林芙美子のレビュー一覧

  • 放浪記

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    読み終わらなかったです...

    戦戦後の女性活躍に一定の役割を果たした作家という認識で読み始めました。日記なので書き散らしで読み手には前提がわからない部分もしばしば。好きな男と貧困に翻弄され、職を転々としつつ故郷に想いを馳せる女性。そんな印象です。

    戦後の女性はみんなこんな感じだったのだろうか...お金に困って色んな人にお金を借りたり着物を売ったりして生きながらえている。でもあっけらかんとしている著者にちょっと救われた気分でした。

    森光子がデングリ返るシーンが有名ですが、どの場面だったのだろう。最後まで読めなかったのが残念。

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    2025年07月02日
  • 放浪記

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    男なんか二度と当てにするものか! ——誰か私を受け止めてくれる男はいないものか?
    書きたいことがありすぎる! ——いくら書いたところで一銭にもならぬ。
    もういっそのこと死んでしまいたい! ——冗談じゃない、生き抜いてやる!

    作者 林芙美子自身でもあり、実像とは大きく乖離した幻影でもある「私」。お金は無い、書いたものは売れない、今日その日の飯にもありつけない彼女の日々を綴った本作は、絶望と希望・不幸と幸福・暗さと明るさとが綯い交ぜとなっている。未熟で乱暴にも感じる文章からは汗・体臭・痛み・日差しの暑さ・風の冷たさ・空腹・満腹・身体の疲れが感じられる(作者は稚拙さを恥じて何度も手直ししているらし

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    2025年06月11日
  • 放浪記

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    読書会 課題図書
    あまりにも著名な「林芙美子」
    でも、じっくり読んだのは初めて
    イマサラですね

    三部の構成 重複するので???
    だったけれど、検閲とかいろいろな事情で
    後からつけられたとのこと

    『私は宿命的に放浪者である』
    極貧の中、それでも上を向き貪欲に本を読み、そして書いた彼女
    生活主義というか、食欲・性欲にのたうち回りながらの
    若い日々

    大正11年から15年の日記風の雑記帳からまとめられた自叙伝

    「読書会」では全く違う観点を知って興味深い

    ずっと改変されてきたが
    最初の改造社からのものが一番いいとか
    岩波版との比較とか

    ≪ 放浪の 日々の苦悩を ただ書いて ≫

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    2023年10月19日
  • 愉快なる地図 台湾・樺太・パリへ

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    林芙美子の海外への旅、紀行文集成。その主な行程は以下のようなもの。
     1930年1月 台湾
     1930年8月 大連、ハルビン、杭州、蘇州
     1931年11月~1932年6月 シベリア鉄道を使い、パリ、ロンドンへ
     1934年5月 樺太
     1936年10月 北京

     最初の台湾行こそ準公的な団体行動であったが、残りは基本的に一人旅。この時代に女性が一人で海外への旅をするというのは珍しいことだったのではないだろうか。文章を読んでも、「何とかなる」との精神でバイタリティーを持って行動していることが良く分かる。

     シベリア鉄道の三等列車の旅では、乗り合わせたいろいろな乗客とのちょっとしたふれ合いを語

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    2023年07月02日
  • 愉快なる地図 台湾・樺太・パリへ

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    林芙美子の紀行文をまとめた
    オリジナル編集の文庫本。
    ハンディで嬉しい。

    283ページの本とはいえ
    芙美子さんって一文がわりと長いので
    なかなか読み終わらなかった。
    旅の記憶も濃ゆいしね。

    鉄子としてはシベリア鉄道もいいけど
    満州鉄道の記録も良かった。
    それからパリを拠点にバルビゾンまで
    足を伸ばしていたなんて!
    私が大好きな画家たちの絵を
    芙美子さんも同じように愛でていたとは
    時を超えて嬉しさを覚えます。

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    2023年02月21日
  • 放浪記

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    大正から昭和初期の生活の様子が垣間見ることができ、興味深い。特に赤裸々に貧困した生活を描いているので、当時の物の価値を知るのも意外と面白かった。

    貧しい中でも自分の作品(詩、童話、小説)を世に送り出そうとする意欲に感服する。
    単に自分の能力に自信がある、ということだけではないのだろう。世に登場する芸術家、作家に共通するもの、目には見えない道筋、運命のようなものを感じる。

    当時は、女性というだけでハンディが大きかったと思うのだが、精神力の強さというよりも、生命力の逞しさ、と表現した方がよいのだろうか。
    この作品は、森光子の舞台でも有名だし、戦後、映画化もされてきた。特に戦後の復興に際して、彼

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    2023年02月05日
  • 愉快なる地図 台湾・樺太・パリへ

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    ●は引用、その他は感想

    ブックレビューに”沢木耕太郎や下川裕治の先取りのようだ”というコメントがあったが、自分もそういった印象を受ける。バイタリティーに富んだ人なのだろう。だから、興味があるとそれを実行してしまう。本書では、軍国主義の台頭に嫌悪感を表わしているのに、たぶん同時に語られる愛国心の発露が、この後の従軍記者時代につながるのだろう。一見すると一貫性が無い様に見えるが、本人にすれば一貫しているのだろう。

     文庫オリジナルの編集として、パリ→ロンドン→パリという移動を、年代と場所でくくってパリを一つにまとめて文章を配置している。時系列で文書を配置した方が読みやすくなるような気がする。

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    2023年01月21日
  • 放浪記

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    ★3.5
    文章が素敵。生活が大変だった日々の記録なんだけれども、暗くなくてどこか明るいと感じるのは、作者の性格なのだろうか。

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    2022年01月09日
  • 放浪記

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    よ、ようやく読み終わったぜ。
    林芙美子の極貧時代。ほんの100年前まで、女には人権も仕事もほぼなかったのだよな。
    書きたい執念、愛への妄念。強い。

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    2021年02月05日
  • 放浪記

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    少し前の時代を読むと男性作家が男女関係を書いたものが目立つ気がして、女性作家は何を書くのか気になって手に取った。
    読んでみると題の通り、小説ではなく日記だった。ひたすらに飢えていた。読むうちに、当初知りたかった男女観よりも制作の実際に興味が湧いた。

    「食事のあと、静かに腹這い童話を書く。いくつでも出来そうな気がして仲々書けない」

    「詩や小説を書くと云う事は、会社勤めのようなものじゃありませんのよと心の中でぶつくさ云いわけしている」

    そして、音楽。

    「私は風呂の中であこまでつかって口笛を吹く。知っているうたをみんな吹いてみる。しまいには出たら目な節で吹く。出たら目な節の方がよっぽど感じが

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    2021年01月21日
  • 放浪記

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    第一部〜第三部が縦割りなため時系列がわからず、一つのストーリーとしては読みづらい。話自体とびとびなので、なりゆきがつながらず、ストーリーというよりは筆者の一つひとつの心情を読んでいく感じ。
    故郷を持たず、旅を故郷とする筆者の放浪の記録。本当に職も所も転々としている。極貧の中自分で働いて尾道高女を出たと言う筆者の文学への造詣の深さがよく分かる。
    力強くたくましく、というが、しょっちゅう死にたいと言ったり、でも母がいるから、ご飯が美味しかったから、etc.やっぱり生きたい、と言ったり、その揺れ動く感じや憂鬱な心情がリアルだと思った。生きるためには食べねばならず、食べるためになんとか働く、ギリギリの

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    2021年01月03日
  • 放浪記

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    改造社版の放浪記のあと、全面改稿が行われた放浪記が第三部まで出されていて、本書はその全三部を収録。
    だれもが言うとおり、こちらは落ち着きと丁寧さはあるものの、改造社版の原初の破壊力は薄められてしまった。

    もちろん改造社版のほうが優れた作品だが、これはこれで。

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    2020年07月12日
  • 貧乏こんちくしょう 林芙美子作品集

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    作者の言葉を借りれば『貧乏こんちくしょう』ではなく『貧乏どうにかなろうたい』なんだと思います。極貧のなかにあっても“どうにかなる”という精神の強さ。登場人物達の生い立ちと生き方は時代ならではの壮絶さでありながら、どこか突き抜けてたくましい。今の時代では法律違反や不謹慎と言われる行為も、この時代では仕方がなかったのだと気付かされるでしょう。置かれている立場の小さな憤りが大きなエネルギーとなって林芙美子を作っていった初期の作品集です。

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    2019年09月18日
  • 放浪記

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    自身の日記を元にした私小説。放浪の中に生きる女性の姿。それも、かなり生身。逞しさの中で儚く、あざとさの中で純粋で、逃げたいと思いながらも立ち向かう。人間の様々な面を、洗いざらい目の前にさらしてくれる。こんな本は、ちょっとない。
    森光子の舞台で有名な本書。女性の立志伝という読前の印象は、いい意味で裏切られた。

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    2016年10月05日
  • 放浪記

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    現代とは違いすぎる、当時の日本がひしひしと伝わる。
    土地を転々とし、様々な職に就き、多くの人々と出会う。

    個人的に好きな場面は、第三部のちもとという店で働いている時の、芙美子と料理番であるヨシツネとのやりとり。

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    2015年07月07日
  • 放浪記

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    林芙美子の出世作、なんども改稿し続けた1~3部を収録。
    表紙には「逆境におしつぶされることなくひたすらに文学に向かってまっすぐに生きる」と書かれているけど、まったくそういう風には読めません。少しも埒の明かない暮らしに、しょっちゅう自棄っぱちになっては悪態を吐き、できもしないことを夢見たりして、それでも文学を捨てきれない人、というのが私の受けた印象でした。
    なにしろ、貧乏でも芸術一筋を気どりつつ、生活の苦労は女に丸投げしてきた多くの男性作家とはわけが違うもの。女にとっては、貧しさと、男に依存する/利用されることとが不可分の関係なのだということが、この人の吐き出す思いを読むと、あらためて実感されて

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    2014年10月12日
  • 放浪記

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    貧困はこうも人を卑屈にするものかと思いました。また、作者自身の男性との関係のいつまでも未練たらしく優柔不断なところや職を転々とするところなども少しばかり腑に落ちませんでした。正直この作品が後々まで読み継がれていくほどの作品かなと思いました。

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    2014年05月06日
  • 放浪記

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     最近はあまり小説は読まないが、女優「森光子」の逝去の知らせとともに「放浪記」が取り上げられる中で本書を一度は読んでみないといけないと思い手にとってみた。
     しかしこれは「小説」なのだろうか「日記」なのだろうか?
     「林芙美子」の原作は昭和3年(1928年)発表だが、その元となった著者の日記は大正11年(1922年)から大正15年(1926年)だという。
     「関東大震災」や「虎ノ門事件(昭和天皇狙撃事件)」が大正12年(1923年)だから不安な時代だったのだろう。
     世界恐慌の影響を受けた昭和恐慌は昭和5年(1930年)から昭和6年(1931年)にかけてだから、本書が発表されてベストセラーにな

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    2013年04月02日
  • 放浪記

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    日記というかなり主観が介入した内容かつ林が自分で隠したい部分は省いたので、結構日付が飛んでいる……。一体、省いた部分で何が起きたんだ。いきなり転職してたり引っ越してたり、忙しい人だったんだなぁ。この時代の女性としては珍しいのかな。

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    2013年03月23日
  • 放浪記

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    一にも二にも貧乏。
    貧乏、貧乏、貧乏です。

    極限の貧乏の中で、ぎりぎりに生きる女の放浪記。

    部分的に、「馬鹿に」切ない。
    虚しく当て所ない怒り。

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    2012年01月15日