岩根圀和のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
スペイン旅行のための勉強本。軽くてスペインの電車の中で完読。
物語風に歴史を書いているところが、私のフィーリングには合わない点を除けば、スペインの有名人を知るのに良い窓口。コラムは為になる
・エルシド:傭兵隊長だったけど、強かったので後世で伝説化されただけなのね
・フアナ女王:ずっと幽閉されていたかわいそうな人
・ラスカラス:インディオ解放を唱えた偉い人
・セルバンデス:貧乏だったのね。
・ゴヤ:宮廷画家だけど、異端審問所に目を付けられる画を描いて言い訳に苦労した人
・ガウディ:カタルーニャ主義者の頑固な老人
コラム
・ジブラルタルはイギリス領
・ハプスブルクスペイン王家の肖像画の顎は長いの -
購入済み
人物で歴史を切りとる小品
歴史をたどることに興味を持ちまして、地域史は閉鎖系ではないのだから、どこかしら響き合うものもあるのではなど思い、遠く離れたスペインに関する書物を手に取りました。タイトルだけで選びましたら、6名の、それぞれの分野ではつとに有名な人たちが取りあげられていて、この本を読んだから新しいものが紐解かれるというわけでもないようでしたが、この機会でもなければ触れることもなかっただろうと思いました。
女王フアナ(打たれ弱いカルメン?)、インディオに対する植民政策に異を唱えた僧侶とか。このあたりが興味を惹かれたところです。僧侶の方はさらに読み続けてみたいなと。 -
Posted by ブクログ
レパントとアルマダの2大海戦を中心としつつ、ムスリムのジブラルタル上陸からETAによるテロまでのスペイン史を物語的に描いた歴史本。
レパントの海戦が1571年、アルマダの海戦が1588年、その間が黄金時代だとすると(一般的にはもうちょっと広く言われるが・・・)、あまりにも短く、そして華々しい歴史だったと思わざるを得ない。
結果として主に中米以南に大きな影響力を残し、ハプスブルグの栄光に預かりながらも大きな汚名を着せられることにもなった、世界でも指折りの数奇な歴史であることは間違いない。
後書きにあるように、元より網羅性を追求したスペイン史ではないが、その歴史が持つ魅力は十分伝えられている -
Posted by ブクログ
熱のこもった語り口はまさに物語シリーズに相応しい。日本で有名なスペイン人といえばザビエルやカルロス1世、フェリペ2世らだが、そういった人物ではなくあまり歴史のメインにはならない人々を扱っている。どの人物も興味深いが、特にセルバンテスとアントニオ・ガウディの項目が面白い。
セルバンテスといえば『ドン・キホーテ』の作者として有名だが、人生そのものが波瀾万丈。そのあたりは通史の『スペインの歴史』がより詳しい。
ガウディはサグラダ・ファミリアの建築家として世に知られているが、電車と接触して病院に担ぎ込まれそこで臨終を迎えるエピソードが扱われている。
セルバンテスとガウディは特に、ミステリー小説のような