柴田トヨのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
柴田トヨさんの詩とエッセイと短歌ですね。
柴田トヨさん(1911ー2013、栃木県生まれ)詩人。
百歳を記念されての本です。
私の大好きな新川和江さんが巻頭言をかかれています。『おめでとう、百歳の獅子舞い!』という題名で「トヨさんの詩の魅力は、風にも光にも、若い枝のように心をしなわせ、そよがせているところです。涙の味を知っている人の人生観から生まれた機知(ウィット)が、ことに結びの部分にさりげなく仕組まれていて、私どもの心を、やわらかく揉みほぐしてくださるところです。」と、綴られています。
わかりやすい言葉で、さらりと思いを謳えあげて、読む人の心を和ませてくれます。
「やさしさ」
歳をとると
やさしさが
ほしくなるの
それが栄養になって
元気になる
でもね
偽りのやさしさを
食べた時は
吐いてしまった
真実のやさしさ
手料理を
いただかせてください
「自分に Ⅱ」
ヘルパーさんに
買物をして来てもらう
掃除 洗濯
料理も してもらう
看護師さんには
お風呂に入れてもらう
人の手を借りなければ
生きていけない毎日
でも 私には
人生で ことばが紡げる
誰かの心に
糸を結ぶことが出来る
さぁ 顔をあげて
空を見ましょう
「道(あなたにー)」
好きな道なら
でこぼこ道だって
歩いて行けるわ
辛くなったら
少し休んで 空を見て
まっすぐ
歩いて行くのよ
付いて来るわよ
あなたの影が
がんばれって
言いながら
「短歌」(二十首紹介されています)
きれぎれに雲流れ行く夏の空
去りし友あり来る友あり
九十になりても気持ちは若き日の
ごとし白い雲に乗りたし
新年の朝日あびつつまどろめば
楽しきことのみ浮かびくるなり
淋しくないと呟き仰ぐ空
今日も幾多の相寄れる雲
九十八夢のごとくに過ぎてきて
新年静かに迎える我は
敵うなら夢で逢いたし彼の人に
ひめたる思い告げてみたりき
エッセイで、ご自分の人生を振り返られて、様々な心情をユーモアを交えながら語られています。
生きることに前向きに、「さぁ 顔をあげて 空を見ましょう」と、楽観主義で元気に呼び掛けてくださいます。ほんわりと心温まる柴田トヨさんの詩集ですね(=^ェ^=)♪
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Posted by ブクログ
「白寿」という言葉があります。「100-1=99」の99歳。
99歳の作者が自分の感じたままのことを、かざりっけのない率直な言葉でつづった詩集でした。
山あり谷ありの人生を生き抜いてきた作者の、それでも前向きに生きようとする姿勢がどの作品にも感じられます。優しい言葉の中に「若い者よ、何をしているの」と、叱咤激励されているような気までもしました。
特に印象的だったのは「先生に」。
病院で先生から「今日は何曜日?」とか聞かれるよりも、「西条八十さんの詩は好き?」と聞かれたほうがうれしいという内容の詩でした。
99歳といっても、しっかりとした頭脳の持ち主は、やはり知的です。
何気ない詩の中にも、
周りの人を思いやる心遣い、自然との対話のあり方、追憶のはかなさ、
などが余すところなく出ています。
こんな風に年齢をかさねていきたいなあ。
大先輩から「くじけないで」といわれたら、
落ち込んでいても素直に、「はい」と言えます。