マルコ・ポーロのレビュー一覧
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誰しも名前は聞いたことはあるが、その内容については意外によく知られていないのではないかと思われる『東方見聞録』。
ヴェニスの商人であるマルコ・ポーロは、同じく商人である父及び叔父に随行する形で東方へ向かった。
その行路は、西アジアから始まり、広大な中央アジアを通って中国に至るというものであった。
当時のアジアは、カーンの統治するモンゴル帝国におおむね服属しており、マルコもまた、フビライ・カーンに17年間仕え、その間に、カーンの宮廷事情や広大な中国領土などを見聞した。
これが本書(第一巻)の概要であるが、その叙述の具体的なこと極まりなく、まさにユーラシア大陸中を冒険しているかのごとき気分に浸 -
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フビライ・ハーンは、現在この世界にいる、いや、今までにこの世界にいた王の中で最も偉大な王。モンゴル帝国の都ハンバリク(中国名:大都、現在の北京)。
ザイトゥーン(泉州)。膨大な胡椒が運び込まれている世界最大の港。高価な宝石や大粒の真珠を積んだインド船が次々とやってくる。アレクサンドリアの100倍の数の船が入港している。
プレスター・ジョン(キリスト教徒の王)はモンゴル高原の覇者だったが、チンギス・ハーンとの戦いに負けて戦死してしまい、プレスター・ジョンの王国もモンゴル帝国に併合されてしまった。
ジパング。マンズ(中国の南)から東へ1500マイルの大洋中にある。とても大きな島。住民は皮膚の -
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『東方見聞録』を読んでみる日が来ようとは…!笑
本書は1978年刊同名タイトルを昨年復刊したものらしく、新たに加わった解説も相まって読みやすかった。実際仕えていたとはいえフビライ・ハン(以下本文に倣い、大ハーン)を必要以上に崇拝していたり(「君主のうちの大君主」)、旅行先の描写も誇張されていそうで胡散臭さはあったけど、国外どころかアジア方面なんて未知の領域だったヨーロッパ人にはこれが全てだったんだろうな。
マルコ・ポーロ(以下、ポーロ)は故郷ヴェニスへの帰還後、国同士の小競り合いに巻き込まれて1年間捕虜として獄中にいた。その間同室だった大衆作家に、自身が旅してきたアジア諸国(日本・東南アジア -
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ネタバレ1巻では大体モンゴルへ行くまでに通りすがった街の紹介(特産物や人の暮らしぶりなど)、モンゴル宮廷に仕えてから巡ったアジアの各地の紹介などなど、2巻では海路で東南アジアからインド、アラビアへ。ヴェネツィアへの帰還への道すがらの各地の紹介。
帰りは道すがらの王様への花嫁を伴っての旅だったはずだけど、その辺の交流などの描写はなくて残念。
まぁ花嫁届けるのがやっとって感じだったらしいので、あまり思い出したくない苦難の道行きだったのかなぁ。
2巻には日本の紹介もあったのだけど、訪れてはいなかったので伝聞で人喰いの習慣があるとか書かれてたり。いやいやいや。
インド方面はモンゴルに貢ぎ物はしてない裕福な王侯 -
購入済み
二冊目にいいかもしれません
翻訳者の方の解説があり、本文が紹介されそれにまた補足や関連情報を付け加えるスタイルです。
古典に浸りたいむきにはオススメ出来ませんがとてもわかりやすく興味深いお話も紹介してくださいます。
原典と比べてコンパクトですので内容を押さえたい方、あるいは完訳を読まれた方の再読などに良いのかもしれません。 -
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13世紀の中央アジア、中国、東南アジア、インド・・マダガスカル島まで。
マダガスカル島にたくさんの象がいて、象牙の輸出が最大産業?????、なんてことが書かれているから、そうか昔はマダガスカルにも象がいて、でも人間が滅ぼしてしまったんだな、と一瞬思ったが、そんなはずはないとちょっと調べてみたら、大きな勘違いだった、ということ。マルコがモガディシュあたりを誤記して、しかも島だと書いたものだから後世の探検家がマダガスカル島を「発見」したときにこれが、これがマルコの書いた島だと勘違いしたという。
幾つかの間違いはあるかもしれないが、ほとんど事実だと研究者は言っている。13世紀の世界が、生き -
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旅行期間は26年間。
歴史の教科書で存在は知っていたが、これまで読む機会がなかった。黄金の国ジパング、マルコ・ポーロなどキーワードは受験のために覚えたので知っているが中身については全くの白紙。
冒頭の旅行期間についても同様。
ふと、自分の人生を振り返ってみる。適当な26年を切り取ってみると、マルコが生きた26年と大きく違うことが分かる。
自分が旅行した期間をかき集めてみると、おそらく半年に満たないであろう。
期間の問題ではないとして、新しい物に触れて刺激を受けているか否かでみると、むしろその差は広がる気がする。
今から1000年近くも前の異国の話なので、今とは大きく事情は異なるであろう