佐藤洋二郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ秋山駿が出てくる。主人公の男は佐藤さんという名前で、日大芸術学部の講師になる男だという。では、宗像さんとは誰なのだろう。読み終わった今、そんな思いが頭のなかにこびりついている。
読んでいてだんだん哀しくなる。それが佐藤洋二郎さんの文章の特長だ。人生って辛く哀しいものだなとおもい、絶望し、教訓にし、作中の人物を不安な眼で見ている。近頃はこんな苦しい小説に出会ってこなかった。ぼくのなかにある苦しい気持ちと共鳴する。読みたくないとおもいながらも、この苦しさを人生をもって教えてくれることに感謝している。今まで佐藤洋二郎さんの作品は、「湿地」、「運動会」、「東池袋」、「福猫小判夏まつり」、「妻籠め」と読 -
Posted by ブクログ
「河口へ」
85年のプラザ合意以来、内需拡大路線を走ってきた日本は
バブル経済を迎えて、外国人労働者(ジャパゆき)を多く雇用した
最低賃金の上昇していくなか
いわゆる3K(キツイ・キタナイ・キケン)労働を低コストでまかなうには
国内だけでは人材が足りないのだった
そこに、老オカマや相撲くずれも加わって
浦安の飯場は、ちょっとした異文化のるつぼと化していた
「入水の夏」
飯場の周辺で、楽しいことといえば飲む・打つ・買う
酒に博打に女であった
黒人兵との間に生まれた赤ん坊を抱え
入水自殺した女の呪いかなんか知らんけど
お楽しみにまつわる
いくつかの国際問題が、飯場周りで持ち上がってきた
「待ち