【感想・ネタバレ】ガザ 日本人外交官が見たイスラエルとパレスチナのレビュー

あらすじ

ハマスとイスラエルの衝突で世界は混乱、いまだ和平の糸口は見えない。パレスチナとイスラエルはなぜ憎しみあい、殺しあうのか? パレスチナ人が70年も難民として生きる不条理を、なぜ国際社会は解決できないのか? ガザ、イスラエルに駐在し、PLOアラファト議長の通訳も務めた外交官が目撃した、この世の地獄とは? オスロ合意、キャンプ・デービッド・サミットの裏側、アラブ人とユダヤ人の本音、歴代アメリカ大統領の計算、難民キャンプの実情など、日本人が知らない、ガザとガザをめぐる歴史のすべてがわかる本。

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Posted by ブクログ

去年(2023年)10月7日の出来事まで、パレスチナのことをしっかり知らないでいたことを痛切に感じていたので、書店の平積みになっていたこの本を手始めに読んでみました。

本当に何も知らなかったんだな。

もっと知りたい。今ぼくにできることはそれしかないんだということを思い知らされました。

もっと読みたい。もっと知りたいです。

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2024年02月20日

Posted by ブクログ

031
中東という地域は、ある種の洗脳合戦ともいえる地だ

最初の出会いが、アラビア語とアラブ人であれば、イスラエルは敵だと洗脳されてしまう

逆に、イスラエルや、アメリカで中東との出会いがあれば、イスラエル建国と、パレ対な難民の発生はやむを得ない、となり、アラブ人は信頼できないと洗脳される

最初の出会いが、イラン人なら、イスラエル抹消の必要性について洗脳される

いったん洗脳されてしまうと、えらく感情的に中東を見てしまうことになる


036
アラファト議長が亡くなった2004意向は、ガザの統治のバランスが崩れ
2006年の選挙で、ハマスが与党として民主的に選出された

062
もしイスラエル、ラビン首相が暗殺されなければ

イスラエル右派にも左派にも影響力のあったラビン首相が生きていれば、パレスチナ独立国家が樹立されていたかもしれない

ラビン首相の暗殺の結果、翌年1996.5.イスラエル総選挙で、右派のネタニヤフ・リクード党投手が僅差で勝利
テロが発生すると、パレスチナとの和平ムードは一気にしぼんでいく

2023.11.現在、ネタニヤフが3たび、首相を勤めていることは歴史の必然だろうか

129
パレスチナ人のシンボル、アラファト

160
オバマ大統領に打つ手なし

165
トランプの大罪
オバマ大統領2期、2009-2017の後の
トランプ 2017-2021の中東政策は、サプライズの連続だった

2020.8.から始まった一連のアラブ諸国との国交正常化
トランプ選挙チームの調査では
キリスト教福音派が、後押ししたと考えられた

171
本来なら
1993オスロ合意で、クリントンが、ラビン首相とPLOアラファト議長の間を取り持って歴史的な和解を実現させた努力を、アメリカが再度すべきだったにもかかわらず、パレスチナを完全に置き去りにしたイスラエル・UAE合意を「歴史的」と自画自賛するトランプアホの姿勢は、アメリカの中東における地位を不安定化、不確実化させる恐れがあり、それは2023.10.7.ハマス攻撃で、現実となった

イスラエルにとっては、最大の脅威は、アラブ諸国ではなくなり、アラブ諸国にとっても、イランこそ、共通の敵となった中での合意形成だった。

173
トランプの最大の負の遺産は、パレスチナ問題の矮小化

トランプは、就任前から、イスラエルの米大使館をテルアビブから、エルサレムに移転させることを公言してきた

175
パレスチナ問題の本質を知らなかったトランプ

178
パレスチナが激怒したトランプの中東和平提案

パレスチナには様々な妥協を迫り、イスラエルに求めた譲歩はごくわずかだった

184
2021.1.20.バイデン政権発足 外交政策の重心が中国を念頭にアジアに置かれ、中東地域への関心が薄かった

194
2022.7.13.-16. バイデンがイスラエル、パレスチナ、サウジアラビアを訪問した
トランプと比較しても、あまりにも遅い中東訪問だった

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2024年11月08日

Posted by ブクログ

外交官からの視点がリアルに物語るその場その場の緊迫感や臨場感。
パレスチナ問題という漠然とした知識があったとしてもガザのことはあまりに知られなさ過ぎている。
今回のハマスによるイスラエル攻撃から始まった報復戦。周辺諸国、欧米の対応への著者の憤りを強く感じる。

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2024年03月23日

Posted by ブクログ

オスロ合意を前後して、当時の日本人外交官としてパレスチナおよびイスラエルで活動した著者が直接体験したイスラエル/パレスチナ論。冒頭に記されている「イスラエル、パレスチナのどちらに同情するにせよ、どちらか一方のみが悪いとする意見はあらゆる意味で間違い」ということ場が印象的。解決がゆるされないようながんじがらめな歴史の中で、平和とは何かを考えざるを得ない。
しかしこれが歴史、これが世界、これが人間。

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2025年08月23日

Posted by ブクログ

中川浩一さんは、アラファト議長の通訳も務めたこともある外交官。議長と身近に接して「時には優しいおじいさんの顔になる」とも書かれている。気持ちはパレスチナ人、ガザの難民に寄り添って書かれた本。

「優しい日本人が気づかない残酷な世界の本音」(これもオーディブル)という本で、川口マーン恵美さんは、「バイデンがトランプ路線を引き継いでいればパレスチナ問題も解決へ向かったいた」と書いていたが、中川浩一さんの話を聞けば、イスラエルはともかく、パレスチナ側はとてもではないが納得できないことを知ることができた。

パレスチナ人への熱量と同じくらいの熱量でイスラエルン人の心境が書いてあると、もっと理解が深まったかも。イスラエルがハマスと戦うのは理解できるが、あそこまでの苛烈さで、子供たちまで攻撃するイスラエルの状況も教えてほしかった。

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2024年08月27日

Posted by ブクログ

現状を理解する上で知識を付けたいと思い、読んでみた。

正直、イスラエルとガザの問題は自分の中で全然知識が無く、本書を読むことでイスラエル、パレスチナに留まらず、アメリカや他のアラブ諸国なども入ったかなり複雑な問題だということは、知ることができた。著者も言うように、これだけの歴史を踏まえるとどちらか一方が悪いとは、とても言えない。

この本で得た知識で早速本件に関するニュースの解像度は高まったと感じるので、引き続き動向を追っていきたい。

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2024年02月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

国際問題は前後の背景や経緯、他国の事情を加味して考える必要があることを心底痛感。

単なる領土の問題ではなく、ガザ地区の難民問題が大きい。イェルサレム等の土地は宗教的に、精神的にも大きいけれど、実生活の問題はガザ。

ユダヤ人のホロコーストというトラウマ

イギリスによる三昧舌の契約によるキッカケ

アメリカの介入。クリントンの介入。
だが、両者が納得しないといけない問題。

「宗教の問題」か?
イギリスによるキッカケと民衆発起。大統領ではなく。民衆の怒り、不満、憎悪、経済格差の結果

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2024年01月27日

Posted by ブクログ

中川浩一(1969年~)氏は、慶大商学部卒、エジプトでのアラビア語研修を経て、在イスラエル大使館、対パレスチナ日本政府代表事務所、外務省条約局、外務省中東アフリカ局の勤務、在米国大使館、在エジプト大使館の一等書記官、総合外交政策局、大臣官房の首席事務官、国際協力局交渉官を務めた外交官で、2020年より三菱総研主席研究員・チーフコンサルタント。外交官時代には、天皇陛下、総理大臣、外務大臣の政府公式アラビア語通訳官を務めた。
本書は、1995~98年のアラビア語研修時代から20余年に亘り、外交官として、ほぼ一貫してパレスチナ問題に関わってきた著者が、同問題の紆余曲折を、振り返ったものである。執筆・出版のきっかけは、勿論、昨年10月のハマスによるイスラエル急襲に端を発した両者の戦闘であるが、内容は、イスラエル、パレスチナ、米国、アラブ諸国ほかの国々の、内外の交渉や出来事の詳細を、ほぼ時系列に記録したものとなっており、若干の注意が必要である。
私は一般の会社員だが、暫く前(トランプが、在イスラエル米国大使館をエルサレムに移すと発表した頃)に1週間、プライベートでエルサレムに滞在し、公共のバスを使ってベツレヘムやラマッラー(本書にも何度も出てくる、故アラファト議長府の置かれた街)ほかのヨルダン川西岸地区にも足を伸ばしてきた。訪問した理由は、それまで長年、海外駐在経験を含めて、国際情勢に強い関心を持ってきた中で、エルサレムこそが世界の縮図であり、パレスチナ問題こそが世界の問題の象徴であることに思い至り、自分の眼で見、肌で感じる必要があると思ったからである。当時は、エルサレムの街角にマシンガンを持ったイスラエル兵が多数立ってはいたものの、民族間での小競り合いすら見ることはなく、ヨルダン川西岸地区も含めて、(少なくとも表面上は)穏やかであったし、それは、民族間の複雑な感情はありながらも、平和な日々を過ごしたいという人々の思いがそれを上回っているからだろうと感じたものだ。しかし、一方で、ユダヤ人が多く住むエルサレム新市街と、パレスチナ人が多く住む東エルサレムの街並みには、貧富の差が歴然としてあったし、パレスチナ地域に作られたイスラエルの入植地を目にすることもあり、複雑な感情を持ったのも事実で、パレスチナ問題に対する国際的な関心が薄れる中で、「それでも、パレスチナ(問題)はここに存在する!」と強く感じたことを思い出す。
そして今回のことが起こった。。。国連のグテーレス事務総長は、「ハマスによる攻撃は他と無関係で起こったのではないことを認識することも重要だ。パレスチナの人々は56年にわたり、息の詰まるような占領を受けてきた」「(パレスチナの人々は)自分たちの土地が入植によって着実に侵食され、暴力に苦しめられるのを見てきた」と述べて、一部から非難を受けたが、グテーレス氏が言わんとしたことは、私には十分理解ができる。また、パレスチナ問題に深く関わってきた著者も、基本的には近いスタンスであると思われる。
本書のレビューではなくなってしまったが、この問題の最近の経緯を詳しく知りたい向きには、本書は意味のある一冊といえるだろう。(但し、パレスチナ問題に関する基本的なことや、パレスチナの様子、そこに生きる人々の思い等が知りたい人には、他に適当な本がたくさん出ているので、そちらをお勧めする)
(2024年1月了)

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2024年01月09日

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