遠藤寛子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
とても面白かった。でてくる人物がとても優しくて愛おしい。ひらがな表記がやや読みにくい(気にするほどではないけど。)のだけど、児童文学だったところから来るのだと思うと納得。
千葉あきの優しさや算法への想いが伝わって、ラストはなんだかうるっとくる。
江戸時代やもっと万葉の時代から九九などの算法は開かれていて、秘中の口伝みたいな形でしか伝えられず滅びたのは悲しい。しかし日本ならあるあるなのかもしれない。西洋技術に負けたとはいえ、昔の人はえらかった!と感じさせる生き方を伝えてくれる素晴らしい良書。たくさんの人に読んで欲しいので、あとがきの復刊までの道のりにも感激してしまった。 -
Posted by ブクログ
かわいらしく、想像をふくらませる名タイトル!
実在する「算法少女」という江戸時代の書物は、とある父と娘により書かれた和算(当時の日本の数学)の書。この「算法少女」に着想を得た著者による、同じ「算法少女」というタイトルをつけた少年少女むけの時代小説です。児童文学なのでとても読みやすく、学問に打ち込むことの豊かさを感じることが出来ます。
個人的には、作中に出てくる数式で謎をとくような、数学ミステリ的からくりがあればさらにワクワクするストーリーになったかもと思いましたが、江戸人情にあふれているとてもいい物語です。江戸の町の楽しさだけでなく、宗派によって学問が分断されることや、育ち・身分で人間が分