中川浩一のレビュー一覧
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031
中東という地域は、ある種の洗脳合戦ともいえる地だ
最初の出会いが、アラビア語とアラブ人であれば、イスラエルは敵だと洗脳されてしまう
逆に、イスラエルや、アメリカで中東との出会いがあれば、イスラエル建国と、パレ対な難民の発生はやむを得ない、となり、アラブ人は信頼できないと洗脳される
最初の出会いが、イラン人なら、イスラエル抹消の必要性について洗脳される
いったん洗脳されてしまうと、えらく感情的に中東を見てしまうことになる
036
アラファト議長が亡くなった2004意向は、ガザの統治のバランスが崩れ
2006年の選挙で、ハマスが与党として民主的に選出された
062
もしイスラエル、ラビン首相が暗殺されなければ
イスラエル右派にも左派にも影響力のあったラビン首相が生きていれば、パレスチナ独立国家が樹立されていたかもしれない
ラビン首相の暗殺の結果、翌年1996.5.イスラエル総選挙で、右派のネタニヤフ・リクード党投手が僅差で勝利
テロが発生すると、パレスチナとの和平ムードは一気にしぼんでいく
2023.11.現在、ネタニヤフが3たび、首相を勤めていることは歴史の必然だろうか
129
パレスチナ人のシンボル、アラファト
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オバマ大統領に打つ手なし
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トランプの大罪
オバマ大統領2期、2009-2017の後の
トランプ 2017-2021の中東政策は、サプライズの連続だった
2020.8.から始まった一連のアラブ諸国との国交正常化
トランプ選挙チームの調査では
キリスト教福音派が、後押ししたと考えられた
171
本来なら
1993オスロ合意で、クリントンが、ラビン首相とPLOアラファト議長の間を取り持って歴史的な和解を実現させた努力を、アメリカが再度すべきだったにもかかわらず、パレスチナを完全に置き去りにしたイスラエル・UAE合意を「歴史的」と自画自賛するトランプアホの姿勢は、アメリカの中東における地位を不安定化、不確実化させる恐れがあり、それは2023.10.7.ハマス攻撃で、現実となった
イスラエルにとっては、最大の脅威は、アラブ諸国ではなくなり、アラブ諸国にとっても、イランこそ、共通の敵となった中での合意形成だった。
173
トランプの最大の負の遺産は、パレスチナ問題の矮小化
トランプは、就任前から、イスラエルの米大使館をテルアビブから、エルサレムに移転させることを公言してきた
175
パレスチナ問題の本質を知らなかったトランプ
178
パレスチナが激怒したトランプの中東和平提案
パレスチナには様々な妥協を迫り、イスラエルに求めた譲歩はごくわずかだった
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2021.1.20.バイデン政権発足 外交政策の重心が中国を念頭にアジアに置かれ、中東地域への関心が薄かった
194
2022.7.13.-16. バイデンがイスラエル、パレスチナ、サウジアラビアを訪問した
トランプと比較しても、あまりにも遅い中東訪問だった -
Posted by ブクログ
アウトプット重視の言語学習の大切さが説かれていた。
自分が言いたいことを、まず日本語で考える。
それを外国語にして、何度も口に出して、練習する。
それも大きな声で。
そして、類義語、類義表現を豊かにしていく。
そのためのネタ帳を作る。
骨子はこんなところ。
伸び悩んでいる自分には、ああ、なるほど、と思うところがある。
一つだけ自分にとって意外だったのは、大きな声で口にすることの大切さだ。
コミュニケーションのために学ぶのなら、たしかに堂々と発話できなければ意味がない。
外国語学習法として参考になったけれど、政府の通訳者としての仕事のあれこれももっと知りたかった。
アラビア語と日本語の通訳がそれほどいないため、会談からレセプション、記者会見まで一人でこなさなければいけないこともあるという。
そういう、英語通訳とは違う事情は、きっとこの著者にしか書けないはず。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ著者は26年間外交官を務められ、その館にはイスラエル、ガザ、ワシントンD.C.といった主要な在外公館でご勤務された方だそうです。アラビア語に堪能なため、高官の通訳も務められていたとのこと。2020年の退職後はビジネスコンサルタントとして、発展の目まぐるしい中東のビジネス界に関わられています。
中東問題、いろいろありますが、どの章もとても具体的な情報が満載で、興味深かったです。
1. イスラエルから日本が学ぶべきこと
ストーリーテリング。
砂漠の地で淡水化技術、水再生技術を発展させて今日のビジネスチャンスにもつながる。
点滴灌漑技術を1965年に発明。作物育成に必要な量だけ水を届け、蒸発を抑制し水利用効率を上げる。水の成分の調整でき、塩害対策も。食料自給率90%。
出生率2.9 OECD内1位。女性が45歳まで、2人目の子を得るまでの期間、体外受精、不妊治療は無料。出産前有休3か月、後2か月半。
1. サウジアラビア
「ビジョン2030」。とても大胆な取り組みがどんどん進んでいるみたいです。その中核事業のひとつが、未来都市「NEOM」。経済特区であり、4つの地域からなるスマートシティ。ベルギー国土に匹敵する大きさ。
1. 日本のエネルギーの中東依存
そもそも私たちが中東について理解する重要性について、
2日本の中東への原油依存度が95%(2022年)。うち、サウジアラビア39%、UAE38%。
オイルショック以降、石油への依存は半減はしたものの、一次エネルギー自給率は13%にとどまります(2021年)。
- 1973年時、化石燃料(石炭石油)依存度は94%:石油75%、石炭17%
- 2022年度、化石燃料(石炭石油)依存度は83.5%(石油36%、石炭26%)。
東日本大震災時に11%あった原子力発電のエネルギーは、その後2.6%に。
私たちの生活がどの地域、どの国に依存しているかを知っておくのは本当に大事ですね。
1. イランとイスラエル
__事実上、イランとイスラエルは、相手を滅ぼすことを国家としての基本方針としている
イランとイスラエルは、代理勢力を通して戦いづつけてきた事実が示されています。
- レバノンのヒズボラ(レバノンのシーア派武装政治組織)を通して。この組織はとにかくイスラエルを目の敵にしているようで、政治組織としても近年野党で躍進しているそうです。
- イエメンのフーシ派を通して。ちなみに、この勢力は、アラブの春で退陣した大統領の後に、米国支持のハーディ副大統領が暫定大統領選で当選した後、連邦制移行を拒否し、反政府デモなどを起こし、現在もアメリカにテロ組織認定されているそうです。
- ガザのハマスを通して。1987年、PLOによるインティファーダ(ガザ地区での抵抗運動)時に誕生しています。こちらについてはさらに後の章で詳しく書かれています。
2024年4月、イランがイスラエルを直接攻撃をし、それは初の直接対決となった、とはどういう意味だったのか、少しわかりました。
まず4月1日、ダマスカスのイラン大使館にイスラエル軍によるとされる空爆 、
その後4月13日、報復としてイランが本土からイスラエルに向けた攻撃を開始 。
イスラエルは99%を撃墜したと発表。
これらの出来事について、著者は、双方の戦闘能力と意志が示された、と言います。
- イラン:精度の高い長距離攻撃
- イスラエル:ミサイル迎撃能力
日本としては、イランがホルムズ海峡を封鎖すれば、日本への原油ルートが遮断され、中東に大きく依存している電力が危ぶまれる。それ以上に、当該国の人々にとって何を意味するのかを理解することなしに、解決について議論はできないなーと。
1. ハマスとイスラエル
4回の中東戦争について説明されています。
どういう対立だったのか、その結果、どうなったのか。
1. アメリカ
来年からトランプ政権に戻りますが、
近年のアメリカの政権の中東政策の特徴が論じられ、バイデン政権については低め評価です。
オバマ政権はイスラエル入植に反対の姿勢を打ちだすと、米・イスラエル関係は史上最悪に。2016年のUNSCの入植非難決議案では棄権し、採択される。
トランプ政権は、ユダヤ人国家の認定を支持、2018年には米国大使館をエルサレムに移転。
バイデン政権は、無関心。2021年8月にアフガニスタン撤退。2022年2月のウクライナ侵攻、その他気候変動重視策で、エネルギー安全保障が危ぶまれ、脱・中東路線はとん挫。就任1年半後の2022年7月に初めて中東訪問。
前の章ではイランとの核合意の流れにも触れられています。
1. 日本
日本のパレスチナ支援は年間1億ドル以上であり、
平和と繁栄の回廊、ジェリコ農産加工団地事業などが紹介されています。
2017‐19年の間に6回中東訪問した河野外相と
湾岸協力理事会(GCC)の全6か国を訪問し、41年ぶり革命後初にイランを訪問した安倍首相を評価する一方、
就任後2023年7月になってやっと中東訪問(サウジ、カタール、UAE)した岸田首相については低評価でした。
また、ハマスの攻撃をめぐっては、欧米に追従するような日本の意思表示の在り方も批判気味です。
一国のリーダーによって各国各地域への政策は大きく揺さぶられるのだなーと、国際秩序の不安定さを実感しつつ、それは柔軟性として一つの可能性でもなるのでしょうか。
知識を皆で補い合ってよりよい対応を実現できたら本当にいいなーと思いました。 -
Posted by ブクログ
中川浩一さんは、アラファト議長の通訳も務めたこともある外交官。議長と身近に接して「時には優しいおじいさんの顔になる」とも書かれている。気持ちはパレスチナ人、ガザの難民に寄り添って書かれた本。
「優しい日本人が気づかない残酷な世界の本音」(これもオーディブル)という本で、川口マーン恵美さんは、「バイデンがトランプ路線を引き継いでいればパレスチナ問題も解決へ向かったいた」と書いていたが、中川浩一さんの話を聞けば、イスラエルはともかく、パレスチナ側はとてもではないが納得できないことを知ることができた。
パレスチナ人への熱量と同じくらいの熱量でイスラエルン人の心境が書いてあると、もっと理解が深まったかも。イスラエルがハマスと戦うのは理解できるが、あそこまでの苛烈さで、子供たちまで攻撃するイスラエルの状況も教えてほしかった。 -
Posted by ブクログ
中川浩一(1969年~)氏は、慶大商学部卒、エジプトでのアラビア語研修を経て、在イスラエル大使館、対パレスチナ日本政府代表事務所、外務省条約局、外務省中東アフリカ局の勤務、在米国大使館、在エジプト大使館の一等書記官、総合外交政策局、大臣官房の首席事務官、国際協力局交渉官を務めた外交官で、2020年より三菱総研主席研究員・チーフコンサルタント。外交官時代には、天皇陛下、総理大臣、外務大臣の政府公式アラビア語通訳官を務めた。
本書は、1995~98年のアラビア語研修時代から20余年に亘り、外交官として、ほぼ一貫してパレスチナ問題に関わってきた著者が、同問題の紆余曲折を、振り返ったものである。執筆・出版のきっかけは、勿論、昨年10月のハマスによるイスラエル急襲に端を発した両者の戦闘であるが、内容は、イスラエル、パレスチナ、米国、アラブ諸国ほかの国々の、内外の交渉や出来事の詳細を、ほぼ時系列に記録したものとなっており、若干の注意が必要である。
私は一般の会社員だが、暫く前(トランプが、在イスラエル米国大使館をエルサレムに移すと発表した頃)に1週間、プライベートでエルサレムに滞在し、公共のバスを使ってベツレヘムやラマッラー(本書にも何度も出てくる、故アラファト議長府の置かれた街)ほかのヨルダン川西岸地区にも足を伸ばしてきた。訪問した理由は、それまで長年、海外駐在経験を含めて、国際情勢に強い関心を持ってきた中で、エルサレムこそが世界の縮図であり、パレスチナ問題こそが世界の問題の象徴であることに思い至り、自分の眼で見、肌で感じる必要があると思ったからである。当時は、エルサレムの街角にマシンガンを持ったイスラエル兵が多数立ってはいたものの、民族間での小競り合いすら見ることはなく、ヨルダン川西岸地区も含めて、(少なくとも表面上は)穏やかであったし、それは、民族間の複雑な感情はありながらも、平和な日々を過ごしたいという人々の思いがそれを上回っているからだろうと感じたものだ。しかし、一方で、ユダヤ人が多く住むエルサレム新市街と、パレスチナ人が多く住む東エルサレムの街並みには、貧富の差が歴然としてあったし、パレスチナ地域に作られたイスラエルの入植地を目にすることもあり、複雑な感情を持ったのも事実で、パレスチナ問題に対する国際的な関心が薄れる中で、「それでも、パレスチナ(問題)はここに存在する!」と強く感じたことを思い出す。
そして今回のことが起こった。。。国連のグテーレス事務総長は、「ハマスによる攻撃は他と無関係で起こったのではないことを認識することも重要だ。パレスチナの人々は56年にわたり、息の詰まるような占領を受けてきた」「(パレスチナの人々は)自分たちの土地が入植によって着実に侵食され、暴力に苦しめられるのを見てきた」と述べて、一部から非難を受けたが、グテーレス氏が言わんとしたことは、私には十分理解ができる。また、パレスチナ問題に深く関わってきた著者も、基本的には近いスタンスであると思われる。
本書のレビューではなくなってしまったが、この問題の最近の経緯を詳しく知りたい向きには、本書は意味のある一冊といえるだろう。(但し、パレスチナ問題に関する基本的なことや、パレスチナの様子、そこに生きる人々の思い等が知りたい人には、他に適当な本がたくさん出ているので、そちらをお勧めする)
(2024年1月了)