山口真一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネット社会の研究を主として行う著者が数々の調査のデータや事例、自身の知見をもとに昨今ネット社会の話題となっている炎上とクチコミについての見解を書いた一冊。
本書を読んで数多くのデータから炎上についての認識を改めることができました。
また、事例から炎上の正負の側面を客観的に捉えることができ、極端な意見が目立ちやすいということも知ることができました。
また、炎上対策マニュアルとして企業などがどのように炎上に対してネットやSNS上で行動すべきかも書かれており、非常に参考になりました。
炎上が起こった際には真摯に向き合うことや逃げないことが早期に鎮火させるためには大事なことということは印象に残りました。
そんな本書の中でも実名制にしてもそんなに変わらないことや炎上参加者が社会的な地位もある人が多いことは驚きました。
発信側が正しい知識を持って対応することや複数人でアカウントの管理を行うことなどが大事であると感じました。
また受け手も萎縮せずにもう少し中庸的な意見を発信することも大事であるとも感じました。
ネットが本格的に普及して約10年ほど経ちお互いがいいバランスでうまくネットと付き合っていくためのターニングポイントにきていると感じ、ネットを通して歪んでしまった本来人間社会で基調とすべき道徳を見直すことや他者を尊重するということを改めて社会が向き合わないといけないということを読んで考えさせられた一冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ炎上もクチコミも、科学的に見れば「情報拡散」という同じ現象の表と裏である。
という表紙裏のフレーズで始まります。
ショッピングサイトのレビュー、口コミサイト、SNSで誰もが情報発信できるようになったこの時代。情報は真偽や時間が入り乱れ、統制がとられないまま無限に発信されています。
この本を読んでなるほどと感じたのは、レビューやクチコミの情報は良い悪いの両極端に偏りやすいということ。
確かに、「あ、これいいな!」と思ったとき、もしくは、「これは駄目だなあ」と感じたとき、レビュー・クチコミを書きたくなる。良いものはおすすめしたいし、悪いものは注意喚起したい。そんな思いなのだが、そうなると確かに極端なレビュークチコミがあふれることになる。
情報の受け取る場合に、そのあたりは割り引いて見る必要があるというのこと。
便利な世の中にはなったが、情報に振り回されないことも大事ですね。 -
Posted by ブクログ
ネットで批判や誹謗中傷を書き込む人は、「ネット上では批判しあっていい」「世の中は根本的に間違っている」「ずるい奴がのさばるのが世の中」などの考えを持っている傾向がある。社会に対して否定的、不寛容、攻撃的で、まさに極端な考え方を持っている人たち。
極端な人たちが数多くの投稿をしており、数百のアカウントを使って、別々の人物を装って誹謗中傷を繰り返している人もいる。
炎上を知る経路として最も多かったのは、テレビのバラエティー番組で59%を占め、ツイッターは23%にとどまる。さらにマスメディアは、炎上したことを取り上げて、より厳しく追及する役割も果たしている。
実社会でもクレーマーは中高年男性に多く、高学歴、高所得で社会階層が高い人が多い。自尊感情が高く、完全主義的な傾向が強く、社会的不満が高い特徴もある。ネットの炎上に参加している人も男性、年収が高い、主任・課長クラス以上といった属性である。
日本に先駆けてネット上の誹謗中傷や炎上が深刻な社会問題になっていた韓国では、インターネット実名制が導入されたが、通常の投稿は大幅に減少した一方で、誹謗中傷的な投稿の割合はほとんど変わらなかった。この制度は表現の自由の保障という観点から 2012年に違憲判決が出されて廃止された。
発信者情報開示請求の手順を簡略化したり、より多くの情報が開示されるように法律を改正する動きによって、誹謗中傷を安易に書き込む動きが鈍化する抑制効果が期待できる。実際に、プロレスラーの木村さんが亡くなった後、攻撃的な投稿の60%ほどが削除された。
Googleブックス Ngram Viewerは、Googleが電子化して保有している1500年以降の500万点以上の書籍(これまでに出版された全書籍の約4%)に出現する約5000億の語句を追跡できる。 -
Posted by ブクログ
私自身にとっては、新鮮な情報というよりは、手持ちの情報の裏づけとなる情報が掲載されていた。
中高生くらいが読めばちょうどいい感じかも。
大学生の頃、革マルとか中核派とかの残党が学食の入り口でアジやってたけど、あれが徒党を組めなくなって、かつ、俗なネタにも反応するようになったのが「極端な人」のような気がする。だとすると、誰でもそうなる可能性はあると思う。私の友達だって、絶対そうならなさそうな人だったのに、寮に入って感化されてしまった。「寮」という閉鎖空間が、外部との関わりを薄くした結果だったんだな、と今なら思う。まして、スマホはもっと極端な「閉鎖空間」だ。家の中でもスマホをいじっているメンバーは家族から切り離されている。
自分が今、どういうバイアスでものを見て、考えているのか。常にチェックし、相対化することが第一の解毒剤なんだと改めて思った。