【感想・ネタバレ】物語 スペインの歴史 海洋帝国の黄金時代のレビュー

あらすじ

キリスト教国の雄スペインは、カスティーリャ、アラゴン両王国の婚姻により成立した。八世紀以来イベリア半島を支配したイスラム勢力を逐い、一四九二年、レコンキスタを完了。余勢を駆って海外へ雄飛し、広大な領土を得て「太陽の没することなき帝国」の名をほしいままにする――。国土回復戦争の時代から、オスマン・トルコとの死闘を制して絶頂をきわめ、宿敵イギリスに敗れて斜陽の途をたどるまでを流麗な筆致で描く。

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Posted by ブクログ

2ヶ月ほど前にそうだスペインに行こう!!そう思って何の知識もなかった当時衝動買いした作品。作者の岩根國和さんはスペインについて造旨が深い方でこの本だけでなく他にもスペインについての書籍を多数書かれている方。本題に移るとこの本はスペインの繁栄時代までにどのような過程で栄華を勝ち取ったかを書かれていた。途中で歴史の流れと脱線してスペインの各都市の地理学、失敗学、風習等も小話で説明してあり世界史を学んでなく歴史の話が難しいな、と集中力が切れそうになっても好奇心を刺激する構成になっているのがありがたかった。

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2012年07月09日

Posted by ブクログ

スペインがイスラム世界の支配下にあった時代から国土回復運動を経てトルコをボコり、
世界最強に上り詰めたあと今度はイギリスにボコボコにされて現代へ至るまでの歴史を
印象的な出来事をピックアップして物語風に仕立てた世界史本です。
情報量としては物足りないのですが、凄く読み易くて楽しかったです。
作者のセルバンテスへの溢れる愛が伝わってきます(笑)
サクっとスペインの歴史入門としてはお勧めな一冊です。

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2009年10月04日

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スペインの歴史の中でもイスラム、レコンキスタ、レパント海戦、無敵艦隊、スペイン内戦という主要な事件に限って語った本書。他の読んだことのある物語シリーズと比較して、物語色の極めて強い本であろう。歴史を網羅的に描こうというよりも、特徴的な事柄をまるでそこにいるかのような臨場感で描いている。読み終わった今、まだイギリスを追われて失意のままにスペインに戻る無敵艦隊の1兵士であるかのような錯覚に嵌っている。歴史書として評価は人それぞれだろうが、個人的にはとても面白い文学作品であった。出てくる漢字や熟語が少し難しいのも人を選ぶかもしれない。

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2021年02月19日

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イスラム朝の隆盛から、キリスト教の発展そしてレコンキスタ。太陽の沈まぬスペイン帝国の誕生、イギリスとの争いや無敵艦隊の敗北。そしてサラッとではあるが、現代の内戦や独裁政権についてと中世以後の一通りのスペイン史を読みやすく通読できる良本。

スペインを代表する人物とはいえ、セルバンテスの左手がどうなったかについて一章割いていたのはよくわからないが、スペイン史に興味を持って最初に手に取るのにおすすめ。

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2019年12月04日

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スペインの歴史の中でも、イスラームが支配した時代から国土回復に至るまで、レパント海戦から無敵艦隊の敗北まで、そして時代が進んでスペイン市民戦争、さらに飛んで現代(といっても2000年頃)の情勢、バスクのテロ組織ETAの問題といったテーマに絞って叙述される。

レパント海戦に兵士として参加したセルバンテスがトルコの捕虜となったエピソードに丸々一章割かれているが、セルバンテスが祖国に帰るため、本人やその周囲が苦心する様が印象的。

タイトルに「物語」とあるように、単に歴史の流れを述べるにとどまらず、スペイン情緒を感じさせてくれる一冊。

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2017年08月12日

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スペインは好きだ。現代もいいがやはり動乱の中世がとても面白い。薄く広くではなく狭目に深目に描いてあるところが良い。

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2017年05月17日

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スペインという国の歴史をダイジェストで紹介。
まずはイスラム教徒がアフリカ大陸から渡ってくるところから始まる。そして、レコンキスタ、レパントの海戦、無敵艦隊の時代から、スペインの凋落まで。
筆者は文学者なのでセルバンテスの足跡にかなりの力点を置いていた。面白い歴史の見方だと思う。

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2014年09月03日

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スペインの歴史をレコンキスタや
トルコ、イギリスとの戦いを軸に紹介する。
内容に偏りはあるものの全体的に読みやすく、
新書という媒体を考慮すれば、スペインの歴史を
ざっくり短時間で振り返ることのできる良書といえる。
ここから興味を惹かれた出来事をまた学んでゆきたい。

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2014年03月22日

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レパントとアルマダの2大海戦を中心としつつ、ムスリムのジブラルタル上陸からETAによるテロまでのスペイン史を物語的に描いた歴史本。

レパントの海戦が1571年、アルマダの海戦が1588年、その間が黄金時代だとすると(一般的にはもうちょっと広く言われるが・・・)、あまりにも短く、そして華々しい歴史だったと思わざるを得ない。

結果として主に中米以南に大きな影響力を残し、ハプスブルグの栄光に預かりながらも大きな汚名を着せられることにもなった、世界でも指折りの数奇な歴史であることは間違いない。

後書きにあるように、元より網羅性を追求したスペイン史ではないが、その歴史が持つ魅力は十分伝えられているのではないかと思う。完成度というか、歴史本としてきっちり完結していて、読みやすさもあり、なかなかオススメできる本だと思った。

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2011年09月12日

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史実から逸脱しすぎない程度に物語化されたスペイン黄金時代の本。しっかりとした歴史を求めるには足らない部分もあるが、把握さえできれば、という場合にはオススメ。言葉選びもよく、読みやすいと感じた。

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2011年08月25日

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おお・・・これは・・・物語ですね(笑)
いやでもとても読みやすかったし面白かったです。
息抜きついでに歴史の復習もできました。

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2010年01月05日

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イベリア半島にイスラムが上陸したところから、レコンキスタ、レパントの海戦、「無敵艦隊」の敗北など、いくつかのテーマをタイトル通り、物語調で描いた本。読みやすいけど、読み応えもあった。

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2009年10月04日

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ネタバレ

網羅的なスペインの歴史書ではなく、タイトルにもあるように物語としてスペインの側面を見ていく本。

終盤にもあるように、情熱の国というイメージだけではないスペインの苦悩の歴史を垣間見た気がする。西欧史でも辺境の位置にあり、世界史でも中世以外ではあまり注目されない(?)スペインだが、さらにその歴史を知りたくなった。

『能天気な観光ポスター的標語はもういい加減に破り捨てなければならない。スペイン人はそれほど気楽な人たちではない。もっと真摯で寡黙、そして働き者である。』

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2025年09月02日

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ウマイヤ朝時代から現代までのスペインの歴史を扱う。とくに中世時代、イスラム教とキリスト教が拮抗した時代で、なぜキリスト教側が勝利したのか、また、レコンギスタ完了後のスペインで、カトリック教徒以外の者の生きづらさがわかる。

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2025年04月13日

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「物語スペインの歴史」岩根圀和。中公新書2002。
大学の先生(外国語学部だそうですが)が書いたものです。
「キャパの十字架」を楽しむための準備運動の一環です。

・北アフリカのイスラム圏と、ローマからのキリスト教文化とのせめぎ合いの地であり、完全にイスラム圏だった時代も長くあったこと、そして決して悪政でもなかったことが良く分かった。

・レコンキスタ(キリスト教側の国土回復)に1400年代までかかった。800年くらいからずっとせめぎあいで、その間は普通に国王制の国家を中心とした群雄割拠。

・レコンキスタ終盤くらいからは欧州各地と同じ、各地血縁の王政。スペインのステイタス向上にはコロンブス含めて「アメリカ大陸の発見とそこでの言葉も失うほどの非人間的な虐殺と搾取」があった。

・でも結局欧州中心で言えば「田舎風」だったんだなと思うのは、無敵艦隊の儚い栄光があったとしても、中心の動きからは「辺境」だった。たとえばプロテスタント、宗教改革というのは入ってこなかった。

・多分それはそれ以前に「イスラム」を異端とする残酷非道な異端審問が行われていて、その流れの中でいわば新教の侵略を早めに阻止したと言えるか。それとも辺境で新大陸からの搾取に依存しすぎて産業革命への転換が遅れたからか。

・だから同じく辺境だったイギリスの台頭とともに衰えた感。オランダ植民地も失う。これが無敵艦隊の敗退とセット。エリザベス1世の時代。1558-1603。この時代がセルバンテス。

・王政が続くが国外の植民地と影響力を立て続けに失ってフランスに追随する時代。そしてナポレオンの征服で「革命の輸出」に洗われて、ナポレオン後は王政復古するも共和制とのせめぎあい。

・20世紀に入ると悲惨が続く。第1次世界大戦~ロシア革命を経て、軍人のクーデターで混乱時代に突入。1930年くらいに無血革命で第二次共和制となるが、軍部右翼(というか反共資本主義勢力)と共産主義勢力の狭間で混乱、世界恐慌の中、軍人フランコが反共勢力を結集して挙兵、ナチスの支持も受けて「スペイン内戦」の結果、1970年代まで続く独裁政治。

・フランコの死後一瞬王政復古するも、王家が分かっていて民主制にようやく移行して今にいたる。

というような流れがまさに物語として大筋頭に入った感じです。自分にとっては良書でした。

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2023年01月15日

Posted by ブクログ

ある程度スペインの歴史について学んでいる人向けの一冊です。複雑なスペインの歴史のダイジェスト…という内容です。
あとがきに、物語性を意識したとありましたが、その「物語」が中途半端に感じ、あまりのめり込めませんでした。

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2015年01月31日

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スペイン旅行の前に予習として読んだ。スペインの通史というよりは、国土回復運動やレパント海戦、スペイン無敵艦隊などの歴史的事件をピックアップして、物語調で紹介する形式。著者がイスパニア文学専攻ということもあり、歴史書というよりは、情緒的表現にあふれる文学的な本になっている。個人的には、もうちょっと歴史学的なものを期待していたこともあり、逆にあまり文章に惹きこまれなかった。
トレドでキリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒が共存していたということは本書で知り、興味深かった。
現在のスペインを理解するうえでは、スペイン現代史の部分をもうちょっと充実させてほしかったなと思う。
本文よりも、コラムの「失敗しないワインの選び方」が一番印象に残り、実際の旅行でも役に立った。

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2014年11月24日

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スペインの光と影の強い印象はキリスト教とイスラム教のせめぎ合いにより双方の文化が交じり合ったためであることを痛感させられる。しかし、レコンキスタ時代の2宗教の相互に寛容な時代は今では考えられないほど。カスティーリャ・アラゴン両国王の婚姻による国の成立、レコンキスタの完了、フェリペ二世時代のレパント海戦の対トルコ勝利、無敵艦隊の対イギリス惨敗。ハプスブルグからブルボン王家への乗り換え、そして20世紀のフランコ時代と、各時代の象徴的な出来事を物語風に語ってくれ、楽しみながら読める。フェリペ二世の弟ドン・ファンがレパント海戦の英雄でありながら、英国で病気に死すこと、セルバンテスがアルジェでトルコの捕虜として辛酸を嘗め、恐ろしい拷問にも耐え抜いた強靭な人物であるなど初めて知らされた部分も多い。

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2013年09月25日

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キリスト教国の雄スペインは、カスティーリャ、アラゴン両王国の婚姻により成立した。八世紀以来イベリア半島を支配したイスラム勢力を逐い、一四九二年、レコンキスタを完了。余勢を駆って海外へ雄飛し、広大な領土を得て「太陽の没することなき帝国」の名をほしいままにする―。国土回復戦争の時代から、オスマン・トルコとの死闘を制して絶頂をきわめ、宿敵イギリスに敗れて斜陽の途をたどるまでを流麗な筆致で描く。

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2012年02月22日

Posted by ブクログ

ウィーン旅行でハプスブルク家に関心を持ち、中野京子の「名画で読み解く」でスペインもハプスブルクと知り、さらにゴヤとスペイン宮廷に興味が湧き、本書に至る。連鎖読書でヨーロッパ遍歴中。

でもこの本、ゴヤの時代は華麗にすっ飛ばしてありました。イスラムの時代から始まり、無敵艦隊が破れた次のページはスペイン内戦。従って全体史を知るにはまったく不向き。でもスペイン通の著者が「物語あり!」と感じた時期を厳選して面白く描いているわけで、楽しい読み物になっている。

読み始めてすぐロマンチックな文章から文学者と知れる著者の筆が、セルバンテスが登場すると滑りに滑るのが微笑ましい。ドン・キホーテは私にとって、笑って読めた最初の岩波文庫で、好きだが、当のセルバンテスの人生が小説顔負けなのには驚いた。(特にアルジェ時代)。その他、フランコ時代が1975年までと意外に最近だったり、無敵艦隊が他称に過ぎず、無敵とは程遠かった実情、バスク問題の思いの外深刻なこと、いろいろと発見があった。ガレー船の戦法の説明も面白かった。鼻で刺して乗り移り、白兵戦とは。。

ゴヤ、それからガウディ、ピカソ、ダリら芸術家には別の本であたることにしよう。それから、ドン・キホーテを読み返そう。

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2011年12月22日

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ネタバレ

おもしろかった!だけどアプスブルゴ終わったあとほぼボルボーンすっぽかしていきなり近代に入ったのには辟易しました。
副題が『海洋王国の黄金時代』だから仕方ないんだろうけど( ̄ω ̄;)

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2011年05月23日

Posted by ブクログ

スペイン旅行の予習ということで読破。歴史を勉強する感覚で、時系列で流れを追っていくかと思ったが、歴史上の重要なポイントを物語的に詳述するという色合いの方が強かった(というか、はっきりタイトルに「物語」と書いてましたね…)。いい意味では物語なので、楽しく読める。レバント海戦、セルバンテスの波乱万丈の人生についてはかなり詳しくなった気がする。悪い意味では、記述に濃淡があるので、スペインの歴史全体を俯瞰するという目的にはそぐわないかもしれない。ある程度、世界史の知識を持った人でスペイン史をもっと知りたいという人にはちょうどいいかもしれない。

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2011年05月03日

Posted by ブクログ

この本はスペインの海軍などについて書いてある本です。文章は結構やみやすいと思いますので、興味がある人は読んでみてください

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2010年02月01日

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