あらすじ
世界で初めてニホンウナギの産卵場所を特定した東京大学海洋研究所の「ウナギグループ」。今回の目標は、全18種類のウナギのうち、唯一まだ採集されていない「ラビアータ」を見つけることだった。過酷な状況下、幻のウナギを求めて、2人の研究者が繰り広げる爆笑アフリカ冒険記。第23回 講談社エッセイ賞受賞作!
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素晴らしい作品です
筆者の方の文章には何か人を惹き込む素晴らしい
力があります。この作品を読んで人生には冒険が必要だと心から共感できました
Posted by ブクログ
○水産分野の研究者で、(当時)うなぎの調査研究を行っていた青山氏の作品。
○アフリカの一部に生息する「うなぎ」を入手するために、悪戦苦闘した日々を綴った作品。
○旅行記としても読み物としても純粋に面白い。特に、うなぎの生態については、全く知らなかったので、これほどまでに奥深いとは・・・・
Posted by ブクログ
面白かった!まぁ、途上国、それもアフリカとくればそこでの旅はいやでも面白くなるとは思うけどね。
それにしても、学術研究のフィールドワークって本当に大変なのね。もっと、環境をしっかり整えてやるのかと思っていたけど、これじゃバックパッカーより酷いよね。それに、気楽なバックパッカーと違って目的を達成しなければ帰れないというプレッシャー!そりゃ病気にもなるわな。
こんな地道と言うか、地を這うような努力のもとに研究って成り立つんだね。まさにプロの根性を見ました。
命がけの挑戦
モンキーベイ
水!汝、尊きものよ
シレ川のンコンガ
ムリバンジ!野良象
テテ回廊に地獄を見た!
カボラバサの嘘つき日本人
地獄からの生還
ロワーシレの消耗戦
懲りない男たちに女神は微笑む
待ちぼうけ地獄
旅はまだ続く!
第23回講談社エッセイ賞
著者:青山潤(1967-、横浜市、海洋生物学)
あとがき:渡邊俊
解説:高野秀行(1966-、八王子市、ノンフィクション作家)
Posted by ブクログ
著者は東大海洋研のウナギ研究者。にょろりとはウナギの事です。
世界で18種類いるウナギで、唯一標本採集されていない幻のウナギを求めて、バックパッカースタイルでマラウィ、モザンビーク、ジンバブエをさ迷い歩く。客観的に見て相当危ないだろうという状況あるも、なんだか妙に笑える不思議な本。
Posted by ブクログ
にょろり旅。そう、研究のためアフリカへウナギを捕獲する旅に出るという話。
こちらエッセイなので、マジな話ですぞ!!!
というところで読む方も自然と盛り上がっちゃいました。
だってね、状況は常にギリギリなんです。
これ、あたしだったらムリと絶叫する場面続出。
トイレ事情も食事事情もなかなかにして過酷。
誰だよウ*コを流してないの!
だって、水がないもん
てな感じなんですもん。
食堂での食事に縮れ毛混入!?
食堂のおばさん
「そりゃヤギだ」
とそっけないですしね。
うーん、若い男性でもキツイ旅だったのではないでしょうか?
これで目的のウナギがバンバン捕れれば気分も高揚するんでしょうけどね。
バンバンではなかったけれど、そこそこ捕獲できたから研究には役立ったハズですね。
読みながら、何回も笑ってしまいましたぁ。
Posted by ブクログ
やー、おもしろい!
生き物大好きなわたしにとっては大好物の題材です。
研究者ってなんでこんなにもはたから見ればどうでもいいようなことに命をかけて、必死なんでしょう。
たかがウナギなのにね…
これに合わせて『オーパ』も読んだので、それはまた後日。
Posted by ブクログ
自分がいかに温室で育ってきたのかよく分かった。
何度も一歩間違えれば死ぬとこまで行く体験は人生を豊かにする上でやった方が良いのかもしれないけどとてもやる気が起きない
著者たちの冒険は一応成功に終わったんだけどこれまでこのようなことをして何人もの人が亡くなったに違いない。
本に出てくる情景はホント日本とはうって違った別世界だと感じた。
Posted by ブクログ
東大の海洋研究所行動生態研究室でウナギを研究している著者がウナギを求めアフリカに。TVの企画の様に予算なしで、超いきあたりばったりに50度を超す猛暑と水のないトイレの世界を彷徨っている冒険記です。
Posted by ブクログ
なんともお気楽なタイトルとカヴァー絵なのだが、内実はいたって真面目かつ過酷な学術紀行なのだ。著者は東京大学海洋研究所の塚本勝巳教授(ウナギ研究の世界的権威)率いる行動生態研究所の助手(当時)。世界には18種のウナギがいるのだが、その中で唯一未採集の「ラビアータ」種を求めて、アフリカのマラウィからモザンビーク(環境も過酷なら治安も悪い)を2ヶ月の間、彷徨い激闘した記録だ。研究者というより、もうほとんど京大や早稲田の探検部の世界。高野秀行が解説を書いているくらいだから。なお、文章は後になるほど良くなってくる。
Posted by ブクログ
会社の方に勧められて読んだ本でしたが、想像以上に面白かったです。
日本人には馴染みの深いウナギの生態を解明するために、東京大学海洋研究所の3人がアフリカにまで出向き、アフリカのウナギであるラビアータを探す旅に出る。
本当に、現実にこんなことをしていたのかと言うぐらい無茶苦茶な3人の旅。教授は先に、日本に帰国するのだけど。それでも、マラリアにやられたり、気温50度の中で必死にウナギを探したり。知らずに地雷原に足を踏み入れたり...
結局、2か月の間にアフリカの六カ国を渡り歩くことになるのだけど、アフリカの生活や風土なんかも、手に取る様に分かり楽しく読めました。
アフリカには行ったことはありませんが、水は貴重だなと実感。そして、アフリカ人の底なしの楽観的な所なんか見ていると、はたしてモノにあふれ、囲まれている私たちは幸せなのかなと考えてしまいました。
Posted by ブクログ
世界に18種類いるといわれるウナギ、東京大学海洋研究所にとって18番目となる、「ラビアータ」のアフリカ採取ツアーの記録である。あの辺境作家の高野秀行氏もショックを受けるほどの危険な旅なのだ。
前半は研究者3名によるドタバタ喜劇的な珍道中となっているが、メンバーの一人である塚本教授帰国後に最初のラビアータが発見されてからは、意外にも精神的に追い詰められる展開となる。
以前に塚本教授の別の著書を読んだ時、地道な研究過程に対しては素晴しいと思いながらも、上手く表現できないがウナギ研究そのものについて、何か釈然としない感情が残った記憶があった。実は著者の青山氏も当初同じような感情を抱いていたようだ。
生態学研究の意義についても新たに気付かせていただいた、大変貴重な一冊となった。
Posted by ブクログ
天下の東大研究員2人が、研究対象であるウナギを探しに、アフリカを奔走する話。著者の文章は、読者の想像力に訴える面白さだ。その光景を想像すると、あまりのアンバランスさについ噴出してしまう感じ。面白い箇所がたくさんたくさんあった。
はじめはプラス先生の3人で旅をするのだけれど、
その先生が本当にすばらしい。いい年したおじさんのくせに、安宿での生活をものともせず、汚れたトイレやろくに水のでないシャワーを平然と使う。屋台では麦わら帽子を購入し、そのいでたちはもはやヒッピー!?
好奇心、探究心、信念と、少しの“おとぼけ”でできたように見えるこの先生の姿は、とてもかっこよく見えた。
先生の帰国後は、しっかり者の著者とその後輩が、がむしゃらにどたばた劇を繰り広げる。
二人の息はぴったりで、さすが東大生、時には華麗な頭脳プレーを盛り込み、ウナギの採取に命を注ぐ。いやホントに、彼ら自身も知らぬうちに命がけなのである。
そんな彼らには、部屋では各国のトイレの話で白熱し、いかに少量の水でシャワーを済ませるか試すなどといった、ストイックな旅を楽しむ強さがあった。
それなのに、やはり限界はくる。ラストは見ていて痛々しかった。
あとがきはその、後輩の俊さん。
解説は高野秀行さん。
最後の最後まで楽しめた本だ。
Posted by ブクログ
ぼくは研究者というものをほとんど知らない。知っているのは研究者という名称から連想できる、何かの研究を白衣を着て研究室で、ぐらいなものだ。サンプリングなんて優雅なものだと思っていた。著者のサンプリングは過酷だ。かなり上級者だ。勉強だけできればいいと思っていたが、おそらくそれでは自然界で淘汰されるだろう。間違いなく彼らはプロフェッショナルだと思う。ウナギの生態というのもなかなか興味深いものだと感じた。なぜそんな過酷な生き方を選んだのだろうか。確かに謎である。また、ウナギの稚魚が見たことないからウナギは泥から生まれるんだ、という発想もさることながら、稚魚がいないことに気づいた着眼点も普通でないだろう。産卵場所特定の調査方法もかなり驚かされた。とくにぼくなんかは、すぐに結果を求めがちで、短絡的思考に陥り易いのだが、彼ら研究者はどれほど先を見ているだろうと単純に思ってしまった。それにしても、住血吸虫というのには衝撃を受けた。調べるとアフリカ以外にもいるではないか。バックパッカーをやる上で、いま知れてすごく助かった。サンプリング目的で訪れていながら、その土地の人たちの日常というか、暮らしぶりまてましっかり観察しているあたりはさすが、東大の方だなと思ってしまった。
Posted by ブクログ
東大の「うなぎ」研究者が、調査のためにアフリカへ。。その様子を記したノンフィクションストーリー。著者は実際調査を経験した准教授。
筆致が軽妙で読みやすくて、おもしろい。冒険ものとして読み始めたが、最後のほうでは、その領域を超えている感があった。それは、この物語は研究者たちが「新たな発見をしたい」という好奇心による行動の積み重ねが、結果として冒険記になっているからかもしれない。それにしてもタフだと思った。単に好奇心とかでこんなことはできないんじゃないか。。と思うくらい。
ふと科学とか技術の発展とは、この物語に出てくるようなタフで熱い人がいないと成り立たないんだろうなと思ったりもした。
書評は高野秀行さんがしているが、高野さんが好きな人は多分本書も好きかと。
Posted by ブクログ
東大の研究者というと、もっとクールでスマートな印象でしたが、エリートさんたちがアフリカで七転八倒しているのが面白かった。ウナギ1匹でこんなに必死になるとは…。
Posted by ブクログ
東京大学海洋研究所でウナギの研究に携わる著者が、幻のウナギ「ラビアータ」を求めて、アフリカのマラウィ、モザンビーク、そしてジンバブエを駆け巡り、ついにラビアータの採取に成功するまでの調査旅行を描いた紀行文なのだが、これが大学の機関が行う調査旅行などという枠組みを思いっきり超えた、バックパッカーも真っ青の冒険旅行なのである。冒頭からして、いきなり、現地の男が集団リンチされる場面から始まるが、それ以降も日本の常識が全く通用しない極限状況でウナギを探す毎日。その冒険譚は非常に面白い。ただ、もともとアフリカの調査をしに行ったわけでもなんでもないので当たり前なのだが、現地の文化や人々の描写には物足りなさを覚えてしまった。
Posted by ブクログ
昔、アフリカに行った時のことを思い出した。旅なら楽しめるけど、いつ帰ることができるかわからないのは辛い。
便器が山盛りって、私もよく遭遇した。
トイレやシャワーの水が出るだけでも、ありがたいと思ったもの。お湯なんか出ない。
研究にも色々あるけど、途上国でやるのは、研究以外の大変な要素があるから、好きじゃないとやれない。それだけ研究が面白いということだろう。すぐに人の役に立つかはわからなくても、謎の解明にはきっと意義があると信じる研究者を日本は大切にしてほしい。
とにかく、死ななくてよかった。
若者に読ませたい。
Posted by ブクログ
ウナギの研究者によるアフリカ探訪記。
そこそこ面白いし、旅の移動や宿の酷さについては自分たちのようなNGOスタッフをさえ遥かに凌駕していて、その辺は辛いだろうなぁ気の毒だなぁとは思うのだが、イマイチ同じ視点というか、身内という感じで読むことができなかった。序盤から中盤にかけての、現地の人をコケにしているかのような言葉遣いのせいなのかもしれず、実際にそういった言葉を吐いていたということを正直に書いていることについては評価できるのかもしれんけど、かといって好感は持てんなぁ、という印象でした。本の裏表紙の煽り文句の「爆笑アフリカ冒険記」という言葉に負けてしまった感じですかね。
結果的に、この本に収められている旅によって、採集されていない種類のウナギが見つかる訳ですが、そのウナギの生態などについてはあまりページが割かれていません。それを見つけるまでが主軸なので仕方ないところですが、研究者らしくもうちょいその辺を掘り下げてくれても良かったかなぁ。
総じて、ウナギなり東大海洋研究所なりに関心があればどうぞ、というところ。アフリカそのものに関心がある、といったぐらいであれば、手を出す必要はないかと思います。
Posted by ブクログ
学生時代鰻屋でアルバイトしていたことがあるからか、
いしいしんじの『ポーの話』に感銘を受けたからか、
ウナギってなんだか親しみと共にロマンを感じる存在です。
なので「ウナギの産卵場所が特定された」というニュースに触れた時も、ひとり静かに感動していました。
この世界的偉業を成し遂げた東京大学海洋研究所の「ウナギグループ」が、ウナギの標本採集のためアフリカくんだりまで行って繰り広げる冒険記。
「にょろり旅」という語感からは想像しがたい、常に(命の)危険と隣り合わせの旅。
趣味や遊びではなく「ウナギの類縁系統関係の解明」という使命を負った旅。
こんな場所があるんだなーと遠い灼熱の大陸に思いを馳せつつ、要所要所で吹き出しつつ、ウナギは本当に見つかるのかとハラハラしつつ、個人旅行記では味わえない余韻に浸っています。
続編も見逃せないー。
Posted by ブクログ
東大海洋研の著者と、教授の塚本さん、そして助手の渡邉俊さんの三人による、
アフリカでウナギを探し求める旅の、過酷なのに笑えてしまう手記です。
「ウナギの研究なんて、人の役に立たないじゃないか」という著者の煩悶。
その答えを塚本教授の講演会を訪れた一般の人たちの反応に見つけ出すところから、
この本の、おもしろおかしくアホでありながらも輝きを持つ力をわかりやすく
感じさせるようになっているように思いました。
一般の人たちの反応をみながら、著者の青山さんは、知的好奇心は心の栄養だと
悟るのです。これは、解説にも繰り返し書かれていたので、そうだなぁと
改めて感じたところでもあります。
しかし、ほんとに、序盤からアフリカとの風土の違い、文化の違いに
頭を揺さぶられます。
そんな世界で僕だったら生きていけるだろうかと、自分に照らしあわせると、
どうも無理かもという気持ちになります。衛生環境が悪い、食べ物が悪い、暑い。
そんな世界でもやっていくには、意外かもしれないですが、アホさが重要な気もしています。
笑い飛ばす精神力もしかり。
とにかく、読みやすくて面白いエッセイでした。
秋の夜長におすすめしたい作品です。
Posted by ブクログ
世界で初めてニホンウナギの産卵場をほぼ特定した東京大学海洋研究所「ウナギグループ」の一員である著者が、アフリカに生息する珍ウナギ「ラビアータ」を捕獲しに行くノンフィクション。
千葉を中心とした酒好き本好きの書店員が集まって決める「酒飲み書店員大賞」の第7回大賞受賞作ということで、否が応にも期待が高まる。
が。テンポがあまり良くないというか、ぶっ飛んだ行動の割に文章が冷めている(生真面目?)というか……面白くないわけではないのに、何か物足りなくてもったいない。
ついでに言うなら、表紙のイラストももう少しどうにかならないものか。
巻末の書評が、辺境探検家・高野秀行というところは納得。重みのあるコメント。
Posted by ブクログ
高野秀行の『辺境中毒!』に収録されていた本書の解説を読んで購入。探検と言うより『地球の歩き方』上級編といったところか。過酷な環境には違いないが行く先々に青年海外協力隊員や欧米人が住んでいる。著者は東大海洋研の研究者。この本のユニークさは旅の目的で、ウナギ全十八種類中、唯一サンプルが確保できていない熱帯種を求めて、灼熱の大陸を駆け巡る。その調査法たるや、行き当たりばったりで適当に地域を決め、現地語でウナギ、ウナギと叫びながら聞き回るだけ。面白いがちょっと力が入り過ぎ。高野氏の脱力技を覚えたら一皮剥けるかも。
アフリカにょろり旅 >> 4月は冒険・探検強化月間。『ロスト・シティZ~探検史上、最大の謎を追え』『西南シルクロードは密林に消える 』に続く第三弾!2012年 04月18日
Posted by ブクログ
うなぎ。
昔から親しまれていたにも関わらず、生態は謎に包まれているようで。
うなぎの卵や稚魚が全く見つからないことから、江戸時代には
山芋がうなぎに化けるなんていう説もあったそうです。
近年の研究で「新月の夜にマリアナの海山で産卵」され、
そこから遠く離れた日本の河川まで回遊していることが
ほぼ明らかになったそうです。
その研究室の学者さんが唯一採集されていない「ラビアータ」
という種のうなぎを求めて、これも遠く離れたアフリカ、
マラウィ・ジンバブエ・モザンビークを訪ねる紀行文。
学者さんなのに、やたらとタフな人のようで、
バックパッカーも泣き出すような過酷な環境・出来事を
妙に自然体で軽い文章で書いている。
文庫裏には爆笑冒険記とあるぐらいなので、
さくっと面白く読めるエッセイだけど、
後半はそれでも引いちゃうぐらい大変そう。
学究の道は難儀ですな。
Posted by ブクログ
東大のうなぎ研究者がアフリカの「ラビアータ」といううなぎを捕まえに行く。
それはそれは過酷な旅で真似できないし、スリリング。
だけど、読み応えには少々かける。
面白く書こうという意志は伝わってくるだけに、今一歩物足りない。
本来面白いはずの事柄でスカッと笑えないというか。
おなじ研究者がエッセイを書いた、という意味で同類の本なら、
『ダチョウ力』や『孫の力』のほうが読み物として面白かった。
そして、壮絶な旅エッセイというジャンルで言うのならば、
自分のキャラづくりが出来上がっている高野秀行のエッセイのほうが受け入れやすい。
Posted by ブクログ
幻のウナギを追いかけて、東大ウナギ研究所、博士課程二人がアフリカを命がけで走り回る体験記。う〜ん…まあとにかくアフリカって広い。とっても真似はできないけれど、こういうのを読んで自分も行きたくなる人もいるんだろうなあ。とにかく無事に戻ってこれて良かったねえ(涙)
Posted by ブクログ
<世界で初めてニホンウナギの産卵場所を特定した東京大学海洋研究所の「ウナギグループ」。今回の目標は、全18種類のウナギのうち、唯一まだ採集されていない「ラビアータ」を見つけることだった。過酷な状況下、幻のウナギを求めて、二人の研究者が繰り広げる爆笑アフリカ冒険記。第23回講談社エッセイ賞受賞作。 >著者の先生である塚本教授がヒッジョーに魅力的に描き出されていたところに◎。著者の、また同じく助手であった俊氏の教授を尊敬する気持ちが伝わってきて、読んでいてなんだか嬉しい気持ちになった。とにかく私としては、俊氏による文庫版あとがきがえらい気に入ったのであった。
Posted by ブクログ
東京大学海洋研究所の「ウナギグループ」による、幻のウナギ探索行。ウナギだけどアフリカ!ゆる〜い題名とは裏腹なアフリカでのハードなサンプリングの旅(というか冒険)です。今回の冒険では教授は途中で帰国してしまい、研究員の青山・渡邊組がまだ採取されていない最後のウナギ「アラビアータ」を探して4000kmの爆笑冒険行を繰り広げるのですが、場所はアフリカの大地溝帯に位置するマラウイ、モザンピーク。どこまでも続く荒れ地を縛られたニワトリと一緒にピックアップトラックに揺れら、バスに置き去りにされ、毛穴から入って脳を犯す住吸血虫の蔓延する湖で人食いワニをかわし、カバと衝突、夜は蚊の大群と戦い、陽気ななアフリカ人に暗いアフリカ人・・・ほとんどウナギは出てこない。考えてみれば、まだ採取されていないくらいなんだから、身近にいる訳もなく、とんでもないところまで入って行くサンプリングっていうのはまさしく冒険なのだなぁ。google earthなどで道筋をたどるとなお面白い。モンキーベイの野良象の群れやカバの写真もあります。後半、50度を超える暑さと水不足で身も心も消耗してく二人。だんだん笑えない状況になってくるのですが、その分リアル。でももう少し、ウナギの学術的な話や、サンプリングした後の成果などにも触れてほしかった。にょろり旅の後のニホンウナギの産卵場を探査する冒険行は阿井 渉介著「うなぎ丸の航海」に詳しい。こちらも、同行した小説家である著者という第3者の目から見た冒険行でとても面白い。