あらすじ
世界で初めてニホンウナギの産卵場所を特定した東京大学海洋研究所の「ウナギグループ」。今回の目標は、全18種類のウナギのうち、唯一まだ採集されていない「ラビアータ」を見つけることだった。過酷な状況下、幻のウナギを求めて、2人の研究者が繰り広げる爆笑アフリカ冒険記。第23回 講談社エッセイ賞受賞作!
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Posted by ブクログ
著者は東大海洋研のウナギ研究者。にょろりとはウナギの事です。
世界で18種類いるウナギで、唯一標本採集されていない幻のウナギを求めて、バックパッカースタイルでマラウィ、モザンビーク、ジンバブエをさ迷い歩く。客観的に見て相当危ないだろうという状況あるも、なんだか妙に笑える不思議な本。
Posted by ブクログ
会社の方に勧められて読んだ本でしたが、想像以上に面白かったです。
日本人には馴染みの深いウナギの生態を解明するために、東京大学海洋研究所の3人がアフリカにまで出向き、アフリカのウナギであるラビアータを探す旅に出る。
本当に、現実にこんなことをしていたのかと言うぐらい無茶苦茶な3人の旅。教授は先に、日本に帰国するのだけど。それでも、マラリアにやられたり、気温50度の中で必死にウナギを探したり。知らずに地雷原に足を踏み入れたり...
結局、2か月の間にアフリカの六カ国を渡り歩くことになるのだけど、アフリカの生活や風土なんかも、手に取る様に分かり楽しく読めました。
アフリカには行ったことはありませんが、水は貴重だなと実感。そして、アフリカ人の底なしの楽観的な所なんか見ていると、はたしてモノにあふれ、囲まれている私たちは幸せなのかなと考えてしまいました。
Posted by ブクログ
ウナギの研究者によるアフリカ探訪記。
そこそこ面白いし、旅の移動や宿の酷さについては自分たちのようなNGOスタッフをさえ遥かに凌駕していて、その辺は辛いだろうなぁ気の毒だなぁとは思うのだが、イマイチ同じ視点というか、身内という感じで読むことができなかった。序盤から中盤にかけての、現地の人をコケにしているかのような言葉遣いのせいなのかもしれず、実際にそういった言葉を吐いていたということを正直に書いていることについては評価できるのかもしれんけど、かといって好感は持てんなぁ、という印象でした。本の裏表紙の煽り文句の「爆笑アフリカ冒険記」という言葉に負けてしまった感じですかね。
結果的に、この本に収められている旅によって、採集されていない種類のウナギが見つかる訳ですが、そのウナギの生態などについてはあまりページが割かれていません。それを見つけるまでが主軸なので仕方ないところですが、研究者らしくもうちょいその辺を掘り下げてくれても良かったかなぁ。
総じて、ウナギなり東大海洋研究所なりに関心があればどうぞ、というところ。アフリカそのものに関心がある、といったぐらいであれば、手を出す必要はないかと思います。
Posted by ブクログ
東大海洋研の著者と、教授の塚本さん、そして助手の渡邉俊さんの三人による、
アフリカでウナギを探し求める旅の、過酷なのに笑えてしまう手記です。
「ウナギの研究なんて、人の役に立たないじゃないか」という著者の煩悶。
その答えを塚本教授の講演会を訪れた一般の人たちの反応に見つけ出すところから、
この本の、おもしろおかしくアホでありながらも輝きを持つ力をわかりやすく
感じさせるようになっているように思いました。
一般の人たちの反応をみながら、著者の青山さんは、知的好奇心は心の栄養だと
悟るのです。これは、解説にも繰り返し書かれていたので、そうだなぁと
改めて感じたところでもあります。
しかし、ほんとに、序盤からアフリカとの風土の違い、文化の違いに
頭を揺さぶられます。
そんな世界で僕だったら生きていけるだろうかと、自分に照らしあわせると、
どうも無理かもという気持ちになります。衛生環境が悪い、食べ物が悪い、暑い。
そんな世界でもやっていくには、意外かもしれないですが、アホさが重要な気もしています。
笑い飛ばす精神力もしかり。
とにかく、読みやすくて面白いエッセイでした。
秋の夜長におすすめしたい作品です。