あらすじ
刹那的な感情を煽る「ネット炎上」、真偽不明の「フェイク情報/陰謀論」の拡散は以前から問題視されてきたが、今や政治の世界を覆い、選挙結果を左右するまでになった。米大統領選から参院選まで、注目を集めることに最適化した極端な主張を持つ候補者が支持を得た。既存の政治を破壊するネットの論理とメカニズムとは何か。今後ますますスタンダードになるであろうSNSの暴力と、私たちはいかに対峙すべきか。近年、急激に進む政治とネットの融合を、若き第一人者が問い直す。
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Posted by ブクログ
SNSが世論と同義と感じがちだけど、たしかにあそこは、(ネット上でだけ、だとしても)何かを世の中に主張したい人のコミュニティであって、実際は、それぞれ考えは持っているけど世の中に言うほどじゃないしなぁ、と思っている人が大半だなと感じた。私もそうだし。
そう考えると、SNS上の炎上は、「対岸にある、言いたがり村の火事」だと判断できる反面、「あの火事は世界を覆い尽くす大火事だ!私も、さらに燃やすか消火するか、何らかのかたちで巻き込まれなければ!」と大騒ぎする人が、こっちの岸に多すぎるということだろうか。
フェイクニュースも怖いなぁ。動画とか勝手に作られたら終わりだもんな。
なんで、本人が話す事実よりネット上の情報を信じてしまいがちなんだろうな、我々。
会ったこともない、画面の向こうのそれらしい人のそれらしい話を信じるのって、ちょっと宗教っぽいなと思うこのごろ。
Posted by ブクログ
ネガティビティバイアスについては私も実生活で経験することがあり、要は井戸端会議のネット版のような捉え方をした。情報化社会は非常に便利でなくてはならないものとなった。しかしこれは過去から存在する戦争で使う武器と一緒で、使い方によっては盾となり時には矛となる。インターネットを使う時には人間として生きていく上で、目の前の人や向こう側の人を想像して行動を起こす当たり前のことが必要だと改めて認識した。
Posted by ブクログ
近く選挙の可能性が高まる中で、自身の投票根拠に影響を与えぬ様、ネット情報の真偽をしっかり確認する必要性を認識した事と、著者が提唱する選挙期間中のSNSのあり方に賛同ができた。本当にそうすれば良いのにと感じた。
Posted by ブクログ
自民党は、2013年にネット選挙専任チームのTruth Teamを立ち上げた。
※これには、ホットリンク、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション、ガイアックス、パースペクティブ・メディアが口コミ分析、ネットPR戦略などで関わっている。
2025年の参院選では、ロシアなどの外国勢力が生成AIと複数のスマートフォンを組み合わせたボットシステムにより、日本語の投稿が大量に拡散されていた。
日本政府は2025年7月に国家サイバー統括室(NCO)を新設し、SNS監視や情報操作への対策に乗り出した。2025年5月に「サイバー対処能力強化法」などが成立したことを受けたもの。
著者が行った調査によると、SNSを使う一般市民の4.7%が過去1年以内にDMやリプライの形で誹謗中傷を受けていた。若い世代ほど攻撃にさらされており、10代男子では10.6%に達した。炎上参加者の7割が男性で、世帯年収や役職・肩書が高い人、メディア利用が多い人ほど関わる傾向がある。過去1年間で炎上に参加した人の割合は0.5~0.7%で、1件当たりでは40万人に1人にとどまる。悪質クレーマーも、高学歴・高所得で社会階層が高く、定年退職後の人が多いという点で似ている。自尊感情が高く、完全主義的な傾向が強いこと、社会的不満が高いといった特徴がある。
日本人は、アメリカや韓国に比べて情報の検証行動を実施する人の割合が低い。フィルターバブルやエコーチェンバーといったデジタル空間の構造への理解も低いことから、フェイク情報に出会っても立ち止まって検証する習慣が弱いと考えられる。
メディアリテラシー、情報リテラシー、批判的思考スコアが低い人ほど、フェイク情報をそのまま信じ、さらには拡散してしまう傾向が強い。ただし、自己申告による批判的思考尺度では逆の傾向が示され、「自分は物事を批判的に考えている」と答える人ほど誤情報を正しく見抜けない。
フェイク情報を法規制することは、権力者が批判を封じるための剣になる危険がある。ロシアでは、2022年に「フェイクニュース法」が成立したが、政府や軍の活動に批判的な言論を取り締まるために使われている。
著者は、選挙期間中に限って選挙関連コンテンツのマネタイズを停止する仕組みを提案している。ただし、どこまでを選挙や政治に関連するコンテンツと定義するかなどの問題がある。
Posted by ブクログ
世論研究の新書として、ポスト・トゥルースやSNS時代の炎上にまつわるコンパクトさはあるが、ある程度関連書を読んだ身からすると物足りなくもある。
Posted by ブクログ
歴史を振り返れば、社会は常に「混乱の時代」を経験しながら進化してきた。
私たち一人ひとりが、情報の海に流されず、自らの言葉に責任を持ち、他者を尊重する、日常の小さな実践の積み重ねをしていきたい。