山口真一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
SNSが世論と同義と感じがちだけど、たしかにあそこは、(ネット上でだけ、だとしても)何かを世の中に主張したい人のコミュニティであって、実際は、それぞれ考えは持っているけど世の中に言うほどじゃないしなぁ、と思っている人が大半だなと感じた。私もそうだし。
そう考えると、SNS上の炎上は、「対岸にある、言いたがり村の火事」だと判断できる反面、「あの火事は世界を覆い尽くす大火事だ!私も、さらに燃やすか消火するか、何らかのかたちで巻き込まれなければ!」と大騒ぎする人が、こっちの岸に多すぎるということだろうか。
フェイクニュースも怖いなぁ。動画とか勝手に作られたら終わりだもんな。
なんで、本人が話す事実よりネット上の情報を信じてしまいがちなんだろうな、我々。
会ったこともない、画面の向こうのそれらしい人のそれらしい話を信じるのって、ちょっと宗教っぽいなと思うこのごろ。
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Posted by ブクログ
なかなかわかっているようで、わかっていなかった「極端な人」の生まれる仕組み。こういう人確かに周りにいるんですよね。そういう人が生まれてしまう背景や彼らの思考がなかなか腹落ちする内容でした。
さて、私自身は極端な人にならないだろうか。この本で学んだ事は、デジタル化が進み、AIの世界になっても結局は他者を尊重する、と言う小学校の道徳の授業でで習うことに集約されるんだな、何とも皮肉なものでした。
現代の情報社会はまだ黎明期であり、いずれ健全な発展につながると言う著者の言葉は壮大でしたが、未来もそんなに悪くないかも、と思わせてくれる考え方でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレとっても面白かった!
ツイッターやSNSで誹謗中傷を書き込む人たちの「正体」が、ちゃと分析して書いてあります。ずいぶん前に「ウェブはバカと暇人のもの」という新書を読んで、これもかなり面白かったけど、本書の分析ではウェブで誹謗中傷を書き込んだりしている人は決して「バカで暇人」ではない。「今時の若者」が暇つぶしでやっているわけでもない。意外にも、社会的地位があり、経済的にも余裕があって、決して暇じゃないはずの管理職のおじさんだったりする。
また、「炎上」とは、個人や企業に対して多くの人から批判が集まって収集がつかなくなる、というイメージがあるが、ちゃんと分析してみると「炎上」のきっかけになる書き込みをしている人たちというのはほんの数名、多くてもせいぜい十数名とかで、その批判をテレビなどのマスメディアが面白おかしく取り上げることによって本当の「炎上」が起こっているのだ。
だから、誹謗中傷が飛び交い、人を傷つける(時には死に追い込む)ことがあるのをネット(ウェブ)のせいにし、ネットの匿名性を嘆いたりする意見をテレビで見るが、実はテレビが一番悪い(ネットに責任転嫁している)、みたいな。
第3章までは、インターネットが普及して誰でも情報を発信できる現代社会で、どうしても「極端な人」が力を持ってしまい、本当はそうではないのにその極端な意見があたかも「みんながそう思ってる」みたいに誤解されてしまうシステムがよく分かる。
第4章では、では「極端な人」に対して社会がどう対処すべきか、具体的かつ建設的に提言してあり希望が持てた。いろいろな具体的な方法があげられており、著者ご自身が「日本リスクコミュニケーション協会理事」というような肩書きをお持ちなので、本書に記された具体策は本当に実践される可能性も高いのではないだろうか。
私自身もメディアリテラシーの教育に携わる立場なので、とても参考になった。
あと、統計分析って面白いなーと思った! -
Posted by ブクログ
ネタバレ◯新たなマスメディアであるネットやSNSのもつ根源的な特徴を正確に捉え、旧来のマスメディアによって、ネット情報が拡散されることにより、ネットにおける局所的な炎上が社会問題のようになる構造を示している。
◯ネットという一方向からの議論ができるツールにおいてのみ生じてしまう。双方向でのやりとりの中では、変な人と思われたり、会話が成り立たないため周りからも相手にされない。また、そのような状況だからこそ自分も自重するということである。
◯極端な人は、己の正義に従って他者に攻撃を加える、不寛容な人であるという。上記のツールによって、その特徴が強まり、さらには拡散されてしまうのだ。
◯この著者はここで終わらず、さらにそのための方策を二方向から検討している点に好感が持てる。
◯一つは被害者側に対する対応であり、もう一つは極端な人にならないための方策が示されている。
◯このような議論の展開は、まさに最新の社会学であり、若い人たちによって開拓される分野であるなとも感じた。 -
Posted by ブクログ
自民党は、2013年にネット選挙専任チームのTruth Teamを立ち上げた。
※これには、ホットリンク、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション、ガイアックス、パースペクティブ・メディアが口コミ分析、ネットPR戦略などで関わっている。
2025年の参院選では、ロシアなどの外国勢力が生成AIと複数のスマートフォンを組み合わせたボットシステムにより、日本語の投稿が大量に拡散されていた。
日本政府は2025年7月に国家サイバー統括室(NCO)を新設し、SNS監視や情報操作への対策に乗り出した。2025年5月に「サイバー対処能力強化法」などが成立したことを受けたもの。
著者が行った調査によると、SNSを使う一般市民の4.7%が過去1年以内にDMやリプライの形で誹謗中傷を受けていた。若い世代ほど攻撃にさらされており、10代男子では10.6%に達した。炎上参加者の7割が男性で、世帯年収や役職・肩書が高い人、メディア利用が多い人ほど関わる傾向がある。過去1年間で炎上に参加した人の割合は0.5~0.7%で、1件当たりでは40万人に1人にとどまる。悪質クレーマーも、高学歴・高所得で社会階層が高く、定年退職後の人が多いという点で似ている。自尊感情が高く、完全主義的な傾向が強いこと、社会的不満が高いといった特徴がある。
日本人は、アメリカや韓国に比べて情報の検証行動を実施する人の割合が低い。フィルターバブルやエコーチェンバーといったデジタル空間の構造への理解も低いことから、フェイク情報に出会っても立ち止まって検証する習慣が弱いと考えられる。
メディアリテラシー、情報リテラシー、批判的思考スコアが低い人ほど、フェイク情報をそのまま信じ、さらには拡散してしまう傾向が強い。ただし、自己申告による批判的思考尺度では逆の傾向が示され、「自分は物事を批判的に考えている」と答える人ほど誤情報を正しく見抜けない。
フェイク情報を法規制することは、権力者が批判を封じるための剣になる危険がある。ロシアでは、2022年に「フェイクニュース法」が成立したが、政府や軍の活動に批判的な言論を取り締まるために使われている。
著者は、選挙期間中に限って選挙関連コンテンツのマネタイズを停止する仕組みを提案している。ただし、どこまでを選挙や政治に関連するコンテンツと定義するかなどの問題がある。