ヘッセのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「自分を解き明かすことができるのは、他人ではなくあくまで自分だけだ。」
ヘルマン・ヘッセの代表作のひとつ『デーミアン』です
うーん、これまた「聖書の壁」
しかも完全に四方を囲んでいて、蟻の這い出る隙間もない
当然のことながら、全く意味もわからん
けど面白かった
たまにあるのよ
全く意味分からんけど面白い
全く意味分からんときって大抵は面白くないのよ
だってそうでしょ、意味分からんのだから
でも、本作は面白かった
ぜんぜん分からんのに、全部分かったような気もする
独断的で独りよがりな心中が延々と語られるのに、普遍的で共感できるような気にもなる
なんだこれは!
こういう時、いつも実 -
Posted by ブクログ
コツコツ光文社古典新訳文庫の時間です
今回はドイツを代表するノーベル賞作家ヘルマン・ヘッセです
ドイツ文学です
ヘッセと言えば丸美屋じゃなかった『車輪の下で』ですが今回はデビュー作の『ペーター・カーメンツィント』です
日本では『郷愁』で知られている作品ですね
ドイツを代表すると言いましたが、感じとしてはドイツ系スイス文学のほうがしっくりくるのよね
いやーなんか凄かった
まあ、あれですよ
僕なんて書評家でも何でもないんで
「凄かった」を「凄かった」以上に突き詰める必要はないんじゃないかと常々思っているんですね
「凄かった」で伝わることもある
文学的で美しい表現がぎっしり詰まっている -
Posted by ブクログ
ネタバレ少年時代のシンクレアの心中には共感できる部分があったが、青年時代の心の探求の部分では、彼の心中から少し遠ざかってしまった。あまりに深く自分の心の中を考えすぎているように感じたが、人間はその自己を知るということが必要なのだという。私はこの時代を知るものではないので、シンクレアとの乖離を感じるのかもしれない。
心について深く考えることは自己の反省につながり、延々と自分の嫌な部分を思い出すループに陥る気がしてならない。この反省の先に、シンクレアのように、何か運命を得ることができるのだろうか。
印象に残っているところは、「人は夢を見て生きている。しかし、多くの人が見ている夢は自分自身の夢ではなく、他 -
Posted by ブクログ
ネタバレ光文社古典新訳文庫はガチで読みやすい。苦手だった海外古典文学がためらいなく手に取れるようになったのは、このシリーズのおかげである。古典を古典として読むのが億劫になってきたので、きっとこれからもお世話になると思う。
本書の訳者は酒寄進一氏。以前読んだシーラッハの『犯罪』もたしかこの方の訳書だった。翻訳にあたっての難所についてや、デーミアンのBL要素といった可能性などまで、訳者あとがきも非常におもしろく本書についての理解をより深めてくれる。
で、デーミアン。第一次世界大戦直後に発表されたドイツ文学である。
日本で有島武郎の『或る女』などが発表された1919年にヘルマン・ヘッセが匿名で発表した作 -
Posted by ブクログ
特にひねりがあるわけでもなく少年が大人になる成長物語。
家族(ことなかれ主義)からの影響は少なく、中高一貫校での出会う人物との生活から人生を学んでゆく。
タイトルのデーミアンは若くして自分の考えを持っていて、数回の出逢いから少年に強く印象を与えることとなる。
↑書いてて、ふつーだなあ。こう、もっとこの本による「特別な」ことを書くんだ。
酒寄さんは以前から信頼してるというか、手に取った本に「まちがいない」という印象がある。
しかし今回はよくわからなかった。
とても読みやすい。。
どうもピンと来なくて。本って①面白いけど惹き付けられない②その逆があって今回は①だった。この本に限らず子供の成長