黒川祐次のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ロシア帝国やソ連のもとでの忍従を強いられ、ポーランドやオーストリアからは圧力を受けながらも独自の文化を守り続けたウクライナ。その忍耐の歴史を元大使の黒川祐次さんが愛情をもって綴ります。
描くのは1991年の独立までと、現在のウクライナ状況を理解するには物足りない気もしますが、ウクライナ人の不撓不屈の精神は理解できると思います。
印象に残ったのは
○中世ヨーロッパに大国であった「キエフ・ルーシ公国」(『ロシア』はルーシから派生した)の後継者は誰かという問題がある。ロシア側の言い分はウクライナという国そのものが消滅してしまった。モスクワ公国は存続していたのだからロシアが後継者であることに議論の -
Posted by ブクログ
ウクライナの土地は肥沃で
また西欧と中東・アジアを繋ぐ道にもなっており
スキタイ時代から豊かな文化を誇っていた
しかしそれは、様々な民族の争いを招き寄せる場所ということでもあった
ウクライナ民族の祖先はキエフ・ルーシ公国を築き
長きにわたる繁栄を享受したが
荘園貴族の力が増したことで国は分裂
モンゴルによる征服を経たのち
モスクワを除いて、ポーランド・リトアニアの支配下に入った
さらに南方から受けたタタールの侵略によって
自衛の必要に迫られた人々はパルチザンと化し
コサックと呼ばれ恐怖と憧れの対象になったものの
やがてポーランドの承認なしにコサックを名乗ることもできなくなった
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