柏木惠子のレビュー一覧

  • おとなが育つ条件 発達心理学から考える

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    著者の「子供が育つ条件」を読み、ハッと気づかされることが多かったので、続編的なこちらも読みました。男の人は読んでいると、普段の自分を省みて、いかに妻のことを理解していないか、いかに自分本意であったかを痛感します。。
    家族とは、家事とは、誰のためにあるかなど、普段当たり前になっていることを考えるきっかけになります。

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    2018年08月19日
  • おとなが育つ条件 発達心理学から考える

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    とても興味深く読んだ。親になることと親をすることの違い。育児=育自などの著者の言葉が胸に残った。最も興味をひかれたのは幸福感の見解。かつて「男はしごと、女は家庭」という性別分業かなされていたが、社会の変化によりその意味は失った。現代において重要なのは仕事と家庭のワークライフバランスである。育児不安が無職主婦に多いという結果はそのバランスがうまく保たれていない一例である。女性は、個として認められることがその幸福感につながる。社会参加の重要性を改めて感じた。

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    2013年10月23日
  • 子どもという価値 少子化時代の女性の心理

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    [ 内容 ]
    90年代以降、少子化は社会的問題としてさまざまな議論を呼んできた。
    しかしそこには、少子化が出産・結婚をめぐる女性の心理の問題であるという認識が欠けている。
    日本では「親子は一心同体」とその絆を強調されるが、そうした考え方もいまや普遍的とは言えず、変化してきている。
    現在「子どもをもつ」とはどういう意味があると考えられているのか。
    少子化を心の問題として捉える人口心理学を提唱、その視点から考える。

    [ 目次 ]
    1章 「子どもの価値」展望―子どもの価値の古今東西
    2章 人類初の人口革命―子どもの命と親の愛情の変質
    3章 「なぜ子どもを産むか」―「つくる」時代の子どもの価値
    4章

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    2011年03月29日
  • 子どもという価値 少子化時代の女性の心理

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    いやー、とても興味深い。
    特に男性は子どもって結婚したらそりゃ産むもんだろ、という感じの人多いと思うけど、子ども産むか産まないかというのは女性の心の問題に密接に関わってるっていう、言われてみれば当たり前のことを恥ずかしながら認識した。

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    ●いまの日本では子どもの価値というのは当たり前に認められている。親はお金をかけて子どもに良い教育を受けさせようとする。子どもが生まれたら夫婦2人の時間より子どもが優先されるようになる。
    でもこんな価値観は実は現代の日本だけ。歴史的にみても子供に投資するようになったのは最近になってから。現代の欧米でも、子どもは親とは違う人格を持った個人と

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    2023年02月04日
  • おとなが育つ条件 発達心理学から考える

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    おとなも発達する、というか能力に偏りがでてくるという主張。日本でのおとなの発達課題をアイデンティティやジェンダーというキーワードから紐解く。夫は幸せ妻は不満という典型的な家庭が熟年離婚となるには、コミュニケーションの方法やコミュニティの広げ方に問題があった。今後は「働く母」とか「イクメン」とか言ってないで男女子供ともに自分のケア、そして他人のケアが出来るようになることが大事とのこと。p169「ああはなりたくない」は、動物のようにモデルをそのまま模倣せず、モデルから逆の「なりたい」自分を考える、人間ならではのこと。能動的に学ぶ姿勢と力です。という言葉が良かった。図や表があまりにきれいにまとまって

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    2018年02月08日
  • 父親になる、父親をする 家族心理学の視点から

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    これを手にしたお父さんは、真摯に自分と向き合っている人であろう。権威的にしがみつくのではなく、自分とパートナーと子供にとってのあるべき姿を求めているような。

    小学生と中学生の子どもを持つ、日本の父親である私にとって、本書は意識変革を自身にも社会にもともに迫られる良質な啓蒙書であった。

    男性の過労死、女性の育児不安にも触れた本書の意義はこれから発揮されるだろうが、もっと早く出会っておきたかった気もする。

    次の課題は、雇用の安定か。

    ・子どもの泣き声を否定的に受け止めるのは、子どもとの日常的な関わりがない人。
    ・父親の家事時間が少ない場合、出生率が低くなる。
    ・母に重きをおく愛着理論の妥当

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    2014年10月30日
  • おとなが育つ条件 発達心理学から考える

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    おとなの発達障害というのが話題になっていて、ふと手にとってみた本。学力よりも実務能力が「賢さ」の指標。

    大人の未発達の原因を、基本的に家族における性役割に求めている。すなわちジェンダー論からの指摘のため、家事分担や育児に関わらない夫は妻の重荷になる「大きいだけの子ども」「退職後のネットワークがないため孤独」という、いささか既婚男性に厳しい論評が繰り返されている。女性も女性で未婚であるために幼稚な人や、既婚でも精神的に大人じゃない人も多いにいるわけだが、それについてはほとんど論じられない。

    発達心理学からというよりも、ジェンダー、フェミニズムから考えた本。

    超長命社会化で、男も女も、仕事一

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    2014年09月23日
  • おとなが育つ条件 発達心理学から考える

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    大人の心理の分析が的確です。ジェンダーの立場からの指摘も今考えてみると本当にそうだと思って反省もしました。もっともっと社会から変えていかないとね。

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    2013年09月09日
  • おとなが育つ条件 発達心理学から考える

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    社会化による人の発達が現実社会を生きるために不都合が出て来ている。旧来の価値観に基づいた社会化に身を委ねるのではなく、自分でこれからのあるべき姿を模索し、それに向けて力を注ぐことが大事である。と解釈しました。そうすると今の学校教育でいいのかなと考えさせられた。もっと自分で考え自分で行動する人を育てるように持っていかないとなあ。

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    2013年08月10日
  • 子どもという価値 少子化時代の女性の心理

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    いわゆる私の親世代以上の人が、こういった観点で少子化時代の女性の心理を親身になって論述しているというところに、ただただ感銘を受けるのみといった新書である。

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    2013年02月05日
  • 子どもという価値 少子化時代の女性の心理

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    子どもが「授かりもの」でなく、選択的にもつものになった今。親が良かれと与える教育機会(習い事など)に包まれる子どもたち自身は本当に幸せか?という問いかけが心に残りました。どのようなケースが、アンバランスな愛着形成につながりかねないかという分析もなるほど。

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    2012年08月02日
  • 子どもという価値 少子化時代の女性の心理

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    もっとも印象に残った一節を引用します。
    「最近、日本の社会を語る時、「少子・高齢化」がまるで枕言葉のように使われています。特に少子化は有史以来初の大事件、大問題であるかのように。それを耳にするたびに、私は子どもが少なくなったこと以上にもっと大問題があるのにーーと思わずにはいられません。眼をむけるべきは子どもの数の減少ではなく、子どもの価値に生じている変化、親にとっての子どもの意味・価値の変化。それこそ有史以来の一大変化です。」
    という指摘が痛切です。数の変化は人為的に社会政策で対応策を取り得ますが、意味・価値の変化を再逆転させるのは至難の技です。

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    2012年05月15日
  • 父親になる、父親をする 家族心理学の視点から

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    【読書その59】父親の意味を家族心理学及び発達心理学の研究からわかりやすく書いた本。岩波ブックレットでわずか70ページの本だが、得るものは多い。
    本書では「子育ては母親中心」や「父親の出番は子供が青年期になったから」といった考え方を、他の動物との違いを明らかにすることにより、人間の子供の誕生や育ちにおける特徴から父親が育児に関わる必要性を論じている。そして、父親が育児に関わることで、子供の成長、妻の心理、さらに自分自身の成長・発達に多大な良い影響を及ぼすことを説明している。この本を読んで、尊敬する政治学者である丸山真男の「日本の思想」の有名な論文「であることとすること」を思い出した。「父親であ

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    2012年04月29日
  • 子どもという価値 少子化時代の女性の心理

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     働く女性として賛同することが多かった。子どもは生みたいけど、自分の仕事に支障が出るのは困る。自分のキャリアアップの道が閉ざされるのは悲しい。でも仕事だけの人生は嫌。子どもがいる充実した家庭も欲しい。
     避妊や不妊治療などの普及で、子どもは両親の意志でつくられる存在になり、親の価値を押しつけられる存在になった。そんな時代の子どもに親はどういう価値を見いだすのか。
     時代や国家間による子どもの価値観の違いや、話は日本の少子化の原因から、日本の母親・父親の抱える問題、子育て論にも波及し、興味深く読めた。
     共働きで子育てをすることに筆者はとても前向きで好意的な理論を持っていて、その理論に勇気づけら

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    2012年01月26日
  • 父親になる、父親をする 家族心理学の視点から

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    父親の役割をかいた本。結婚前に、あるいは、 子どもができて父親始める前に読む本。
    この一冊でイクメンに関わる大概の論点が網羅されています。
    今までの稼ぐ父、育てる母の欠点から、育てる父のメリット。育児を手伝うのではなく、育児のもう一方の主担当者であることの必要性。
    バランスと体型性を備えた議論で、頭の整理になりました。柏木恵子さんのファンになりました。

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    2011年10月02日
  • 子どもという価値 少子化時代の女性の心理

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    「母親というアイデンティティ」について一時期盛り上がっていた。たとえば
    ・金原ひとみ「母の仮面が苦しいあなたへ 『自分』は今もそこにいる」(2023年11月)、
    ・イスラエルの社会学者オルナ・ドーナト「母親になって後悔してる」(邦題、新潮社刊、2022年)
    でも別に最近の発見というわけではなくて、以前からあった言説が、より女性中心の視点で、より繊細に語られるようになったという感じかな?
    こちらの2001年の本は、以前は「生まれてくる」ものだった子どもが、医療や技術の発展により、計画的に「つくれる」ようになったこと、女性が教育を受けたり働いたりするようになり、母親以外の役割を持つようになったこと

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    2025年11月13日
  • おとなが育つ条件 発達心理学から考える

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    家族関係に問題を抱えている時に出会った。
    日本と諸外国との比較や、日本の社会性からの家庭環境の考察がされていて印象的であった。

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    2023年11月12日
  • おとなが育つ条件 発達心理学から考える

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    タイトルからはもう少し科学的な内容で、人間という生物の成り立ち方、育ち方、かと思ったが
    あにはからんや。日本社会の持つ歴史や文化を、古き悪しきものと考えて引っ張られすぎているかなあ、という印象を強く持った。いわゆる濡れ落ち葉的退職後のオッサンの話やら、家族を顧みない過労死の話やら。これは、「日本のジェンダー論」とでもしたほうがいいのかなあ、と思った。おとなが育たない要因は、そういう昔ながらの夫婦の依存関係の歪みよりも、「マイルドヤンキー」のような内向的社会分断のほうが今後は問題になるんじゃないかなーと想像。

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    2014年03月24日
  • 子どもという価値 少子化時代の女性の心理

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    男女平等を言う著者の主張は決して過激なものではなく常識的なものであり、たぶん国民の8割は支持するだろうし、もちろん僕も支持する。
    だからこそ、恣意的なデータの使い方があるのにはがっかり。

    ま、ごく一部なんだけど、一部でそれだと、全部疑わなきゃいけないからなあ。
    内容としては、まあまっとう。

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    2013年10月22日
  • おとなが育つ条件 発達心理学から考える

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    自分がアンドロジニー型であることがわかった。
    「選択縁」というのは上野千鶴子の書籍で知った覚えがある。
    自分が成長し発達するために両性具有的でなければならず、自ら選び取った「縁」の中で生きなければならないのでしょう。
    発達心理学とあったので、発達障害の本かなぁ・・・と思ったのですが、もっぱら「自分の生き方」を問うているものでした。

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    2013年09月18日