五十嵐泰正のレビュー一覧

  • 原発事故と「食」 市場・コミュニケーション・差別

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    2011年3月11日福島原発メルトダウン事故により、福島の農林水産業は多大な被害を受けた。そして、10年経って原発メルトダウン事故は風化しつつある。ただ、福島の農産物は、未だに風評被害があり、その風評被害が固定化し、定着している。福島の放射能に関する科学的な知見は多く明らかにされつつある。緻密で、具体的な科学的事実を積み上げている。著者は社会学者であり、柏市の住人で柏市の職の安心安全について、消費者と生産者をつなぐ活動をしている。
     社会学の立場だけでは、明らかにできないことが多いが、福島の食についての風評被害の現実と課題を鮮明にしようとしている。読みながら、意欲的で刺激的な本だと思った。これ

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    2022年06月27日
  • 労働再審2 越境する労働と〈移民〉

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    2020年4月から、介護保険料が大幅に増額されていることをどれだけの人が知っているのだろうか?

    2017年の介護保険法の改正で、所得に応じて保険料が算出される「総報酬割」という制度が導入された
    簡単に言うと
    今までは基本給にだけ税金が掛かっていたが
    これからは総手取りに税金が掛かるということ

    元々2000年に介護保険法が施行され
    40歳以上の人へ強制的に保険料徴収がはじまった(半分公費負担、半分国民負担)

    ちなみに元々の法案は20歳以上全てから徴収するはずだった(今も政府は諦めてないかもしれない)

    財源はすでに赤字で健康保険料だけでは持たないため導入された

    さらに元々は
    1963年に

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    2020年07月04日
  • 原発事故と「食」 市場・コミュニケーション・差別

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    大切な人からもらった一冊。食と外からフクシマにかかわる身として、これから自分がどうしていけばよいかを考えるきっかけになりました。

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    2020年08月24日
  • 原発事故と「食」 市場・コミュニケーション・差別

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    柏在住で、地元農産物の放射能汚染問題に関わった社会学者による、福島の食問題の考察。
    原発関連の問題は大きすぎて議論が混乱するので、課題の切り分けが大切、との主張は頷ける。
    また、深くからまった問題による社会的分断の解消は容易ではないが、信頼関係が構築できれば、異なる意見を持つ人も信頼しうる人の説明には納得すると指摘する。
    複雑化した問題の解消には、科学的知見の説明にも増してコミュニケーションが重要との論は、原発問題に限らず、参考になった。

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    2019年04月17日
  • 労働再審2 越境する労働と〈移民〉

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    労働のグローバル化について。
    主に読んだのはまだ序章と第二章EPA外国人看護・介護受け入れのぶぶんだけだけど、新しい本なのでいい感じの視点。

    気になった点をいくつか。

    EPAでフィリピンとかインドネシアから看護師・介護師が来る前に(とはいってもまだ資格を得たのは二十人に満たない)すでにフィリピン人移住者などがそれらの分野に進出していること。

    外国人労働力の受け入れに関しては、バブル期の急速な労働力不足(主に非熟練)に対して整えられた1990年体制と、21世紀に入ってから労働力のダイバーシティーを求める形で整えられた現代の体制の差異があること。そして後者はリーマンショック以後急速に議論が縮

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    2011年11月21日
  • 原発事故と「食」 市場・コミュニケーション・差別

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    ネタバレ

    福島県産の農水産物を買うか買わないかについて、2011年3月以降、誰もが一度は考えたであろう。その後、「食べて応援」と積極的に購入する人がいる一方、福島のみならず東日本産のものは一切買わないという人までいると聞く。
    著者は、そういう分断が起きた原因、現在も埋まらない溝がある理由について、どちらか一方を批判することなく、冷静に分析する。作物ごとの違い、つまり、比較的早く市場に出回るようになったものと、いつまでも安値でしか売れないものの違いの分析など、市場を通した考察は中々興味深い。そして、リスクコミュニケーションのあり方についても考察されていて、社会学が何をする学問なのか、こういう事例でどう役に

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    2018年03月24日
  • 労働再審2 越境する労働と〈移民〉

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    本来知っているべき日本の移民と労働の問題、比較的新しい視点で、多様なテーマをわかりやすく読めた。国内労働者にとり、外国人労働者はいれたくない&その労働条件は改善すべきという一面相反する二つの要望があり、これらの両立の実現がポイントになるとのこと。あとは、コラムのバンドー化学単位労働組合の連帯共闘のエピソードが心に残りました。本を貸してくださった先生に感謝^_^

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    2017年01月17日