ジョナサン・ホルトのレビュー一覧
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ネタバレネットで見かけて。
ヴェネツィアが舞台というだけで、華やかな印象を受ける。
強力な建築規制があり、許可を得るには強力なコネが必要だとか、
憲兵隊はレストランで店主が代金を請求しないとか、
マフィアのことは誰もしゃべらないとか、
負の側面もちりばめられているが、その華やかさは失われない。
それは、世界的な観光地が登場するからなのか、
バスではなくヴァポレットに乗っているからなのか、
カソリック教会の強大な力が見え隠れするからなのか。
それだけではなく、
ヴァーチャルなヴェネツィアである「カルニヴィア」や、
オカルトのシンボルかと思われたクロアチアのタトゥー、
人身売買にユーゴスラヴィアでの -
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ネタバレカルニヴィアカルニヴィア禁忌1
2014年1月19日に記事をアップしてた作品を含めて
カルニヴィア3部作の2番目作品。2014年9月刊行。
イタリア駐留米軍基地の建設現場で発見された人骨は
第二次世界大戦終了間際、
謎の失踪を遂げたパルチザンのものだった。
同じころ、米軍少佐の娘が誘拐される事件が起こる。
別々の事件と思われたが、実は背景が繋がりがあった。
犯人は米軍基地反対派と思われていた。
オバマ大統領がなくすと公言しながらも
事実は決して無くなっていず、
単に世界に散らばっているだけの収容所。
米軍が作った残酷尋問方法と同じやり方でいたぶり
その動画を拡散する。その意味は?
第二次世 -
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『カルニヴィア』三部作の二作目。紛らわしいので、原題どおりの出版を望みたいのだが、何故か邦題では予定でしかない三部作を一作目から歌うから、大作の続きもののように勘違いしそうだ。でも一作一作は独立した長編小説であり、原題では数字も<カルニヴィア>という文字も振っていない。誤解されやすい翻訳はご遠慮願いたいものだが。ましてや、せっかくの見事な作品の出来栄えを見ると余計に老婆心が疼きそうだ。
とは言え、物語は独立してはいるものの、主人公たち四人の男女関係は微妙に変化しているので、できれば順序よく読んでもらいたい。つまりどんなシリーズ小説だって同断。順序よく独立した物語を紡いでもらったほうが楽し -
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カルニヴィアとは小説の舞台であるヴェネツィアを忠実に再現したミラー・ワールドであり、あらゆる噂と情報が行き交う匿名性を保った3Dソーシャル・ネットワークだ。この仕掛けを行き来することで主人公たちは謎の手がかりを得たり、敵の手から逃れたりする。現実にもこんな空間があったら便利そうだなあ。今のところは、本書をミラー・ワールドとして意識することで現実の歪みや問題、または希望について気づくことでも十分、意義がありました。お話はミステリ、サスペンス、歴史、エロ、グロ、旅情、グルメ、スパイ、政治、軍事、警察他てんこ盛りなので様々な観点から楽しく読めますよ。
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新聞の書評欄で見かけてから、読みたかった一冊。『ミレニアム』『ボーンアイディンティティー』シリーズ三部作と同様に、現実社会の事件、政治を丹念にリサーチし、1人はイタリアの女子憲兵、一人はイタリアに駐軍する幼少期をイタリアで育った女子少尉、そしてもう一人は、裕福な財閥に生まれながら、幼少期に誘拐事件に巻き込まれ耳と鼻を犯人に削がれるという大きなトラウマを持ちながら抜きん出た数学的才能で本物と寸分違わぬベネツィアという都市をネットの世界で構築し、誰もが仮面をかぶり決して履歴が表に出ない世界を構築した天才!。カトリックではあり得ない司祭の服を着て殺された女性の遺体を皮切りに、アンジェリーナジョリーが
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「ヴェネチアを舞台にした壮大な三部作」というコピーにひかれ購入。
イタリア憲兵隊の女性大尉と在イタリアの米陸軍少尉が活躍。組織のなかで女性が働くうえでの難しさや、カトリック教会の女性蔑視、ユーゴ内戦における集団レイプなど、様々な女性関連の社会的な課題が盛り込まれ、面白く読んだ。
謎解きという意味では、勝手に解けていく部分があり、物足りない面はあるが、活劇的な面白さはある。
「ミレニアム」を彷彿させるミステリー(まだそこまでには至っていないけど)。今後刊行予定の2作で、3人の関係の深化とイタリアが抱える社会的な問題についてのさらなる解説を期待したい。 -
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ネタバレカルニヴィアの3作目。
また上官とつきあってるの?とカテリーナに突っ込んだのは、
ホリーだけではない。
たぶん、読者全員だと思う。
そして、あまりに幸せそうで、
二人でアムステルダムへ行く約束をしていたので、
悲劇的な結末は予想できた。
ホリーの父が脳卒中に倒れる前に調べていたことは何なのか、
ダニエーレの少年時代の誘拐の黒幕は誰だったのか、
カテリーナが追うフリーメーソンの会員の殺人事件の真相は。
イタリアの近代の歴史をわかっていないせいか、
鉛の時代と言われてもピンとこないし、
共産主義の台頭とか、
赤い旅団という名前は聞いたことがあるけれどんなんだったかな、
という具合で、どうも -
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ネタバレカルニヴィアの2作目。
ゲーテ曰く、
光の多いところには、強い影がある。
ヴェネツィアの華やかさに酔いしれた前作に比べると、
今回はかなり暗く、読み難い話だった。
駐在米軍の少佐の16才の娘が誘拐され、
拷問されている映像が配信される。
その場面が延々と続くので、かなりひどい。
少女が誘拐犯と精神的に闘う姿は印象的だったが。
しかも二人の主人公のうち、ホリーも拷問されるし、
事件の発端となった建設現場から発見された人骨との関係が薄いし、
人骨を調べていた考古学者二人が殺されるのが突然すぎるし、
教皇や秘密結社まで出してきた割には肩透かしだったし。
カテリーナが別れた不倫相手の上官とまた捜 -
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イタリアが舞台の、読み応えある怒涛のミステリ。
三部作の一作目です☆
ヴェネツィアのとある教会前で、司祭の格好で倒れていたのは実は女性。
それはカトリックの教会では今もあり得ないことだった。
捜査に当たるのは、憲兵隊の大佐ピオーラと、女性の大尉カテリーナ。
イタリアの警察というのは複雑で、憲兵隊と別な組織が張り合っているんですね。
米軍基地に赴任したばかりのアメリカ女性のホリー少尉も、捜査に関わってきます。
イタリアの基地育ちのホリーは、故郷に帰ったかのようなくつろぎを感じていたのですが‥?
ヴェネツィアっ子のカテリーナはすごい美人で奔放だが、野心家で何より大事なのは仕事。
ホリーはもっ -
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ネタバレコンピュータの中の都市カルニヴィア
この3部作の最終章には
これまでの全ての謎の因果関係が露わになる。
これまでと同様、実際にあった数々の事件や政治的陰謀を
織り交ぜて、古都ヴェネツィアを中心に
二人の女性イタリア憲兵とイタリア駐軍米軍少尉が
天才的ソーシャルネットワークの開設者とともに
謎を解き多くの市民を救う。
今回も、実際にあった事件が盛り込まれ、
赤い旅団、フリーメーソン、CIA、極右集団
バチカン、それぞれが絡み合う展開。
極右にも極左にも資金を流用させていたのは?
その狙いは?
現代の大きな弱点、サイバーテロは
どんな方法で?
グイグイ引き込む展開は素晴らしくスリリングで
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ヴェネチアをサイバー空間に再現したサイト、カルニヴィアと現実のヴェネチアを舞台に、天才ハッカー、女性警官、女性米軍士官の3人が国際的な陰謀に巻き込まれる。
こんな設定の3部作、カルニヴィアシリーズも本書で2作目。
何分、前作を読んだのが約1年前と言う事もあり、既にその内容はほぼ綺麗に忘れ去っておりますが、折角なので本書を読んでみました。
このシリーズ、カルニヴィアの絶対的ともいえる匿名性が世界各国の様々な立場の人間を引き寄せ、そしてヴェネチアを舞台とする陰謀が展開されるといった構図を持っているらしく、本作もその例外ではありません。
ストーリーは、米軍指揮官の娘の誘拐事件を中心に展開し、テ