林芙美子のレビュー一覧
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林芙美子の紀行文をまとめた
オリジナル編集の文庫本。
ハンディで嬉しい。
283ページの本とはいえ
芙美子さんって一文がわりと長いので
なかなか読み終わらなかった。
旅の記憶も濃ゆいしね。
鉄子としてはシベリア鉄道もいいけど
満州鉄道の記録も良かった。
それからパリを拠点にバルビゾンまで
足を伸...続きを読むPosted by ブクログ -
●は引用、その他は感想
ブックレビューに”沢木耕太郎や下川裕治の先取りのようだ”というコメントがあったが、自分もそういった印象を受ける。バイタリティーに富んだ人なのだろう。だから、興味があるとそれを実行してしまう。本書では、軍国主義の台頭に嫌悪感を表わしているのに、たぶん同時に語られる愛国心の発露...続きを読むPosted by ブクログ -
改造社版の放浪記のあと、全面改稿が行われた放浪記が第三部まで出されていて、本書はその全三部を収録。
だれもが言うとおり、こちらは落ち着きと丁寧さはあるものの、改造社版の原初の破壊力は薄められてしまった。
もちろん改造社版のほうが優れた作品だが、これはこれで。Posted by ブクログ -
作者の言葉を借りれば『貧乏こんちくしょう』ではなく『貧乏どうにかなろうたい』なんだと思います。極貧のなかにあっても“どうにかなる”という精神の強さ。登場人物達の生い立ちと生き方は時代ならではの壮絶さでありながら、どこか突き抜けてたくましい。今の時代では法律違反や不謹慎と言われる行為も、この時代では仕...続きを読むPosted by ブクログ
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現代とは違いすぎる、当時の日本がひしひしと伝わる。
土地を転々とし、様々な職に就き、多くの人々と出会う。
個人的に好きな場面は、第三部のちもとという店で働いている時の、芙美子と料理番であるヨシツネとのやりとり。Posted by ブクログ -
貧困はこうも人を卑屈にするものかと思いました。また、作者自身の男性との関係のいつまでも未練たらしく優柔不断なところや職を転々とするところなども少しばかり腑に落ちませんでした。正直この作品が後々まで読み継がれていくほどの作品かなと思いました。Posted by ブクログ
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日記というかなり主観が介入した内容かつ林が自分で隠したい部分は省いたので、結構日付が飛んでいる……。一体、省いた部分で何が起きたんだ。いきなり転職してたり引っ越してたり、忙しい人だったんだなぁ。この時代の女性としては珍しいのかな。Posted by ブクログ
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昔、群ようこの本をやたらめったら読んでいた頃に「いつか読もう」と決めていて、でもなんとなく手を出しづらくて結局こんな歳になってしまった。やっぱ、もう少し早く読んでおいてもよかったかな。お金がないということ、寂しいということの切実さを、私は全く知らずにこの歳まで生きてきたんだなあと痛感。Posted by ブクログ