入江昭のレビュー一覧

  • 日本の外交 明治維新から現代まで

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    その時代の日本の外交がどのような視点を持っていたのかがとてもよくわかる。
    読む前は戦争に突入していったのは軍部の暴走という認識しかなかったのだが、本を読んでいくとそうした方向性をとっていったのが納得できる部分も出てくる。

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    2026年03月06日
  • 日本の外交 明治維新から現代まで

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    最近、封建主義社会についての別の本を読んだばかりという所為もあることを認めつつも、この本によく言われる「日本にはイデオロギーがない」という問題、まさに封建主義から脱出できていないのが原因なのではないかと思ってしまった。封建社会は階層が決まっていて、上は自分の立場や地位を守るために頭を働かせることはしても、それ以外のことに積極的に動くことはしない。つまり、思想がない。明治の西洋化で封建社会は確かに解体されたが、しかし人間の思考や習慣はそう簡単に改まるものではなく、それがとどのつまり国際社会という舞台にあがってみて、思想がないから何でもその場凌ぎで、後手に回り、広く物事考えられないからしまいには「多分こうだろ!」と投げやりに動いて自滅する。大東亜共栄圏というイデオロギーまがいのものも結局は追い詰められて危険な道を渡らざるを得なくなった自分達の立場を正当化するためのものでしかなかった。
    伊藤整の日本人の思想パターンについての本には、日本人ふくむ東洋人は余計なことに首突っ込まないということを主義としているのに対し、西洋人は積極的に突っ込んでいく、と書いてあったが、それが外交などにも現れている、というか、尾を曳いているというか、そんな気がした。
    つまり東洋人はどこまで行ってもやっぱり東洋人なんだなと。

    多元的なれ、というのも本書の終わり部分にちょくちょくでてくる警句だが、これについてはプーチンが「二島かえしてやるからそれで手を引け」というのを思い出した。「日本人としては元々四島全部うちのもんなんやから、二島で手を引けとは盗人猛々しい!」と怒りたくなるところだが、プーチンがそれに対して「日本人ってほんまにアホやな」と言った(とか言わないとかいう)のも何となく理解ができる。まさに自分の国の利益しか考えていないというのはこういうことをいうのだなと。勿論、ロシアの真意まではわからないし、ロシアのいうことやることが正しいとは思わないが、いつでも百あったら百とらないと気が済まないということを外交上でやっていては確かに何も得られず終わってしまいかねない。それに振り回されているうちはイデオロギーも思想も糸瓜もクソもない。
    気づきが多かった。

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    2022年12月02日
  • 日本の外交 明治維新から現代まで

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     扱う時代は明治維新から1960年代までと幅広い。時代ごとに主要国が何を考え、どう行動し、日本政府がどう対応したか、内在的論理が丁寧に説明されている。
     例えば、国際連盟の脱退に至る「東洋平和確立の根本方針」、その源流となる石原莞璽の思想が国防という現実主義に基づいている点、先立つ幣原の経済主義外交が世界恐慌の影響で力を失ったことなど。
     著者は日本の外交に思想がないことを折々に嘆いているが、着実に現実的対応を進めていたことを記してもいる。これは意外な発見だった。日本が外交を通して何を追い求めていたのか、その思想や行動原理を描き出してくれる、興味深い1冊です。

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    2014年06月08日
  • 日本の外交 明治維新から現代まで

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    日露戦争までは統一的な外交戦略があったが、日露戦争後は、グローバル化する経済政策、中国における民族主義の高揚等、外交に置いて考慮すべきファクターが複雑化する一方、国内体制(軍部にしても官僚にしても)は硬直化し、日露戦争以前のような柔軟な対応できなくなった。

    太平洋戦争に進んでいく外交の失敗の要因分析にも触れられているのだが、経済政策と国家戦略について平仄を取っていくことが肝であるのではないか。当時、既に経済、貿易面でパートナーであったアメリカとの対立がなぜ起こったのか、現在に置き換えたときに、それが中国にあたるのではないか。1966年初版ではあるが、現在の外交課題を考える上での示唆する歴史的な事実が整理されている。

    以下引用~
    ・日本自体が朝鮮へ進出すべきだというのではなく、朝鮮が第三国の属国にならないようにする。これが「朝鮮独立」を目指した明治前半期の外交方針だった。

    ・松方財政のねらうところは日本の輸出振興、輸入抑制であり、そのためにもますます関税自主権を回復することが肝要になってくる。このように、日本の外交政策は国策のすべての点と結びついていたのである。

    ・日露戦争当時、およびその直後の日本外交の指導理念は、いぜんとして従来どおりの、帝国主義外交ということであった。つまり、諸列強の意向に注意を払い、できるだけ欧米諸国と協調を保ちながら、日本の地位を維持し、権益を発展させようとする考えてあり、その根底には、先進諸国のあいだに、ある種の均衡状態が保たれ、日本もその枠組みに入ることが、みずからの安全と利益を守る道だという考えがあった。

    ・小村(寿太郎)は陸軍がともすれば外国の意向を無視して満州発展をはかることには反対であったが、大陸進出そのものは「確定不動の方針」と心得ており・・・。

    ・(辛亥革命)このような政策の根底に、国際関係は帝国主義諸国家間の関係だとし、中国そのものは外交の関心外だとする思想があったことは明らかである。したがって、中国のナショナリズムにたいしても確固たる方針を立てることを怠り、清朝政府内の動きや革命党の運動などについても、十分な対策を講ずることがなかった。

    ・(日露戦争後数年間の日本外交)条約改正とか朝鮮問題の解決とかいう具体的な目標が消え、しかも中国のナショナリズムとかアメリカの人種偏見とかいう要素が、新しい問題を提起していたので、このような事態にあたって、現実的な外交理念をかかげて国論の統一をはかることは至難のわざであった。

    ・(第一次)世界大戦中に、日本の対米輸出は四倍にふえ、アメリカからの輸入も五倍化した。それまで主としてイギリスにあおいでいた資本を、日本産業が次第にアメリカに求めるようになったのもこのころからであった。このような状態にあって、日本経済の発展が、アメリカとの友好関係を維持する必要があるとされるのである。
    ・アメリカと日本の密接な経済関係が、日本にとって最も重大だと考えていたのは政友会の原敬や、外務省内の幣原喜重郎なのであった。

    ・日露戦争までは日本の軍事政策と経済政策のあいだには深刻な対立がなく、両者とも日本の近代化とか帝国主義国化とかを目指す根本外交理念の表れとして、表裏一体をなしていたものであった。それが日露戦争後は、この根本に横たわるべき思想に混乱を生じ、東西の協調あるいは対立といった抽象観念にわざわいされたのである。

    ・(弊原の)このような経済主義が1929年、アメリカに始まる世界恐慌によって非現実的なものとなるにおよんで、かれの国際協調主義も急速に色あせ、だれの目にも夢想的なものとしか見えなくなってしまうのである。
    ・世界恐慌の波は各国の経済政策を自己中心的なものとし、中国における国権回復運動の激化とあいまって、日本の外交の基盤を切り崩してしまった。

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    2012年04月08日
  • 新・日本の外交 地球化時代の日本の選択

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    名著『日本の外交』の続編として出された新書。

     歴史家が、「現代」「現在」を語ることの難しさを痛感させられた著作。外交史の大御所である入江昭氏が書いた著作であっても、15年経った現在読んでみると、論証の度合いや認識不足という点が気になってしまう。

     歴史家は常に、過去の一事象を取り上げて論じる。もちろん、その一事象の原因・背景・経過そして影響までも知った上で、その一事象について論じるのである。しかし、現在は違う。我々が生きる現在には、過去はあっても未来はない。現在を形作っている原因・背景すらもはっきりしない。
     そのような状況の中で、現代史の通史を描くことは歴史学者として勇気のいることだと思う。


     さて、本書の肝心の中身であるが、冷戦は終結からソ連崩壊の間に書かれているため、時代の「過渡期」で試行錯誤している様がうかかがえる。
     その一方で、前作から貫かれている「定まらぬ日本の外交姿勢」ということは明確に打ち出されている。今や当たり前の概念となったボーダーレス時代の地球を見据えた著作と言えるだろう。

     ただ、日米関係の考察は鋭いものがあると思うが、日韓・日中関係についてはやや考察が甘い部分があるように感じた。

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    2010年02月07日
  • 日本の外交 明治維新から現代まで

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     入江昭氏の古典的名著。

     明治維新から現代までと副題が付いているが、描かれているのは、1950年代までとなっている。

     本書の、最大の特色は日本外交の本質を描こうとしたことにある。つまり、明治までのナショナル・インタレストと外交政策が終始一貫していた時期と、大正以降の終始定まらぬ外交姿勢とがダイナミックに説明されている。

     帝国主義国家の仲間入りを果たし、国際政治の場に登場した日本であったが、結果的には第一次大戦後のアメリカやソ連のユニバーサルな思想とは相容れず、アジア主義を標榜し、他の諸国家との協調が破綻することになった。

     衰退した中国が、辛亥革命以後、「ヤング・チャイナ」としてナショナリズムを昂揚させ、アジアの中心たらんとした日本と衝突することや、アジア市場をめぐる日米の相克を、ミクロの外交施策というよりも、「思想・イメージ」でさくさくと説明していくところに本書の最大の特徴があるのではないだろうか。

     古さは否めないが、「古典的」と言われるにはそれ相応の理由がある。

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    2010年02月07日
  • 新・日本の外交 地球化時代の日本の選択

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    『新・日本の外交――地球化時代の日本の選択』(入江昭、1991年、中公新書)

    第二次対戦後の国際政治史を詳細に解説している。すばらしい分析力をもって書かれている。国際関係の流れが国際政治、国際経済の両側面から説明されているので非常にわかりやすい。

    初版が1991年であるため、近時の国際関係については記述がないが、80年代までの国際関係と日本外交の流れを学習するには非常に有益である。

    (2009年6月29日)

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    2009年10月07日
  • 新・日本の外交 地球化時代の日本の選択

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    ネタバレ

     明治維新から太平洋戦争直後までの外交の流れを著した『日本の外交』の続編。本書では、太平洋戦争の結末から1980年代の日本外交を概観する。

     著者は、太平洋戦争期までの日本を軍事強国・経済弱国とし、戦後の日本はその対称であるとする。そして戦後の日本には、軍事と経済のギャップを埋め正当化する思想が求められたにも関わらず、外交理念の確立が遅かったという。「日本」の政策に思想的な追求が遅れているという状況は、本書から四半世紀経過した現在においても同様なのではないかと感じる。

     まさしく副題の通り、地球化時代が不可逆的に加速している現在において、自分の自身の生活に関わる「日本」の選択と選択肢たちを検討するために、知識を深めようと刺激された2019年一冊目だった。

    以下、心に残った文メモ。 
    「現在の世界を理解するために、固定化した過去のイメージにとらわれず、柔軟性のある見方を持った上で、最近の諸現象の意味を探り、それが近い将来にいかなる動きとつながっているのか、考えてみるべきであろう。要するに、バランスのとれた歴史感覚が必要とされるのである。(中略) 未来を創るのも、過去の遺産と同時に現在の努力である。」

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    2019年01月07日
  • 新・日本の外交 地球化時代の日本の選択

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    2012.12記。

    「日本の外交」刊行から20余年を経て1991年に出された続編。

    米ソ冷戦、第三世界の台頭、そして冷戦の終焉・・・いずれの時代も興味深いが、一番印象に残ったのが、本書の刊行年に日本がまさにバブルの絶頂(からの今思えば転換点)にあったこと。

    円安に起因する貿易摩擦で対日批判が吹き荒れ、ロックフェラーセンターの日本企業による買収で「アメリカの魂が買占められた」と激震が走る。日本の輸入の少なさの原因を国内の歪んだ慣行や商習慣に求め、内需拡大のための「構造協議」を要求する米国。それに対する反発の象徴が石原慎太郎・盛田昭夫「Noと言える日本」のベストセラー化。まさにそういう時勢だった(本書はそうした風潮に警鐘を鳴らすことで終わっている)。

    昔日の感あり。

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    2019年01月06日
  • 日本の外交 明治維新から現代まで

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    2012.12記。

    1960年代に執筆され、今や基本書となっている本。
    「不平等条約の改正」という国家目標を達成した19世紀末から太平洋戦争前後までの日本外交を、「基軸となる思想・目標」はなんだったのか、というアングルから振り返る内容。

    これを読むと、いかに日本が欧米との摩擦回避に腐心してきたか、そしていかに中国が我が国の経済にとって不可欠の存在であり続けたかが改めて実感される。たえずこの二つを意識して現実的な(言い換えれば打算的で確固たる思想のないとも言いうる)外交を進める当局に対し、確固とした外交哲学を持つという理想を追求したのは当初はむしろ民間の有識者であったという。だがそれも「西洋に対する東洋」といった対立関係を軸にしたものに止まっていた、と著者は主張する。

    事実の分析もさることながらその背景にある思潮に紐づけて歴史を論じる、という整理の仕方は非常に興味深かった。

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    2019年01月06日
  • 日本の外交 明治維新から現代まで

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    ハーヴァード大学で外交史ないし国際関係論を教える著者が、明治から太平洋戦争後までの日本の外交史を概観した本です。

    日本が国際社会の舞台に踊り出た19世紀は、西洋諸国が帝国主義的な覇権を競い合っていた時代でした。そのような状況の中に置かれた日本は、国土の安全と貿易の進展をめざし、軍事・経済両面での国益を追究することになります。著者は、日本の外交の基本的な枠組みはこうした現実的、実際的なものであり続けてきたと言い、西洋諸国のように宗教的、人道主義的、理想主義的な外交理念が存在しなかったと指摘します。日露戦争以後は、西洋と東洋の調和という思想が、ある程度外交の中に入ってきますが、著者によれば、その場合でも世界における日本の位置づけについての不安に基づいていたにすぎず、日本には独自の外交理念が欠けていたと論じています。

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    2015年10月03日
  • 新・日本の外交 地球化時代の日本の選択

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    入江昭『日本の外交』の続き。前作が、カバーしていない戦後の日本外交史についてまとめられている。
    戦前から我が国の外交は、国際環境に合わせて場当たり的な対応に終始し、一貫した外交思想を持っていないというのが筆者の主張であり、本書においても、そのように主張しているところがある。しかしながら、90年代に近づくにつれ、外交の根源的思想をどうするかということについて議論が始まりつつあると述べられており、だんだん我が国でもそのような機運が高まってきていることについて述べられ、本書は終わっている。(本書が書かれた時代は、1990年である)
    私自身、外交は国際環境によって規定されると考えているため、筆者の主張する外交の思想がよくわからなかったが、二作通じて読んだことで、筆者の言わんとしていることを理解し、共感することができた。2000年代が終わり、2010年代も半ばを迎えつつあるが、今の筆者は90年代と00年代をどのように評価するか、興味深いところである。

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    2014年02月25日
  • 日本の外交 明治維新から現代まで

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    明治期から、戦後すぐまでの日本の外交しについて概観した本。時期ごとに、事実とその時の外交当事者が何を考えたのかということについて、まとめられている。
    日本外交は一貫した思想が無く、その状況に応じた対応をしてきたということを軸に、著者なりの見解についてまとめられている。わかりやすいし、的確だと思う。しかし、残念なのは、日本外交の一貫した思想が一体何かということについては、言葉で触れられている程度で詳しく述べられておらず、そのことから、漠然とした理解しか出来なかった。

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    2014年02月22日
  • 日本の外交 明治維新から現代まで

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    大学時代に授業で買って積読になっていた本を、10年ぶりくらいに読んでみた。入江さんと言えば、戦後すぐにアメリカのハーヴァードに渡ってずっとアメリカで研究し続けている大歴史学者。その著者が、1960年代の30代半ばで書いた日本外交史。
    日露戦争後から朝鮮戦争後までの日本外交について振り返っているのだが、外交の上で基本的に日本は確固たる思想がなく、その場その場の列強の状況に左右されてきたというお話。日本では、人種、宗教、道徳上の原理で外交が動いたことはほぼなく、もっぱら軍事(防衛)、経済戦略上の状況に応じて動いていた。唯一、思想的に統一したものが出来上がったのが、太平洋戦争においての「大東亜共栄圏」構想だったが、これとて資源確保という経済的大前提があったうえで、アメリカがドイツのソ連侵攻によって想像以上の対日強硬路線をとってしまったという状況からきている。外交上の思想がないというのは、よく持て囃される石原莞爾についても例外ではない、と入江先生は指摘している。最終章では、今後日本は新しい外交思想を作り出していくべきとしている。ここで入江先生が言っているのは、南北問題などが念頭にあるのだろうが、結局、その後の日本外交には新思想など出ることもなかったというのが現実ではなかろうか。安倍政権とて、中国の強硬政策に振り回されて反応しているだけに思えるのは気のせいではない。

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    2014年01月01日
  • 新・日本の外交 地球化時代の日本の選択

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    前著 日本の外交の続編。1960年代以降の外交を中心に、政治・経済的な面の戦後史的な本。内容は、下記の通りであり、基本的な政治史がわかれば全体像もわかりやすいと思う。

    序五十年の軌跡

    第1章 日米戦争の結末
    第2章 日本外交の再出発
    第3章 平和的共存の芽生え
    第4章 第三世界の抬頭
    第5章 経済混迷期の外交
    第6章 「ポスト冷戦」の世界へ

    二一世紀に向かって

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    2013年04月23日
  • 新・日本の外交 地球化時代の日本の選択

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    戦後日本の経済力と軍事力のギャップ、そのギャップが、国際秩序の中で
    如何に評価され、外部からの評価をどう国内の動きにつなげていくか
    これがここ20年ほどの日本の課題であったと思う。
    この本は戦後から現代までの主に外交分野での軌跡を追いかけているが、常にその時々で沖縄が絡んでいる。
    その沖縄の絡みから、戦後日本を提示する方法があると、思いたい。

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    2012年08月06日
  • 日本の外交 明治維新から現代まで

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    明治維新から1960年くらいまでの日本外交を検証した本です。分かりやすくまとめられているので、初学用または復習用にとてもよい本です。著者は具体的に表記していませんが、ウォルツの「3つのイメージ」を使って、時代ごとの外交の変遷を説明しいています。

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    2012年02月25日
  • 日本の外交 明治維新から現代まで

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    日露戦争後の日本政府の外交方針が一貫して協調政策を重視し、一方で欧米は日本が列強国の一員になりつつあることに常に脅威を抱いていた。
    1920年後半から幣原内閣の協調平和外交より軍部の強行路線が優位だった背景として世界恐慌などの経済不安定や
    中国の過激なナショナリズムの展開で政情不安が増大したことがある。
    日中戦争まで米国は親日であり反中であったが欧州の大戦でのドイツの動向により日本のアジア圏での地位確立が米国にとって脅威となったため反日に態度を変えたことは意外に感じた。
    1930年頃の軍縮会議あたりから包囲網を整え日本を仮想敵国としてみていたと思っていたからだ。実際は日中戦争まで日米の貿易は頻繁に行われ武器や物資、食糧などを日本に輸出していた。

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    2011年01月23日
  • 日本の外交 明治維新から現代まで

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     歴史に沿って日本の外交を見ていく本。
     経済と軍事、この二つを中心に描かれてきた外交の歴史。ただ、そこには決定的に思想が足りなかった。思想なき合理性と経済の敗北(具体的には世界恐慌)は、日本を泥沼に引きずり込む。
     両軸に経済と軍事、中軸に思想という形で議論が進められるので、構造がはっきりしており、読みやすい本です。外交官の目から、日本の歴史を読み解いた本であり、日本の未来に危機感を持たせる本であるとも言えます。思想がないのは、今も昔も変わらず、日本は再び世界の中で迷走してしまうのかもしれません。

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    2009年10月04日
  • 新・日本の外交 地球化時代の日本の選択

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    『日本の外交』(中公新書)の続編で、太平洋戦争後の国際状況の中での日本外交の歴史を扱っています。

    東西冷戦という大きな枠組みの中で、戦後の日本がアジアにおける共産主義の防波堤としての役割を果たしながら、経済成長を遂げてきたことを概観するとともに、日本に確固とした外交理念が欠如していたことが、冷戦後の日本の外交の混迷を招いたという指摘がなされています。

    日本の外交史に見られる枠組みが提示されていた前著に比べると、ややスケールの大きさに欠ける印象もあるのですが、いまだ評価の見定めがたい現代史を扱っている以上、やむをえないように思います。戦後日本外交史が分かりやすく概観されていて、おもしろく読みました。

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    2015年10月03日