葉だと覚えやすいが、母国語との違いを気付ないまま転用する「負の転移」がある、などと書かれている。
最後に結論が書いていあるけど、なるべく早いうちから、モチベーションの高く取り組むこと、等が書かれています。
ちょっとカタめな研究書風。
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"母国語以外の外国語を学ぶことについて研究している様々な事例から、効果的に第二言語を習得するにはどんな学習がよいのか!
なんだか、こんな本ばかり読みながらなかなか英語の勉強を始めない自分。
この本のようなやり方も参考にしながら学習していきたい。
この本で印象に残っているのが、アメリカがスパイ活動で情報収集するには、相手国の言語を操れないといけない。そこで、いかに効果的に外国語をマスターするかという研究をしていたというところ。
効果的な方法は最後の章にまとめてある。
好きな分野のインプットを基本に
例文の暗記
アウトプットは毎日少しでも
・・・
がんばろう!"
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p97 の動画は今は見られないみたい。
p181の教授法、日本であるかなあ。
外国語で情報を入手するレベルまでなるべく早く到達する努力。
聴覚優先教授法、沈黙期を保証してやる。インプット+文法的言語処理のためのアウトプット(リハーサル)の必要性。インプットの量を増やす。例文暗記に必要語を入れ替える。
言語習得は、かなりの部分がメッセージを理解することによっておこる。意識的な学習は発話の正しさをチェックするのに有効。自動化により実際使える能力に貢献。普通に聞いているだけでは気づかないことに気づかせ、理解による自然な言語習得を促進する。
十分なインプット。分野を絞り、専門分野と興味のある分野について。リスニング、20%理解より80%理解のほうがいい。回数多く。自国のニュースを対象言語で聞く。
例文暗記。よく使う表現、例文、ダイアローグ。
アウトプット毎日。日記、独り言録音、学校や会話喫茶、ネットチャット。アウトプット時、まずは意味を通すこと優先。次に正しい文、正しい発音。正確さと流暢さのバランス。
コミュニケーションストラテジー。時間稼ぎ、パラフレーズ、得意でない分野の回避等の決まった表現。
文を作れる程度(高1くらいまで)の文法。適性と学習方法の組み合わせ。
文法は家庭学習に回し、教室では理解可能なインプットを与える。文法精読と内容理解多読。多量の英文を読ませる。TorFを英語で聞かせて判断。
カーネギーメロン。文法事項を使った学生同士のインタビュー。課ごとによく使われる構文表現が入ったダイアログ暗記。宿題で自分のことについて書く。
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語学はもっと科学されるべき、との思いで読んでみた本であったが想像以上に奥が深かった。また語学は言語学だけでなく、脳科学、心理学またバックグラウンドも大きく影響を与えることは何となく理解していたがここまでの複雑性は意外であった。筆者の仮説と実践を丁寧に示すアプローチはまさに科学であって論理的思考能力を見つめ直す機会となった。あれ、語学勉強法を知りたかったのではなかったっけ?笑
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「第二言語習得研究」という学問分野の知見の概説なのですが、とても分かりやすく、また自分の英語学習のためにも有用な(有用と思われる)指摘多数でなかなか興味深く読みました。
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面白かった。
様々な角度から言語習得の仕方を述べているのが良かった。
やはり、学習において正解はない。気持ちが何よりも大切ということを分からせてくれた書物でした。
Posted by ブクログ
外国語学習研究の現状を素人にもわかりやすく伝えてくれる本。
純粋に外国語を学ぶときにどうすればいいかの知識としても面白いですが、
外国語を学び、習得する、という曖昧なテーマについて、
いかに科学的に解明していくかの模索が描かれてるのもいいですね。
そういったテーマについて研究するにはどうしたらいいのか、
あるいは学習するとはどういうことかを考えながら読むことで、
より一般化した知識としても利用できると思います。
仮説をしっかりと仮説として書いていたり、
結論が出ていないところは出ていないと書いてくれる誠実さと、
研究の結果を世の役に立てたいという熱意が伝わってくる良書です。
Posted by ブクログ
第二言語習得論について、科学的なエビデンスを説明した本。ここで「第二言語」とは、母語(第一言語)以外のすべての言語を指す。日本語では第二言語のことを「外国語」と呼ぶが、ではアイヌ語や沖縄語は外国の言語なのかという問題があるので、これはよくない言葉である。
今にして思えば、中学校の英語の授業は悲惨なものだった。教師が黒板に、英単語と対応する日本語を書く。教師が英単語を発音し、生徒が一斉にその真似をする。次に、教科書のテープを細切れにして一文ずつ聞き、その後について一斉に発音する。しかるのちに、その英文を日本語に翻訳する。これを延々と繰り返す。こんな授業をいくら受けたって、英語を喋れるようになるはずがない。
「インプット仮説」というのがある。これは、人はインプット(聞くことと読むこと)だけで言語習得が可能だ、という仮説である。この仮説に対しては、テレビからは言語習得ができないことや、受容的バイリンガル(聞いて理解することはできるが、話すことはできない)が存在することから、アウトプット(話すことと書くこと)も必要なのだ、という反論がある。この反論に対してさらに、アウトプットそのものではなく、「アウトプットの必要性」だけがあれば良いとする仮説もある。
しかしいずれにせよ、アウトプットを行うためには脳に知識が蓄積されている必要があるから、アウトプットよりもインプットの方が重要であることは確かだ。実際、インプットがアウトプット能力に転移することが示されている。(だから、TOEICはヒアリングとリーディングのテストしかなくても、充分意味があるのだろう。)自分が受けてきた英語教育は、このインプットが圧倒的に不足していたのだ。もっとも、英語教師が英語を話すことができないのだから、いかんともしがたいのだが。
効果的な教授法というのは薬の効き目のようなもので、多数のサンプルを集めて比較して、初めて有意差が現れてくる。だから、第二言語習得論の知識は語学教師にとっては極めて重要だが、個々の学習者にとっては、効果的とされる学習法が必ずしも有効とは限らない。自分に最適の方法は、自らが試行錯誤的に発見していくしかない。
第二言語習得の成否を決める要因はなんだろうか?最も重要だと考えられているのは、次の3つである:
1. 学習開始年齢
2. 外国語学習適性
3. 動機づけ
それでは、外国語学習の適性とはなにか?本書によればそれは、
1. 音声認識能力
2. 言語分析能力
3. 記憶
である。どちらも、当然といえば当然かもしれない。
IQは認知学習言語能力と強く相関するが、日常言語能力とはあまり相関しない。そのため、IQの高い学習者にとっては文法中心方式が、そうでない学習者にとってはコミュニカティブ・アプローチ(口頭練習中心)が効果的であるという報告もある。
大部分の日本人にとって、第二言語とは英語に他ならないから、本書に出てくる例文のほとんどすべてが英語なのは致し方ない。ただその例文は、英語として面白い。次の2つの文章のうち、一方は正しく、他方は間違っているが、どちらが正しいか分かるだろうか?これに答えられれば、あなたの英語力はネイティブに近い・・・かもしれない。
a. Open me a beer.(ビールを一つあけてください)
b. Open me the door.(ドアをあけてください)
Posted by ブクログ
子供は第二外国語を特別の学習なしに身につけることができるのに大人にはそれが難しいのはなぜか。言語系統が近い言語と遠い言語における学習過程の違いは何かなど第二言語習得に関する科学的なアプローチを紹介し、そこから効果的な学習方法の提案などに展開していく。
言語の習得に関してはまだわかっていないことも多く、決定的な学習方法というものも存在はしないが、本書ではインプットを重視することが学校教育でよく行われる文法訳読方式よりも効果的であろうと締めくくっている。
これさえやればペラペラに!という類ではないが、外国語を学習する上でどのように進めていくのが良いかを考える一つの指針となるのではないかと思う。
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第二言語習得研究という新しい学問の成果を紹介した本です。
第二言語習得研究とは、外国語の学習のメカニズムを、言語学、心理学、脳科学などからのアプローチによって解明する学問分野で、第二次大戦後のアメリカではじまりました。当初は、言語学と心理学のそれぞれの分野で当時の主流だった構造主義言語学と行動主義心理学に基づく外国語習得論が提唱されましたが、これらの理論は言語学や心理学の理論からトップ・ダウン的に導かれたものであり、学習者に対して十分に目を向ける態度が欠けていました。
その後の第二言語習得研究の主流は、実際の学習者の詳しいデータに基づく実証的研究へと移っていきました。本書は、この新しい学問分野である第二言語習得研究の成果を示しながら、外国語習得のメカニズムについてわかりやすく解説しています。
ところで、第二言語習得研究はまだまだ発展途上なので応用はできないという意見も存在するが、著者はこうした立場に与していません。本書では、これまでの第二言語習得研究の成果を生かして、効果的な外国語学習法の提言にまで踏み込んで解説がおこなわれています。ただし、細かいトレーニング法が提唱されているわけではないので、読者がそれぞれ本書で参照されている研究成果を消化して具体的なトレーニングのプランを作成しなければなりません。それでも、このようにみずから主体的に学習プランを組み立てることで、習得への動機づけが高められるように感じました。
Posted by ブクログ
概要: 言語間距離(日本語と英語は遠い、日本語と韓国語は近い); 言語転移(母語の知識が外国語に影響); 臨界期仮説(思春期をすぎたらだめ):生理的な問題か人との関係の質の問題か不明; 適性はまあある; 動機付けも影響; インプット+アウトプットの必要性: 頭の中でアウトプットをリハーサルする; 流暢さと正確さはバランス
感想: 自分の勉強法の参考になるかというといまいちだった
Posted by ブクログ
一番驚きだったことは、アウトプットよりもインプットのほうが重要ということでした。もちろんインプットする際も、ただインプットするだけではなく、インプットされたものがいったい何なのかをしっかりと理解しなければいけないということでした。ですので、漠然と外国語の本を読んだり、音声を聞いたりするだけではNGということでした。やはりダイアログを通じて自分の中のデータベースを増やしていくことが重要、ということで、いわゆる暗記力により習得に差が出るというのが・・・。暗記は苦手な私は人一倍努力せねば、と痛感しました。
Posted by ブクログ
外国語習得の本というと、著者が実践してきた方法・信奉してきた理論を説くのがほとんどであり、それはそれで有用だと思うのだけど、こういうスタンスの本もまた有用。
現在「科学的に」わかっている・有力である外国語習得の理論を幅広く紹介してくれている。できるだけ客観的な立場にいようとしていることがよくわかる筆致も、誠実さを感じる。
「インプット理論」なんて、魅力的だなあ。僕もこれからシミュレーションで頑張ってみるか。