ヘッセのレビュー一覧

  • シッダールタ

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    ヘルマン・ヘッセ、高校時代以来か?
    シッダールタといえば、ゴータマ・シッダールタ、お釈迦様ですが、これとは別人のシッダールタという名の青年が主人公。ただし、本当のブッダも登場します。
    読み終わったあと、訳者あとがきを読んで、そこで紹介されていたBGMを流しながら、訳出のこだわりを踏まえて、もう一度最初から読み始めました。
    ヘッセ自体や原始仏教への深い理解による新訳、きめ細かい注釈、とてもよいです。お話もとても味わい深かったです。おすすめ。

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    2025年11月03日
  • シッダールタ

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    シッダールタという主人公の青年が、ブッダに会い彼の教えを聞いたのち、敢えてその教えに従うことを避け、自分で考え自分で歩いていくことを決意する場面を読んだ。
    それは、決して反発心ではなく、むしろブッダに対する尊敬の念がさせるものであった。そこに至る思索についての表現は美しく、心を清々しくさせる。

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    2025年11月02日
  • シッダールタ

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    自我からの解脱を目標に、苦しみを乗り越えて道を切り開いていくシッダールタの姿に、引き込まれました。

    宗教的内容であることを予想し、読み始めは身構えましたが、その心配は無用でした。

    苦行を3年間一緒に積んだシッダールタと友人ゴーヴィンダは、違う道を進みます。ゴーヴィンダはブッダの弟子となります。

    苦行で身につけたもの(断食、待つ、考える)を遊女のカマラー、商人との出会いの中で手離すことになったシッダールタ。そのかわりに得たものは、官能の喜び、快適な暮らし、富(とみ)でした。しかし、シッダールタの心は満たされず、その後、彼に大きな影響を与える人物との出会いがあり、彼は変わります。

    後半は、

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    2025年10月07日
  • デーミアン

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    ネタバレ

    ストーリーが面白いといえば面白いんだけど、キングがバックマン名義で出してたときみたいなバックボーンがあるのとか、第一次世界大戦の頃にこういう精神世界を書いて評価されるのとか付随的な要素が面白い
    若さと並走する不全感に対して示唆が得られればというスタンスのキャッチコピーみたいだけど自分の苦悩は唯一無二と思いたいのが若さだからむしろ100年以上前から厨ニ病はあったんだって史料的な着眼点で読んだほうが楽しめると思われ
    この裏でどれほどの貧困があったのかと思うとまあそれはそれこれはこれ

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    2025年09月24日
  • デーミアン

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    主人公の少年がデミアンという不思議な少年との出会いを通じて精神的な成長を遂げるまでを描いた物語。

    子ども時代の両親に守られた『明るい世界』から自分の世界へと繰り出そうともがいたり、理想の自分とのギャップに苛まれる主人公に過去の自分を重ねてしんみりとしてしまった。
    ラストのデミアンの言葉には号泣した。
    自分を見つめ直したいときにまた読みたい本である。

    この本は作者のヘッセがユング系のセラピーを受けた後に書いた話らしく、
    読んでいると登場人物や主人公の心の動きがユングの理論を下敷きにしていることがわかる。
    またキリスト教的価値観をわかっているとなお深い考察ができると思う。
    (知らなくても十分楽

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    2024年09月21日
  • デーミアン

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    真の自分になるために己の道を歩く
    試行錯誤して己の道を行くことが人生
    でも真の自分になれた人はいない
    人類皆兄弟だから分かち合うことはできる、でも自分を解き明かせるのは自分しかいない
    序章のこの考えが面白くて何度も読み返したくなる
    アブラクサスやカインとアベルの話で宗教を学ぶことの面白さを見出した
    うまく言語化できないけど、この本で苦境を乗り越えるヒントのようなものを掴んだ気がした
    ニーチェやユングの心理学も併せて読んでみようと思う

    世界を卵に例えて雛が殻を突き破ると言う表現が少女革命ウテナにもあったような気がしてこのアニメももう一回見直したいなと思いました

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    2023年09月08日
  • デーミアン

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    これは自己実現の過程を赤裸々に語った貴重な物語。ユングの心理学について知っていればかなり面白いと思う。
    全て物語としても読めるけど、無意識の領域やアニマ、グレートマザー、影とかそういうものと登場人物を読み替えていく楽しさ…村上春樹も凄いと思ったけど、こんな風に無意識そのものをテーマに自己との対決から逃れず書き切ったのはすごすぎる。
    ヘッセ自身の名前で最初は出さなかったのも頷ける、相当恥ずかしかったと思う…内容がどうあれ、自分の内面世界をここまでさらけ出すのは身を削ってると思う。ほんとにすごい。

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    2023年06月16日
  • ペーター・カーメンツィント

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    ネタバレ

    ヘッセが好きで最近よく読んでいるが、ペーター・カーメンツィントもヘッセの表現力によって素晴らしい本になっている。
    ペーター・カーメンツィントという独身男の半生の物語で、母親の死から始まり、親友二人も亡くし、主人公は生と死について考える。主人公が人生の意味や生、愛情について考察をしていくなかで自分も疑似体験をし様々なことを感じ、考えさせられる。
    全体を通して人生における様々な側面が生々しく描かれていて、ヘッセの想像力や表現力に感動した。
    そしてこの本を書いたヘッセは当時25歳。すごい。

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    2023年05月31日
  • デーミアン

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    50年ぶりに読んだ。全く忘れている。少年向けの簡略本だったのかもしれない。ドイツの作家だとは思っていなかったのかもしれない。ドイツでもこの本のことは全く頭に浮かばなかった。光文社版は文字が大きくて読みやすい!新聞で青年期に読む本だと書いてあった。

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    2021年07月09日
  • デーミアン

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    インド哲学や東洋哲学に最近心を奪われており、尊敬するヨガの先生がヘッセとくにデミアンを勧められており読みました。善悪が同居する神が出てきたりと、対となる二つのもの(善と悪、光と闇のように)を平等にとらえるインド哲学の考え方が根底に流れる物語でした。デミアンをはじめ、デミアンの母エヴァ夫人、ピストーリウスなどこの哲学に関連する登場人物たちとの関係を通して主人公のシンクレアが自身の哲学を深めていく。大好きな一生大切に読んでいきたい一冊になりました。

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    2021年05月27日
  • デーミアン

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    この本を通して読むのは初めてのことではありません。
    大昔にふとしたきっかけで手に取って、私にとって最も大切なもののひとつになった本です。
    文章そのものに漠然とした大きな時間が内包されていて、本を読んでいる間に時間が過ぎるという当たり前のようなことの中にそれ以上の時間、人生といっていいようなものを感じ、その荒波にひと息に流されるという貴重な経験をすることのできる一冊です。
    私が個人的に尊敬していて、心から好きだと思っている人を彷彿とさせる節があり、最近ちょっと読むのを苦しく思っていましたが、昨日なんとなく手に取れるような気がして、また読み返してしまいました。
    面白い本とか、考えさせられる本という

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    2021年05月12日
  • デーミアン

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     私は、自分を壊してまで自らの心を覗き込んで、向き合って、探究する必要はないと思っているけれど、たとえ苦くて辛くても自分と向き合う時間はかけがえのないものだなって、改めて思わせてくれた小説。

     ぱっぱと読んじゃうのには勿体なくて、少しずつ少しずつ読んでいくのがいいかなって、個人的には思った。

     自分の思想と合うか合わないかは別として、人が普段鍵をかけて奥底に沈めている部分に揺さぶりかけてくる、素晴らしい本だと思う。無視しようとしても、なんとなく無視できない、鮮烈な印象を残す本。ただ書くのが上手いとか、ストーリーが面白いとかっていうんじゃなくて、魂を削って、全部曝け出して、痛みを強さに変えて

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    2021年04月29日
  • デーミアン

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    日々様々な雑念に惑わされ、本も自分が読みたいものから、世の中で話題になっているもの、仕事で読んだ方が良いもの、と常時10冊以上読むべき本を抱えている。で、「これは本当に読んで良かった」と思えるものは10冊に1冊くらいである。
    で、この『デーミアン』を読んで、古典的名作というものはハズレない、読む価値が必ずある、ということを改めて知った。
    若い頃『車輪の下』は読んでいたのだが、当時から読みたい本、読むべき本を抱えていて、他の作品も読んでみたいと思ってから幾星霜。
    これも若い時に読みたかったと思ったが、今読んでも十分刺激的で、考えさせられるものだった。
    10代の普遍的な悩み苦しみが描かれている

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    2020年07月05日
  • デーミアン

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    WEBで無料公開されていたので再読。高校時代に読んでから何十年もたつのにやっぱりヘッセは好きと再確認。

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    2020年05月04日
  • ペーター・カーメンツィント

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    ヘッセが書く男の子は、たいてい女の子にモテないし、ウブである。
    例にもれず、ペーターもモテていない。
    そこが面白い。

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    2019年12月14日
  • デーミアン

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    ネタバレ

    すごく読みやすくてありがたかった。
    それでいて格調もある。

    酒寄氏も解説に記されているとおり、ユング全開といってもいいくらいの作品であることにあらためて驚いた。(それなのにユングに言及されていないという酒寄氏の指摘。おもしろい。)

    ベアトリーチェは見るからにアニマだし、クローマーはたしかに「影」。エヴァ夫人は太母だけれどもアニマ的なところもあるのかな。デーミアンはすべてを包摂した「自己」だと解説には記されていてなるほどと。そうするとラストでシンクレアは自己の統合を果たしたということになるんだろうか。

    西欧の精神史をたどるような内容でもあり、さまざまに読める奥深さを持っている。個人的には、

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    2019年04月01日
  • デーミアン

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    ネタバレ

    ヘッセ=甘い、ロマンチストというイメージを感じさせない鋭さを持った内容。
    自分を見つめ苦悩するシンクレア、エーミール。デーミアンと出会い己との向き合い方を探り成長していく。

    その過程の分厚さに腹が膨れる。

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    2018年10月07日
  • デーミアン

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    ネタバレ

    始まりの一節、ラストの一節。

    自分とはいったい何なのか…の始まりと見つけたラスト。

    若い頃、時間があり、思考ばかりしていると考える。

    シンクレアは10歳でイジメにあい、善悪を見つけ出す。
    だいたいそのぐらいの年齢で子供は気付くのだと思う。
    成長過程において。
    私も善悪を強く意識したのも10歳だったと思う。
    無邪気に友達と遊ぶだけでは済まなくなる。

    内面を見つめる工程は結構陰気な感じで、今でいうと厨二病という感じか。
    ヘッセの描くこの厨二病はなぜかじわーっとやってきて、綺麗にすら見えてしまう。描き方なのか。
    ドストエフスキーは、鬱陶しさのある感じで、作家によって異なる。当たり前だけど比べ

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    2018年09月29日
  • デーミアン

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    正直言って難しく、どういうこと?と思いながら読み進めました。
    最後に解説を読んで、なるほどな〜、と少し腑に落ちたという感じです。
    ユング心理学についても、その頃の文学の流行についても知らないことばかりで、もう少し教養があれば理解できることも多かったのではないかと思いました。
    しかし、これにめげずにヘッセの他の作品も読んでみたいと思いました。

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    2025年08月30日
  • デーミアン

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    この本についての書評については、松岡正剛翁のISISにあるのでそれを参考にいただければ十分である。自分としては、久々に魂を揺さぶられるような作品に会え、じつに楽しかった。

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    2024年11月23日