青山潤のレビュー一覧
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ネタバレ会社の方に勧められて読んだ本でしたが、想像以上に面白かったです。
日本人には馴染みの深いウナギの生態を解明するために、東京大学海洋研究所の3人がアフリカにまで出向き、アフリカのウナギであるラビアータを探す旅に出る。
本当に、現実にこんなことをしていたのかと言うぐらい無茶苦茶な3人の旅。教授は先に、日本に帰国するのだけど。それでも、マラリアにやられたり、気温50度の中で必死にウナギを探したり。知らずに地雷原に足を踏み入れたり...
結局、2か月の間にアフリカの六カ国を渡り歩くことになるのだけど、アフリカの生活や風土なんかも、手に取る様に分かり楽しく読めました。
アフリカには行ったことはあり -
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世界に18種類いるといわれるウナギ、東京大学海洋研究所にとって18番目となる、「ラビアータ」のアフリカ採取ツアーの記録である。あの辺境作家の高野秀行氏もショックを受けるほどの危険な旅なのだ。
前半は研究者3名によるドタバタ喜劇的な珍道中となっているが、メンバーの一人である塚本教授帰国後に最初のラビアータが発見されてからは、意外にも精神的に追い詰められる展開となる。
以前に塚本教授の別の著書を読んだ時、地道な研究過程に対しては素晴しいと思いながらも、上手く表現できないがウナギ研究そのものについて、何か釈然としない感情が残った記憶があった。実は著者の青山氏も当初同じような感情を抱いていたようだ -
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天下の東大研究員2人が、研究対象であるウナギを探しに、アフリカを奔走する話。著者の文章は、読者の想像力に訴える面白さだ。その光景を想像すると、あまりのアンバランスさについ噴出してしまう感じ。面白い箇所がたくさんたくさんあった。
はじめはプラス先生の3人で旅をするのだけれど、
その先生が本当にすばらしい。いい年したおじさんのくせに、安宿での生活をものともせず、汚れたトイレやろくに水のでないシャワーを平然と使う。屋台では麦わら帽子を購入し、そのいでたちはもはやヒッピー!?
好奇心、探究心、信念と、少しの“おとぼけ”でできたように見えるこの先生の姿は、とてもかっこよく見えた。
先生の帰国後は、し -
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ぼくは研究者というものをほとんど知らない。知っているのは研究者という名称から連想できる、何かの研究を白衣を着て研究室で、ぐらいなものだ。サンプリングなんて優雅なものだと思っていた。著者のサンプリングは過酷だ。かなり上級者だ。勉強だけできればいいと思っていたが、おそらくそれでは自然界で淘汰されるだろう。間違いなく彼らはプロフェッショナルだと思う。ウナギの生態というのもなかなか興味深いものだと感じた。なぜそんな過酷な生き方を選んだのだろうか。確かに謎である。また、ウナギの稚魚が見たことないからウナギは泥から生まれるんだ、という発想もさることながら、稚魚がいないことに気づいた着眼点も普通でないだろう
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東大の「うなぎ」研究者が、調査のためにアフリカへ。。その様子を記したノンフィクションストーリー。著者は実際調査を経験した准教授。
筆致が軽妙で読みやすくて、おもしろい。冒険ものとして読み始めたが、最後のほうでは、その領域を超えている感があった。それは、この物語は研究者たちが「新たな発見をしたい」という好奇心による行動の積み重ねが、結果として冒険記になっているからかもしれない。それにしてもタフだと思った。単に好奇心とかでこんなことはできないんじゃないか。。と思うくらい。
ふと科学とか技術の発展とは、この物語に出てくるようなタフで熱い人がいないと成り立たないんだろうなと思ったりもした。
書評は高野 -
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東京大学海洋研究所でウナギの研究に携わる著者が、幻のウナギ「ラビアータ」を求めて、アフリカのマラウィ、モザンビーク、そしてジンバブエを駆け巡り、ついにラビアータの採取に成功するまでの調査旅行を描いた紀行文なのだが、これが大学の機関が行う調査旅行などという枠組みを思いっきり超えた、バックパッカーも真っ青の冒険旅行なのである。冒頭からして、いきなり、現地の男が集団リンチされる場面から始まるが、それ以降も日本の常識が全く通用しない極限状況でウナギを探す毎日。その冒険譚は非常に面白い。ただ、もともとアフリカの調査をしに行ったわけでもなんでもないので当たり前なのだが、現地の文化や人々の描写には物足りなさ
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ネタバレウナギの研究者によるアフリカ探訪記。
そこそこ面白いし、旅の移動や宿の酷さについては自分たちのようなNGOスタッフをさえ遥かに凌駕していて、その辺は辛いだろうなぁ気の毒だなぁとは思うのだが、イマイチ同じ視点というか、身内という感じで読むことができなかった。序盤から中盤にかけての、現地の人をコケにしているかのような言葉遣いのせいなのかもしれず、実際にそういった言葉を吐いていたということを正直に書いていることについては評価できるのかもしれんけど、かといって好感は持てんなぁ、という印象でした。本の裏表紙の煽り文句の「爆笑アフリカ冒険記」という言葉に負けてしまった感じですかね。
結果的に、この本に収 -
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ついに絶滅危惧種に指定されたニホンウナギ。おいしいけどもう食べない方がいいのでは?
たまたま見た放送大学でウナギのコースを青山先生が講義されてました。本の印象とはまったく別の硬い感じの風貌で、「パンダを食べるようなものです」といっておりました。
本当に、文化だからと絶滅させてもいいのかとも思ってしまいます。
本の中ではウナギは研究対象物として扱われており、地獄におちた研究員の姿を強調してます。笑
知るためとは言え、人でなしなこと結構やってますね~。
あとがきで知ったのですが、東大の塚本研究室も終焉を迎えたのだとか・・・
これから、どのような活躍されるのでしょうか。新たな挑戦楽しみです。 -
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学生時代鰻屋でアルバイトしていたことがあるからか、
いしいしんじの『ポーの話』に感銘を受けたからか、
ウナギってなんだか親しみと共にロマンを感じる存在です。
なので「ウナギの産卵場所が特定された」というニュースに触れた時も、ひとり静かに感動していました。
この世界的偉業を成し遂げた東京大学海洋研究所の「ウナギグループ」が、ウナギの標本採集のためアフリカくんだりまで行って繰り広げる冒険記。
「にょろり旅」という語感からは想像しがたい、常に(命の)危険と隣り合わせの旅。
趣味や遊びではなく「ウナギの類縁系統関係の解明」という使命を負った旅。
こんな場所があるんだなーと遠い灼熱の大陸に思いを馳 -
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ネタバレ東大海洋研の著者と、教授の塚本さん、そして助手の渡邉俊さんの三人による、
アフリカでウナギを探し求める旅の、過酷なのに笑えてしまう手記です。
「ウナギの研究なんて、人の役に立たないじゃないか」という著者の煩悶。
その答えを塚本教授の講演会を訪れた一般の人たちの反応に見つけ出すところから、
この本の、おもしろおかしくアホでありながらも輝きを持つ力をわかりやすく
感じさせるようになっているように思いました。
一般の人たちの反応をみながら、著者の青山さんは、知的好奇心は心の栄養だと
悟るのです。これは、解説にも繰り返し書かれていたので、そうだなぁと
改めて感じたところでもあります。
しかし、ほん -
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世界で初めてニホンウナギの産卵場をほぼ特定した東京大学海洋研究所「ウナギグループ」の一員である著者が、アフリカに生息する珍ウナギ「ラビアータ」を捕獲しに行くノンフィクション。
千葉を中心とした酒好き本好きの書店員が集まって決める「酒飲み書店員大賞」の第7回大賞受賞作ということで、否が応にも期待が高まる。
が。テンポがあまり良くないというか、ぶっ飛んだ行動の割に文章が冷めている(生真面目?)というか……面白くないわけではないのに、何か物足りなくてもったいない。
ついでに言うなら、表紙のイラストももう少しどうにかならないものか。
巻末の書評が、辺境探検家・高野秀行というところは納得。重みのあ -
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高野秀行の『辺境中毒!』に収録されていた本書の解説を読んで購入。探検と言うより『地球の歩き方』上級編といったところか。過酷な環境には違いないが行く先々に青年海外協力隊員や欧米人が住んでいる。著者は東大海洋研の研究者。この本のユニークさは旅の目的で、ウナギ全十八種類中、唯一サンプルが確保できていない熱帯種を求めて、灼熱の大陸を駆け巡る。その調査法たるや、行き当たりばったりで適当に地域を決め、現地語でウナギ、ウナギと叫びながら聞き回るだけ。面白いがちょっと力が入り過ぎ。高野氏の脱力技を覚えたら一皮剥けるかも。
アフリカにょろり旅 >> 4月は冒険・探検強化月間。『ロスト・シティZ~ -
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うなぎ。
昔から親しまれていたにも関わらず、生態は謎に包まれているようで。
うなぎの卵や稚魚が全く見つからないことから、江戸時代には
山芋がうなぎに化けるなんていう説もあったそうです。
近年の研究で「新月の夜にマリアナの海山で産卵」され、
そこから遠く離れた日本の河川まで回遊していることが
ほぼ明らかになったそうです。
その研究室の学者さんが唯一採集されていない「ラビアータ」
という種のうなぎを求めて、これも遠く離れたアフリカ、
マラウィ・ジンバブエ・モザンビークを訪ねる紀行文。
学者さんなのに、やたらとタフな人のようで、
バックパッカーも泣き出すような過酷な環境・出来事を
妙に自然体で