あらすじ
アメリカは民主主義の理念を具体的に政治に実現させた最初の国である。独立宣言(一七七六年)の中心「すべての人間は生まれながらにして平等である」は、今なお民主主義国家の道標として輝き続けているものの、人種間の問題や戦争など、建国から二百年余、その歴史は平坦ではなく、生々しい傷がまだ癒えることなくその跡をとどめている。この超大国の光と影を、戦後深いつながりをもって歩んできた日本との関係もまじえて描く。
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先だって読んだ中国の歴史とは打って変わって、アメリカは歴史という意味では浅いことを再認識。それでも各時代を深く掘り下げるのはやっぱり難しく、順を追って最重要項目だけを列挙するにとどまっている部分も多いとは感じた。とはいえ、かの国をサラッと俯瞰したい身からすると、丁寧にまとめられていて、素敵な内容に思えた。急成長ぶりが半端ない代わりに、というと語弊があるけど、その歴史背景~現代情勢には色んな矛盾が存在しているのですね。
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移民の国、アメリカ。さまざまな人種で成り立っている。独立戦争で建国したのに、今度は自らの国を南北に分けて戦争。主義主張の方法に戦争があるということは恐ろしい。戦争後も人種差別は日常的であった。黒人の社会的立場は現在でも問題となっている。日本との戦争後はなぜか蜜月な関係であるところがまた不思議である。日本人もアメリカ文化は好きである。ちょっとしたすれ違いで中国や北朝鮮と戦争にならなければ良いが、、、。
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教科書的な網羅性があるのかはわからないが、読み物として、ざっと読める。
アメリカという国が、ネイティブアメリカン、黒人、日系人と、常に人種間の争い(というか差別)と直面してきた国だ、ということが理解できた。
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1991年に初版の少し古い本。人種差別の問題が多く取り上げられている。1964年の公民権法成立で表面上の差別問題は一応解決されたが、南部ではもちろん北部、西部でも差別主義は根強く残っていた。南部のレストランでは黒人客をピストルで追い返すという事件が起こり公民権法違反第1号となり店は莫大な罰金を突きつけられ閉店へ追い込まれたが、アメリカ各地から激励の手紙やら寄付が集まりその店主はジョージア州知事選に当選してしまう。その頃「ブラックパワー」という言葉が流行り始める。時に黒人は武器をもって立ち上がる必要もあるという強烈な考え方だ。非暴力を訴えていたキング牧師からは批判を受けることになるが、瞬く間に広がっていった。そしてキング牧師は、1967年、人種を超えた「貧者の行進」の最中凶弾に倒れわずか39歳という短い生涯に幕を閉じた。アメリカの歴史を知ることは今のアメリカが抱える貧困問題を考える上で重要と思われる。建国以来の経済至上主義を貫いてきたことによる歪みが出て来ている。
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本書は、細かく分析した歴史書ではなく、アメリカの歴史を辿りながら、ある程度の全体像を紹介するものである。
著者はアメリカ研究の第一人者。文中の所々で著者のアメリカでの体験や、コラムのような形でアメリカの重要人物や重要事項も紹介してくており、楽しみながら読む事ができる。
また、各章で取り上げられているテーマも難しい物ではなく、キング牧師やケネディといった、比較的多くの人に知られている人物を取り上げているため、アメリカを初めて学ぶ人でも十分理解できる内容だと思う。
本書は学ぶというよりも、読んで楽しむという目的にも十分対応できるものであると思う。
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著者の猿谷要さんの個人的な考えよりアメリカの歴史を様々な資料や実体験を基にアメリカの歴史を分かりやすく描いています。巻末には教科書のような時系列の年表があり、読書後に自分の頭を整理するのに役に立ちます。
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あとがきで「アメリカの歴史についてのプライベートなノート」と書かれているように、教科書的な記述はなく、100以上の引用を効果的に使用しながら、アメリカ史を語っていくというスタイル。素人には面白く読める。特に4章の大量消費社会と大恐慌の章は面白かった。また、アメリカという国はパワーを発揮する時はその力は外側に向かう、とか、常に仮想敵国を想定したがる、といった記述に納得した。(07/06/30)
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1991年までのアメリカの歴史。
今読むと、変わった所と変わらない所がよく分かる。
今のアメリカ副大統領はアジア系の女性で、アフリカ系が大統領になった。
トランプ現象は、アメリカではむしろ伝統?
アメリカ人を定義することは難しい。
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自由の国アメリカ。私のイメージです。
80年代前半、学生時代の私は洋楽を好んで聴き、洋画を鑑賞し、特にアメリカへの強い憧れがありました。
しかしその歴史には影や闇があるのも事実です。
未来のために過去を知ること、はとても大切だと感じている今日この頃です。
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まあ、1991年初版ですから、歴史観がどうしても左かがっているというか、弱者の抵抗史観なのは仕方がないですね。歴史書というより、著者の歴史ノートであり、読みやすい文章ではありました。
良書ではあるのですが、さすがにちょっと「賞味期限切れ」が近いかな…
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アメリカの歴史を概括的に知りたいと思って購入。本書は著者の経験や主観が色濃く、これもアメリカ史だと理解はできるが、目的を達することはできなかった。これもアメリカ史だと理解はできるが
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今、この本を読もうと思ったのは、中国にいるからこそ、もうひとつの超大国であるアメリカを知りたいと思ったからだ。
私たちは、本当に世界の歴史を理解しているのだろうか。
アメリカの建国は、日本の江戸時代、中国の清の時代だ、それが瞬く間に世界のトップリーダー、派遣国になったのだ。
他方で、マニフェストディスティニーに代表されるネイティブアメリカの迫害、人種差別といった問題は、自由と民主主義の国といえども、それには限られた人の範囲ということを改めて明確に感じることができた。
一番面白かったのは、欧米人の入植から1900年代までの建国当初の話かな。
中国の人は、アメリカの歴史をどのように感じるのだろうか。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
アメリカは民主主義の理念を具体的に政治に実現させた最初の国である。
独立宣言の中心「すべての人間は生まれながらにして平等である」は、今なお民主主義国家の道標として輝き続けているものの、人種間の問題や戦争など、建国から2百年余、その歴史は平坦ではなく、生々しい傷がまだ癒えることなくその跡をとどめている。
この超大国の光と影を、戦後深いつながりをもって歩んできた日本との関係もまじえて描く。
[ 目次 ]
プロローグ 歴史の入り口で
第1章 新しい共和国の誕生
第2章 国家分裂の危機
第3章 アメリカ帝国の出現
第4章 大衆消費の実現と大恐慌
第5章 アメリカの世紀
第6章 平等への闘い
第7章 超大国の行方
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