猿谷要のレビュー一覧
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今、この本を読もうと思ったのは、中国にいるからこそ、もうひとつの超大国であるアメリカを知りたいと思ったからだ。
私たちは、本当に世界の歴史を理解しているのだろうか。
アメリカの建国は、日本の江戸時代、中国の清の時代だ、それが瞬く間に世界のトップリーダー、派遣国になったのだ。
他方で、マニフェストディスティニーに代表されるネイティブアメリカの迫害、人種差別といった問題は、自由と民主主義の国といえども、それには限られた人の範囲ということを改めて明確に感じることができた。
一番面白かったのは、欧米人の入植から1900年代までの建国当初の話かな。
中国の人は、アメリカの歴史をどのように感じるのだろうか -
Posted by ブクログ
ジュンク堂の小熊英二書店のキャンペーンで見かけたもの。学生時代、個人的な印象としては、1945年の敗戦前後の日本史、とくに政治・思想史に関する「古典」として、ジョン・ダワーの名前はおそろしく知名度があったものに思える。それはもう社会学におけるマックス・ウェーバーやテンニース(これはちょっと古すぎる?)のような感じで、同種のものにベネディクト・アンダーソンの『想像の共同体』があった。そんな感じ。実際はどーだったのだろうか?
彼の名前をそのように有名なものとしているのは『敗北を抱きしめて』だけど、本書はそれに先立つ作品。第二次世界大戦、とりわけ太平洋戦争において、日本とアメリカやイギリスの両政府 -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
アメリカは民主主義の理念を具体的に政治に実現させた最初の国である。
独立宣言の中心「すべての人間は生まれながらにして平等である」は、今なお民主主義国家の道標として輝き続けているものの、人種間の問題や戦争など、建国から2百年余、その歴史は平坦ではなく、生々しい傷がまだ癒えることなくその跡をとどめている。
この超大国の光と影を、戦後深いつながりをもって歩んできた日本との関係もまじえて描く。
[ 目次 ]
プロローグ 歴史の入り口で
第1章 新しい共和国の誕生
第2章 国家分裂の危機
第3章 アメリカ帝国の出現
第4章 大衆消費の実現と大恐慌
第5章 アメリカの世紀
第6章 平等への