鳴沢真也のレビュー一覧
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連星、その名の通り連なった星(恒星)のことです。
連星を研究することにより様々なことが分かってきており、今まで理論上言われていたこと(アインシュタインの予測も含む)が、測定によって2017年8月17日(なぜこの日なのかは本文へ)に確かめられた。
北極星って、3重連星なんですって。シリウス、アンタレス、スピカ、リゲル(オリオン座の一番明るいやつ)も、皆、連星です。ほー。
日頃の生活にまったく役に立たないですが、超新星爆発、ドップラー効果、赤方偏移など、宇宙関連ワードには、なんとなくロマンを感じます。
ブルーバックスらしい、専門的な内容を高校卒業レベルにかみ砕いて解説した良書だと思いました。 -
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「連星」をテーマに、連星そして宇宙の成立を語る一冊。
「連星」と聞くと、なんとなくSFに出てくる珍しい星、的なイメージを持ちがちなんだけど、「恒星の半数は連星(p.5)」ととてもありがちな存在。
そして、光では見えない中性子星やブラックホールが連星を構成している例もあり、それが元素(特に重い元素)の形成にかかわっていたりもするのだとか。
宇宙のいろんな星や、物理・化学のいろんな知識が、「連星」についての知識と様々な形でつながっているらしい。それはとても興味深かった。
周期的な変化を起こす、そこから見えてくるものも多いらしい。
連星系の観測手法が、最近はやりの系外惑星(太陽系以外の惑星)観測 -
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今年出版されたばかりで、最新の研究成果に基づいて珍妙な星を10個紹介している。
章が進むにつれて文章のテンションが上がって行くのが面白い。実際に星空を見上げながらの星座解説(天然プラネタリウム、略して「天プラ」)をなさっているとのことで、非常にわかりやすい説明になっている。
それぞれの星の正体が判明していく過程も紹介されているのだが、何かというと「地球外生命体説」が登場して(は否定されて)いるというのも面白い。
第5章で触れられているいっかくじゅう座V838について、恒星同士の衝突という説があり、現時点ではまだ否定されていないというのが驚き。
星空では密集しているように見える恒星も、宇宙空間 -
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兵庫県立大学西はりま天文台天文科学専門員による一冊。
宇宙の仕組みの説明から始まり、自らの宇宙に対する興味の始発点、完璧を求め過ぎて不登校となった少年時代のこと、夢を諦められず進んだこと、そして夢が叶い憧れの仕事に就いたことが、子どもたちに語られるように書かれています。夢を持つこと夢を追いかけること夢を叶えることが順を追って書かれることによって、読み手の心も膨らみます。
後半は、地球以外に知的生命体がいるかどうかを観測するプロジェクトについて語られます。観測方法の説明から、日本そして地球規模のプロジェクトが動き出す様子が克明に書かれ、プロジェクトの行方を息を飲むように見守ります。ここでもプロジ -
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面白かった。同じ著者の青少年向け書籍である『ぼくが宇宙人を探す理由』にくらべると、相当専門的につっこんで書いてあるので、全部を理解したとは言いがたいのだけれど、「むずかしいな」と感じるとすぐ補足説明が入るし、これはぜったいわからない、というところには「ここはわからなくても大丈夫」とさりげなくフォローが入っているし、人物や事物の固有名詞にはちゃんと前に出てきたページのクロスレファレンスが入っているし、とにかく親切に書かれているので、一度も置き去りにならずに最後まで楽しく読むことができた。やはり高校の先生をしていたという著者の経歴も大きいだろうし、編集者のサポートも当然あっただろうし、なによりも、
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兵庫県にある西はりま天文台に勤務する著者が、SETI(地球外知的生命探査):にたずさわっていき、SETIすなわち「オズマ計画」誕生から50周年の2010年に、みずからがプロジェクトリーダーとなって「ドロシー計画」を立ち上げ、実行するまでの物語。
少年時代の夢、挫折、不登校からひきこもりをへて、22歳でようやく大学に合格し、教師をへて天文台職員になった著者。まわり道はしないにこしたことがないけれど、そうなったらしかたがない。あせらないでほしい、という語りかけにじんときた。
そしてドロシー計画。うっすらとは知っていたけれど、要するに世界のいろんな天文台で同時に電波を観測するんでしょ、というぐら -
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SE T I (ドロシー計画)のプロジェクトリーダーを務める筆者。宇宙大好きな私は、この本の表紙からワクワクして読みました。
お子さんも読める優しい語り口調の文体でとても読みやすい。不登校だった事、理科の先生から天文台で働き出した事、世界の研究者のリーダーになった事。
「人生は色々、夢は諦めないで。好きなことを続けたら楽しいことにつながったよ」って言われている様な応援してもらえる一冊。
さて、宇宙人を探すSETIプロジェクト、宇宙人はいるのでしょうか?
つい結果を求めてしまう私たちですが、結果の他に大事なことがある事を教えてもらえる、大人にも読んでもらいたい一冊。 -
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私たちの太陽って、多くの恒星と比べると平均的なんだそうです。
この本は、そんな「平均」から大きく外れた規格外の「へんな星」を紹介した本です。
地球から見ると一つにしか見えない星も、調べると連星って言う、星が2つ3つと重力的に結びついて回転している星もいっぱいあるそうで。へぇ~~って思いました。
この本で紹介されていた星でいちばん気になったのはミラ。驚き、という意味の命名も含めて。きっとその当時はすごい驚きを持って観察・観測されたんだろうな、と思いました。
この本を読んで、本の内容とは直接関係ないですが、宇宙の歴史(=100億年以上!)から考えたら、私たち人間(地球人)の一生(=長くて100 -
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連星(二重星)を切り口に
●連星は割とよくある
じつは全天の肉眼で見える星の11パーセントが二重星か、3つ以上の星が近寄っているのです。ただし、二重星のペアの間隔はさまざまです。ほとんどくっつくように見えるものもありますし、もっとも美しい二重星といわれる「アルビレオ(はくちょう座ベータ(β)星)」のように35秒角もあいているものは、けっこう離れている例です。
●宇宙初期の星形成
宇宙の初期に誕生した星(第一世代の星)は、質量が大きい(100太陽質量くらい)という特徴を持つと考えられています。こうした星は、一生の最後に「重力崩壊型」の超新星爆発を起こします。鉄より重い元素はこの爆発の時に -
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著者は幼い頃から宇宙少年。
地球外知的生命体を本気で探す世界的プロジェクト(SETI)のリーダーになるのですが、プロジェクトは「だいじょうぶかな」と思うことの連続。手に汗握る展開でした。そもそも世界中の天文学者が宇宙人を本気で探していることに驚きましたが、この本で一番の魅力は、著者が若者に向けて語る言葉の数々かな、と思います。
著者は宇宙少年のまま順調に大人になって夢をかなえたわけではありません。ひきこもりや挫折の末、それでも天文の研究を諦めきれずに再挑戦をして、天文の仕事についています。それだけに、言葉に切実さがあり、また、挫折を乗り越えて夢を実現していく姿に勇気をもらえると思います。