岡倉天心のレビュー一覧

  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

    Posted by ブクログ

    茶室や純和室の好きな感じが哲学化、言語化された感動を覚えた。平易な文に解説もついて読みやすい。、おまけに、東洋の理想、まで抜粋されていて、大東亜共栄圏に流用されて悲惨な結果になったことまで鑑みるに、偉大な思想が偉大な結果を産まない歴史に思いを馳せる。ソフィア文庫、よいなー。

    —-

    ・老荘思想、自然との一体化、簡素化、不完全さ

    ・若い時は自分好みのものを褒めたが、目が肥えてくると、名人が苦労して描いたものを理解して好むようになる

    ・近松門左衛門

    ・同時代の芸術こそ、真に私たちの芸術であり、私たち自身の反映

    ・心が心に働きかける

    0
    2025年11月29日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

    Posted by ブクログ

    日本文化にこそ暇を活かす知恵があるのではないかという好奇心で、有名な本書を手に取ることに。岡倉天心の美的表現の数々に圧倒される。これはおそらく新訳をされた大久保さんもすごい。「茶道の本質は不完全ということの崇拝。不可能を宿命とする人生のただ中にあってそれでもなにかしら可能なものを成し遂げようとする心優しい試みが茶道」「利休が求めたのは単なる清潔ではなく美しく自然らしいということ」引用したくなる一節のオンパレード。いやはや奥深き茶道の世界!

    0
    2025年11月24日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

    Posted by ブクログ

    ・茶を飲むという日常の行為を、芸術の域にまで高めた茶道。
     ほとんど何も置かれていないままの茶室。室町時代末期~安土桃山時代、千利休によって完成されました。

     明治の思想家、岡倉天心は、茶室と人との関わり、宗教、そして茶室の一輪の花にも注目しています。


     「花を摘むのも手当たり次第ではなくて、心に思い描く芸術的造形にしたがって、注意深く一枝一茎(いっしいっけい)を選ぶものであり、
     もし、必要以上に切ってしまうようなことがあれば、恥じ入るほかはない。
     西洋では、花の展示が、富の見せびらかしの一部であり、つかの間の遊びであるように思われる。

     これら多くの花は、騒ぎが終わった後、どこに

    0
    2015年02月05日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    古都 金沢の、旅の道中で読み進めた事もあり、
    とても味わい深く受け止められた。

    日本を追われながらも、誰よりも強く、
    日本文化の素晴らしさとイデオロギーを
    欧米諸国に対して突きつける天心の
    短くも含蓄ある言葉の数々。

    “謙譲の心で芸術を鑑賞する。”
    鑑賞者の心得を説いた、「芸術鑑賞」の章が印象深い。

    0
    2013年07月01日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

    Posted by ブクログ

    偶然につけたNHKのEテレで梅原猛さんのインタビュー放送をやっていた。震災にまつわる話が中心だったが、話の中で度々出ていた言葉が「草木国土悉皆成仏」(涅槃経の言葉から最澄が云い始めた言葉と伝えられるが、真偽のほどは不明)。草木や国土のように心をもたないものでもことごとく仏性があり、仏となりうるのだという意味。この言葉は仏教からの言葉ではあるものの、梅原さん曰く、要するに草木や風物も命があり、自然のなかで生きることにおいて人間と等しく、人間は自然の上に立つものではなく、人間は自然と共生すべきことに帰結するのだと。そこには仏教の思想を越えた自然観、宇宙観があるのだとも。
      このような話を聞いてい

    0
    2012年03月13日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

    Posted by ブクログ

    先日伊勢神宮に行ってから、日本的な美意識に興味が沸々と。岡倉天心の茶の本が新訳で出ていて、なかなか評判がよろしいらしい。

    茶道の本質は不完全ということの崇拝ーー物事には完全などということはないということを畏敬の念を持って受け入れ、処することにある。不可能を宿命とする人生のただ中にあって、それでも何かしら可能なものを成し遂げようとするこころ優しい試みが茶道なのである。

    この一文に、西洋と東洋の美意識の違いがエッセンスとして凝縮されている。これは美意識のみならず、一神教を軸とする西洋の精神文化の持つ論理、構造性、に対応する東洋からの回答ともいえる。不完全性を受け入れた諦めの先にこそ、軽やかで自

    0
    2009年10月04日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

    Posted by ブクログ

    こんなに芸術を愛し、日本を愛する国際人がいたとは…!
    戦後において西洋追随ではなく東洋の素晴らしさを忘れず、
    時代に流されなかった天心は立派!
    ただし他文明を差別化した表現が少々気になった。

    芸術の在り方が、あまり納得いかない。
    「芸術とは自分の内から湧き出るものを表現すること」
    って私は思うけど、 彼に言わせると私は
    「近代西洋の自己中心的な考えに染まりきっている」 らしい。

    0
    2009年10月07日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

    Posted by ブクログ


    もうかれこれ20年以上前から読みたかったのだがようやくご縁により読むことができた

    元々は「茶の心」は岡倉天心が西洋人に「茶」の精神を理解させるために英文で書いたものだ
    (天心は幼いころから家業の関係で英語に携わることが多く、また語学センスが素晴らしかったようだ)
    そして勘違いしていたが、決してお茶の指南書、概説書ではなく、日本の精神や文化を広めるための書といえよう

    そして天心は詩人であった!
    ユーモアもあり、皮肉も批判もするが、良いものは良いとし、平和と精神文化を追求する
    非常に読ませる文章のセンスに驚いた
    シンプルな言葉で読みやすいものの、真意をくみ取り自分の中で咀嚼するには難解な

    0
    2023年05月21日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

    Posted by ブクログ

    岡倉天心原文the book oftea 1906年M39米国発表。
    日本の茶道を欧米に紹介する目的だったが日清戦争
    に続き最強ロシアとの戦争1904-1905にも勝利したことにより本書にも注目が集まる。死の術武士道だけではない生の術茶の道を通じての日本の美意識、東洋的と西洋的思考の違いを。解説で恋多き天心さんを知ることも出来ました。

    0
    2021年07月21日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

    Posted by ブクログ

    岡倉天心(1863(文久2年)~1913年(大正2年)/本名は覚三)は、福井藩士の次男として横浜に生まれ、東大文学部を卒業後、文部省に入り、美術行政を担当する。1886~87年、東京美術学校設立のためにアーネスト・フェノロサと共に欧米を視察し、1890年に東京美術学校(現・東京藝大美術学部)の初代校長に就任。1898年に東京美術学校を排斥され辞職してからは、インド訪遊を経て、1904年以降ボストン美術館の仕事で頻繁に米国に滞在したが、晩年には茨城県五浦に隠遁し、1913年に日本にて永眠。
    子どものときから学んだ英語と、優れた国際感覚をもって、日本・東洋の文化を内外に訴え、本書収録の『茶の本』は

    0
    2021年01月15日
  • 日本美術史

    Posted by ブクログ

    岡倉天心の思考の切り口、視点を追体験できる本です。
    日本史の文化史を学んで興味を持っていれば、さらさらと読めるでしょうが、岩佐又兵衛あたりになってくると、絵が好きか否かもポイントになってくるのかなと。
    楽しく読める読めないのお話しです。
    美術、文化がどのように変遷したか歴史ももちろんなぞることができます。

    0
    2019年06月23日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

    Posted by ブクログ

    日本がインド、中国の文化を昇華し、そのようなことができたのはそもそも東洋の理念ということが共通だからであるという天心の信念には唸らざるを得なかった。そして、陶器や書画など様々な芸術に茶人の息吹が潜んでいるということから、文化の形成にいかに茶人の業が影響を及ぼしたのか、ということに気づかされた。

    0
    2014年12月13日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

    Posted by ブクログ

    この本では、茶道を通して日本人の持つ価値観が説明されています。
    茶道では自然との融和や現在の瞬間をとらえる感性を大切にする。それは姿を変えた道教であり禅である。日本ではそれが芸術や宗教だけでなく、身近な暮らしの要素にもなっていることが面白い。

    0
    2013年04月26日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

    Posted by ブクログ

    お茶をする人であれば必読。入門的な書き方だが簡潔な分だけ分かりやすい。
    禅よりは老荘寄りの思想が表れている。

    0
    2012年04月17日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

    Posted by ブクログ

    この新訳はかなり読みやすいからおすすめ!

    「茶の本」全編はもちろんのこと、「東洋の理想」の序章&終章及び岡倉天心の生涯が収録されているので、岡倉天心入門書としては最適です。

    お茶ってすごい美しいんだなぁ、もはや哲学。いや宇宙。ってことが感じられる本です。

    まさに暮らしの哲学。

    そう思うのは、「暮らしの手帖」編集長の松浦弥太郎氏が某雑誌で「暮らし」の本の頂点のキーブックとして、本書を選んでいたかもしれない。

    日々の暮らしの中に、芸術がある。ライフ即アート。

    毎日を美しく過ごそうと思う、襟を正される本です。

    0
    2011年02月09日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

    Posted by ブクログ

    茶の本のビジュアルブックを読んで、訳わからなかったので新訳を購入。解説を読んでやっと少し理解できた。

    西洋への怒りのすごいこと(笑)
    茶道をTeaismと訳したことに、信念を感じる。
    外から見た日本の美徳が浮き出されている。

    でもまだ落とし込めてないので、もっと分かりやすいやつを読む予定。

    0
    2023年10月05日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

    Posted by ブクログ

     お茶を始めたので読んでみた。「茶の本」と「東洋の理想」(序章と終章)が解説とともに収められている。

     岡倉天心は東京藝大や日本美術院の礎を作った美術評論家である。英語に巧みで、アメリカの美術館で東洋部の顧問をするとともに、日本や東洋の文化をプロモーションしていた。「茶の本」は茶道(原文では Tea ceremony ではなく Teaism らしい)を東洋独自の美と調和の精神の結晶として紹介し、西洋の文化とは別の価値を持つものとしている。

     「茶の本」を茶道思想のスタンダードになる教科書的読物だと思っていたが、どちらかといえば天心独自の見解を開陳したものだった。茶には老荘思想、道教、禅の考

    0
    2024年05月06日
  • 茶の本

    Posted by ブクログ

    原田マハさんの短編集に出て来て探していたら実家で文庫本をちょうど見つけたので拝読。
    この時代に英語で茶の文化を海外に広めたと言う事実にただただ驚き。内容は分かる部分とわからない部分があり。沢山の日本語訳があるようで、他の訳本も試してみたい。
    ※今回宮川寅雄さんという方の訳本でしたが、古過ぎて検索しても出ず、バーコードもない本でしたので、失礼ながらこの本で登録させていただきました。

    0
    2021年07月10日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

    Posted by ブクログ

    「茶」を切り口に古代中国の道教思想から現代生活様式まで、作者の好きなように語った一冊。岡倉天心のやりたい放題ここに極まれり、で、意外と悪くない。

    0
    2020年08月10日
  • 茶の本

    Posted by ブクログ

    やっと読めた。
    流派、歴史、禅、宗教とのつながり、茶室、花、芸術…。
    茶をとりまくあらゆる事、茶に影響を与えたもの、茶に影響を受けたもの。
    静謐な空気が行間からにじむ。

    0
    2019年10月03日