深井雅海のレビュー一覧
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どんな本なのだろうと思っていたが、内容は江戸時代の政治史。それは江戸城の内部で発揮されていたよ、という。江戸幕府は、しきたりが重視されつつ合理的な統治がなされていたのかな、と思った。
将軍は世襲であるが、その周りの側近は将軍の任用や「従三位」のような官位によって決められたり、石高によって決められたりした。時代によって老中の合議制になったり(家康~家光期、あるいは江戸時代後期)、一部の老中が辣腕を振るったり(天保の改革や寛政の改革)、将軍の独断で決まったり(元禄・綱吉の時代、享保の改革)、あるいは将軍が個人的に重んじた側用人(新井白石の時代)が活躍した時代、などなど、江戸時代といっても、長いので -
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ネタバレ[ 内容 ]
松之廊下にはどのような役割があったのか?
老中の登城から退出までを追ってみると?
「奥」の側用人が「表」の老中より権力をふるえたしくみとは?
大名統制において殿中儀礼が持った意味とは?
大奥女中にはどのような仕事があったのか?
江戸城における政務は、本丸御殿の構造と密接に関係している。
部屋の配置とその役割を詳しく紹介し、「表」「裏」「大奥」それぞれで展開した幕府政治のしくみを読み解く。
[ 目次 ]
序 江戸城の構成と本丸御殿への登城
1 儀式・政治空間「表」(将軍との関係を表徴する殿中儀礼 表の構造にみる政治の仕組み)
2 将軍の執務・生活空間「奥」(奥の構造にみる将軍の生 -
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忍者と言えば黒ずくめで空を舞い、水の上を走り、地に潜り様々な術を使う。
そんなイメージが先行していて本当の所は謎に包まれています。
この本はそんな忍者の末裔と言われ、同じ様なイメージで見られている江戸時代の御庭番の実像を同時代の書類や彼らの日記を元に解き明かしています。
この本を読めば彼らが様々な術を使ったりする異能の職業集団ではなく、普通の人間と同じ様に歩き、普通の人間と同じ様に食べ、そして同じ様に悩んでいる事がよくわかります。
ただ、彼らを御庭番足らしめているのが、彼らに綿々と受け継がれてきた徳川家への忠誠心と情報収集の技なんだなと思いました。