箕田源二郎のレビュー一覧

  • 算法少女

    Posted by ブクログ

    とても面白かった。でてくる人物がとても優しくて愛おしい。ひらがな表記がやや読みにくい(気にするほどではないけど。)のだけど、児童文学だったところから来るのだと思うと納得。
    千葉あきの優しさや算法への想いが伝わって、ラストはなんだかうるっとくる。
    江戸時代やもっと万葉の時代から九九などの算法は開かれていて、秘中の口伝みたいな形でしか伝えられず滅びたのは悲しい。しかし日本ならあるあるなのかもしれない。西洋技術に負けたとはいえ、昔の人はえらかった!と感じさせる生き方を伝えてくれる素晴らしい良書。たくさんの人に読んで欲しいので、あとがきの復刊までの道のりにも感激してしまった。

    0
    2025年07月18日
  • 算法少女

    Posted by ブクログ

    江戸時代の和算書「算法少女」を題材とした物語ですが、作中の人物を通して著者が語った学問に対する考え方には共感を覚えました。次は算法少女の解説本に挑戦したいです。

    0
    2023年12月17日
  • 算法少女

    Posted by ブクログ

    タイトルは、実在する江戸時代の和算の本と同じもの。この物語では、町医者の父と、父に算法の手ほどきを受けた娘が一緒にその和算書を著した、その経緯が描かれている。
    算法の実力があることで、町方の娘が大名家に声をかけられたり優秀な学者と交流を持ったりと、世界が広がっていく。
    学ぶことを楽しみ、算法の素晴らしさを世に広めることに情熱を燃やす人々が、学生時代数学が大の苦手だった私には、なんだかまぶしく羨ましく見えた。

    0
    2023年01月05日
  • 算法少女

    Posted by ブクログ

    江戸時代に幸運な偶然と、本人の熱意で和算を習った女の子の話。
    丁寧な解説もついており、江戸時代の和算流行の様子を窺い知ることが出来る。

    『きりしたん算用記』とともに読むととても味わい深い。

    0
    2021年04月29日
  • 算法少女

    Posted by ブクログ

    江戸時代のリケジョの話なのだが、非常に面白い。同名の元ネタの本は、安永4年(1775)に刊行された和算書。本書は、最初に岩崎書店から1973年に出版されている。児童向けではあるが、大人が読んでも楽しめる、数学が苦手でも大丈夫。漢字にふりがながふってあるし。あと、挿絵が秀逸。

    0
    2019年10月08日
  • ももの子たろう

    Posted by ブクログ

    文のリズムがよくて読みやすい。 5才の男の子、食いついて聞いていた。
    読み始め、歌みたいな感じで始められたので、子どもの食いつきがよかったのかも。そして、リズムだけでなくて、文体も昔の話し言葉なのか、呪文みたいでおもしろい。なんだか優しい口調で読める。
    おもしろい1冊だった。この作者の本、他にも探して読んでみたい。

    0
    2019年08月01日
  • 算法少女

    Posted by ブクログ

    江戸時代に実際に出版された和算書「算法少女」から物語をつむぎ出した児童書。

    とある出来事から和算が得意の少女「おあき」に、大名家の息女への和算指南の話が持ち上がる。しかし、流派の違いや大人のエゴが立ちはだかり……。

    学ぶことの楽しさ、一途に続けることの意義、お金のためではない志。
    児童書ではありますが、大人も充分に楽しめる本です。

    0
    2019年02月07日
  • おかあさんの木

    Posted by ブクログ

    出征した息子を案ずる母の姿。
    空襲で家族やクラスメートを亡くす子供。
    我が子の顔を見る事なく、戦場で散る父親。
    抑留され、故郷への思いを鶴になぞらえる兵隊。
    すべてが悲劇である。
    戦争は、一度始まってしまうと、場所や立場など関係なく、悲劇をもたらすものだと言う事が、とても丁寧に書かれている。
    今こそ、すべての人が見るべき本ではないだろうか。
    そう感じました。

    0
    2014年07月03日
  • ごんぎつね

    Posted by ブクログ

    大学生の必読書というより、大学生になったとき、それまで読んでいたかどうかチェックの対象になる本だ。ごんぎつねはこんな悲しい物語だったとは知らなかった。小学生のときに読むのもいいだろうが、大学生になったとき、あるいは私みたいに60歳になったときに読むのもいいだろう。きっと。

    0
    2014年02月06日
  • ももの子たろう

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    自分が小さい頃に何度も繰り返して読んだ本。子供には最初、桃太郎としては違う絵本を読み聞かせていたけれど、お姫さまやたからものの扱い等ちょっとずつ違うところにどうしても違和感があり、実家にあったこの本を読み聞かせて落ち着きました;;
    たからものを持って帰ることについては色々な考えがあるあもしれないけど、私にとってはみんなで力を合わせて鬼退治をして、たからものも力を合わせて持って帰って、みんなで分けて楽しく終わるのは、とっても気持ちいい☆
    一ぱい食べれば一ぱいだけ、二はい食べれば二はいだけ、三ばい食べれば三ばいだけ、大きくなる。。。の個所や、鬼が島にそびえる大きな門など、子供のときに心に刻まれたこ

    0
    2011年10月09日
  • 算法少女

    Posted by ブクログ

    壺中の天。お酒を飲む楽しみという意味だけではなく、この世とは別世界のような楽しみを持つことを現す。和算が江戸の庶民に親しまれていたことがよくわかる。今でいうクイズのような感覚かもしれない。アハ体験を楽しんでいたのだろう。算数とか数学に目を向けてみたくなった。

    0
    2024年01月25日
  • 算法少女

    Posted by ブクログ

    かわいらしく、想像をふくらませる名タイトル!

    実在する「算法少女」という江戸時代の書物は、とある父と娘により書かれた和算(当時の日本の数学)の書。この「算法少女」に着想を得た著者による、同じ「算法少女」というタイトルをつけた少年少女むけの時代小説です。児童文学なのでとても読みやすく、学問に打ち込むことの豊かさを感じることが出来ます。

    個人的には、作中に出てくる数式で謎をとくような、数学ミステリ的からくりがあればさらにワクワクするストーリーになったかもと思いましたが、江戸人情にあふれているとてもいい物語です。江戸の町の楽しさだけでなく、宗派によって学問が分断されることや、育ち・身分で人間が分

    0
    2022年11月12日
  • 算法少女

    Posted by ブクログ

    この本を読んで、昔学んだ鶴亀算を思い出した。
    方程式で解くのとは違い、解答に至る考え方が独特な面白さで興味深かった思い出がある。
    考え方を学ぶという意味では、非効率な方法であっても今の小学生にもぜひ教えてもらいたいと思う。
    さて本書だが、実在の和算本を題材としているらしい。出てくる主要な登場人物も実在の人物のようだ。
    ストーリーはテンポの良い展開と多少のミステリ的要素を加えた物語で、和算に興味がなくても楽しめる小説。

    0
    2021年08月08日
  • 算法少女

    Posted by ブクログ

    壷中の天(こちゅうのてん)、いい言葉ですね。俗世間とは別世界を持っていた方が精神衛生上、健全な気がします。
    数学で才能ある少女の話で、家賃も払えなくなるほど数学の本を買ってしまうお父さんの話とか、πの求め方の話とか、才能あるのに屋敷に奉公に行きたがらない話とか、さらさら読めて、ちょっと面白かった。

    0
    2018年08月29日
  • おかあさんの木

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『だれをよんだって、助けてなんかくれんかった。「まって!」というても、まってはくれんかった。やさしい子だから、あばれんぼうだからって、にがしてはくれんかった。』
    等しく、誰もが、火の中を逃げ惑い、死んでいった。
    自分の皮膚が焦げていく。焼かれていく。いくつもの戦争の物語を読んだが、こんなにリアルなものはなかった気がする。
    (火のなかの声)

    『なにも、おまえたちのせいではないぞえ。日本じゅうの、とうさんやかあさんがよわかったんじゃ。みんなして、むすこをへいたいにはやられん、せんそうはいやだと、いっしょうけんめいいうておったら、こうはならんかったでなあ。』
    7人の息子を次々に兵隊に取られ、その代

    0
    2017年10月08日
  • 算法少女

    Posted by ブクログ

    ほのぼのする本。
    ファンの支えがあっての復刻、心にしみました。
    広い視野を持って、と優しく背中を押してくれます。

    0
    2016年06月06日
  • 算法少女

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    元々が1973年に発刊されたものとは思えないほど、読みやすくそして楽しめる小説でした。
    所々に和算の問題が差し込まれているものの嫌らしいほどでなく、計算が嫌い!という人でも気にせず読めると思います。
    行動力があり、そして算法が趣味となるほどの頭脳もあり、そんな主人公「あき」が終盤、競争相手の宇多と共に手まりをする姿には、本来の女の子としての姿が垣間見え、なんとなくホッとさせられました。
    現在私達が普通に計算方法を学べているのは幸せなことだなぁ...としみじみ思いました。

    0
    2016年02月11日
  • 算法少女

    Posted by ブクログ

    千葉あきという実在の女性が,このような本を出していたことに驚いた.江戸の町人文化は奥が深い.生き生きとしたあきの先生ぶりや,算法にかける意気込みなど,とても面白かった.

    0
    2015年11月08日
  • 算法少女

    Posted by ブクログ

    さらり と 読み通せる
    という要素は
    面白い小説の一つの条件です

    まだ 「算数」という言葉も「数学」という言葉も
    なかった「算法」の時代の息づかいが聞こえてくるようです

    四の五の難しい理屈をこねる前に
    物語の中にするりと入って
    「千葉あき」(主人公)さんを
    初めとする さまざまな登場人物と
    一緒に この時代の雰囲気を楽しむ
    それが この本の楽しみ方です

    0
    2014年12月16日
  • おかあさんの木

    Posted by ブクログ

    淡々とした語り口でありながら、握り潰すような強い悲しみが伝わってきます。
    たくさんの人に知ってもらいたい作品です。

    0
    2014年09月09日