猿谷要のレビュー一覧

  • 物語 アメリカの歴史 超大国の行方

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    俯瞰した歴史と筆者の個人体験がバランス良く語られている。米国の歴史に人種差別が埋め込まれている。多様な人種をまとめるために共通の敵をつくる。

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    2025年01月13日
  • 容赦なき戦争

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    「敗北を抱きしめて」のダワーが、日米戦争中の日米双方の人種主義を分析した本。

    「敗北を抱きしめて」はとても面白い本で、戦後の日本復興における日本とアメリカの一種の共同作業のプロセスをリーダーたちの言動だけでなく、庶民の捉え方も含め、言説やシンボルなどの文化的な読み解きを通じいて、とてもエキサイティングであった。

    この本が書かれたのは、この「敗北を抱きしめて」より早く、扱われている時代も戦前、戦時中というわけで、「敗北を抱きしめて」の前編ということもできる。

    内容としては、いかに戦時中に日米双方が、人種的な偏見、ステレオタイプ化によって、相手を非人間的な存在として、語り、シンボル化して、戦

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    2022年02月13日
  • 容赦なき戦争

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    著者ジョン・ダワーの『敗北を抱きしめて』は、当時の文献研究を通して、敗戦直後の日本の埋もれていた事実を多様な視点から浮かび上がらせた名著だった。本書は同じ著者が、太平洋戦争時の日米双方の敵意あるプロパガンダや世論を文献から掘り起こし、戦争における人種問題の影響を批判的に指摘したものである。日米双方に強い排他主義と自民族優越主義が見られるが、同時に日本における言説とアメリカにおける言説の傾向は大きく違っていることも対比に基づいて指摘されていて興味深い。

    人種間の憎悪をあおるような差別意識は過去のものでは決してなく、今も根強く残り、そのため簡単に火がついて蘇ることもある。年配の親戚が、韓国やロシ

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    2013年11月17日
  • 物語 アメリカの歴史 超大国の行方

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    先だって読んだ中国の歴史とは打って変わって、アメリカは歴史という意味では浅いことを再認識。それでも各時代を深く掘り下げるのはやっぱり難しく、順を追って最重要項目だけを列挙するにとどまっている部分も多いとは感じた。とはいえ、かの国をサラッと俯瞰したい身からすると、丁寧にまとめられていて、素敵な内容に思えた。急成長ぶりが半端ない代わりに、というと語弊があるけど、その歴史背景~現代情勢には色んな矛盾が存在しているのですね。

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    2013年01月07日
  • 容赦なき戦争

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     太平洋戦争における戦中戦後のアメリカ人の日本人観や、日本人のアメリカ人観の変遷が細かに分析された非常に読みごたえのある研究書です。
     アメリカ人の日本人観はさもありなんということが多いのですが、注目すべきは日本人のアメリカ人観の著述です。
     日本人は戦中にあれだけアメリカを憎んでいたのに、戦後はその態度をほぼ正反対に変えます。これは国家戦略として国家が選択したという問題ではなく、広く庶民にそういう感情が生まれました。
     著者は日本人がアメリカ人を『鬼』と見なしていたことが、実は戦後のアメリカ人への対応をガラッと変える事ができた重要な要素として捉えています。それを証明する過程も丁寧で、日本人の

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    2017年08月15日
  • 容赦なき戦争

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    これは読んでいて非常に辛かったです。
    しかし、この事実から目をそむけているというか、そむけさせているような風潮が確かにあるように思えます。常に見なければならないということではないけれど。
    戦時において双方共に人種差別が剥き出しになったわけですが、その種は平時においても、現在でもきっとあるのでしょうね。

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    2011年01月10日
  • 容赦なき戦争

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    第2次世界大戦における日米戦争中のプロパガンダの比較研究書と言えるかと思います。
    何度か読む機会があったのだけれども、今回全文を初めて通して読みました。常に自分の側に「正義」があると謳うアメリカ合衆国。それを信じる国民にとっては、この本は読むのさえ拒絶するのではないだろうかと想像させる内容です。当時、どれだけあからさまにアメリカで、日本人(また日系アメリカ人!)を蔑視していたかを知ることが出来ます。また、時を同じして日本では、「鬼畜米英」をどう謳っていたかも改めて知ることができます。
    どう国民が信じていたかを知ることは出来ませんが、本で書かれているようなプロパガンダが問題なく世間では受けいれら

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    2009年10月04日
  • 物語 アメリカの歴史 超大国の行方

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    移民の国、アメリカ。さまざまな人種で成り立っている。独立戦争で建国したのに、今度は自らの国を南北に分けて戦争。主義主張の方法に戦争があるということは恐ろしい。戦争後も人種差別は日常的であった。黒人の社会的立場は現在でも問題となっている。日本との戦争後はなぜか蜜月な関係であるところがまた不思議である。日本人もアメリカ文化は好きである。ちょっとしたすれ違いで中国や北朝鮮と戦争にならなければ良いが、、、。

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    2021年01月24日
  • 物語 アメリカの歴史 超大国の行方

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    教科書的な網羅性があるのかはわからないが、読み物として、ざっと読める。

    アメリカという国が、ネイティブアメリカン、黒人、日系人と、常に人種間の争い(というか差別)と直面してきた国だ、ということが理解できた。

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    2018年10月12日
  • 容赦なき戦争

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    血迷った残虐な超人の加害者と、脳の足りない残酷なサルの被害者として、まるで逆の両者はどちらもたった数十年前の我々である
    さいわい海外から頭のおかしいサルに見られることはなくなったが、此岸から海外を見る目は昔と変わったか、まだ確信は持てない

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    2013年09月08日
  • 物語 アメリカの歴史 超大国の行方

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    ネタバレ

    1991年に初版の少し古い本。人種差別の問題が多く取り上げられている。1964年の公民権法成立で表面上の差別問題は一応解決されたが、南部ではもちろん北部、西部でも差別主義は根強く残っていた。南部のレストランでは黒人客をピストルで追い返すという事件が起こり公民権法違反第1号となり店は莫大な罰金を突きつけられ閉店へ追い込まれたが、アメリカ各地から激励の手紙やら寄付が集まりその店主はジョージア州知事選に当選してしまう。その頃「ブラックパワー」という言葉が流行り始める。時に黒人は武器をもって立ち上がる必要もあるという強烈な考え方だ。非暴力を訴えていたキング牧師からは批判を受けることになるが、瞬く間に広

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    2011年10月02日
  • 物語 アメリカの歴史 超大国の行方

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    本書は、細かく分析した歴史書ではなく、アメリカの歴史を辿りながら、ある程度の全体像を紹介するものである。
    著者はアメリカ研究の第一人者。文中の所々で著者のアメリカでの体験や、コラムのような形でアメリカの重要人物や重要事項も紹介してくており、楽しみながら読む事ができる。
    また、各章で取り上げられているテーマも難しい物ではなく、キング牧師やケネディといった、比較的多くの人に知られている人物を取り上げているため、アメリカを初めて学ぶ人でも十分理解できる内容だと思う。
    本書は学ぶというよりも、読んで楽しむという目的にも十分対応できるものであると思う。

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    2011年09月26日
  • 容赦なき戦争

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    太平洋戦争について、この本のように人種主義的な見地から叙述されたものを読んだのは初めで新鮮であった。
    自分たちの民族が優れていると思いたくなる気持ちは分からなくはないが、それは幻想にすぎない。真珠湾や太平洋戦争初期にアメリカが敗北を重ねたのも、日本がミッドウェー以降敗北し続けたのも、その本質的な部分には自らの慢心・奢りがあったことは確かである。太平洋戦争は日本がアメリカに無謀な戦いを挑んだもので、そもそも挑んだこと自体が愚かであったことは誰しもが知るところであるが、その本質が白人至上主義に対する大和民族の挑戦であったことをはっきりと認識している現代人は少ないと思う。白人至上主義に意義を唱えると

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    2011年02月06日
  • 物語 アメリカの歴史 超大国の行方

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    著者の猿谷要さんの個人的な考えよりアメリカの歴史を様々な資料や実体験を基にアメリカの歴史を分かりやすく描いています。巻末には教科書のような時系列の年表があり、読書後に自分の頭を整理するのに役に立ちます。

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    2011年02月06日
  • 物語 アメリカの歴史 超大国の行方

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    あとがきで「アメリカの歴史についてのプライベートなノート」と書かれているように、教科書的な記述はなく、100以上の引用を効果的に使用しながら、アメリカ史を語っていくというスタイル。素人には面白く読める。特に4章の大量消費社会と大恐慌の章は面白かった。また、アメリカという国はパワーを発揮する時はその力は外側に向かう、とか、常に仮想敵国を想定したがる、といった記述に納得した。(07/06/30)

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    2009年10月04日
  • 物語 アメリカの歴史 超大国の行方

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    1991年までのアメリカの歴史。
    今読むと、変わった所と変わらない所がよく分かる。
    今のアメリカ副大統領はアジア系の女性で、アフリカ系が大統領になった。
    トランプ現象は、アメリカではむしろ伝統?

    アメリカ人を定義することは難しい。

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    2022年09月28日
  • 容赦なき戦争

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    連合国の日本人へのむき出しの人種差別といい、日本の独善的な大東亜共栄圏構想といい、胸の悪くなる話ばかりだ。

    とはいえ戦争が終わるとあっけないくらいにスンナリ仲直り(?)できたわけだし、今日のウクライナを見ていても戦争するのに人種間の憎悪が必要でないことは明らかだ。人種差別はあきらかに問題だし醜悪だが、なんといってもダントツに悪いのは戦争こと殺し合いなのだろう。

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    2022年03月19日
  • 物語 アメリカの歴史 超大国の行方

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    自由の国アメリカ。私のイメージです。
    80年代前半、学生時代の私は洋楽を好んで聴き、洋画を鑑賞し、特にアメリカへの強い憧れがありました。
    しかしその歴史には影や闇があるのも事実です。
    未来のために過去を知ること、はとても大切だと感じている今日この頃です。

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    2022年01月05日
  • 容赦なき戦争

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    ゼミの先生が選んだ本
    日本とアメリカの太平洋戦争前後の敵国、自国の見方が、とても面白い
    プロパガンダや自国愛を強める手法、民族問題など現代に通じる部分がいくつもある

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    2020年12月23日
  • 物語 アメリカの歴史 超大国の行方

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    まあ、1991年初版ですから、歴史観がどうしても左かがっているというか、弱者の抵抗史観なのは仕方がないですね。歴史書というより、著者の歴史ノートであり、読みやすい文章ではありました。
    良書ではあるのですが、さすがにちょっと「賞味期限切れ」が近いかな…

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    2020年10月01日