諏訪春雄のレビュー一覧

  • 日本人と遠近法

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    浮世絵には科学的遠近法がないとのこと。
    芸術は制約が大きく、不足しているものがあった方がよい場合もある。

    ps.
    根回しについての説明が最後にある。
    日本の根回しは、木の移植が原義だ。
    農業国ならではの技術。

    0
    2011年09月19日
  • 日本人と遠近法

    Posted by ブクログ

    [ 内容 ]
    日本の浮世絵はなぜ遠近法をもたなかったのか。
    浮世絵に限らず、日本の美術は中国やヨーロッパの影響によるものを除き、独自の遠近法をもたなかった。
    しかし、写実の範囲を超えた造型方法である「視点の移動」が見られる。
    そこには日本人の伝統的なものの見方が反映されているのではないだろうか。
    遠近法を突破口に、浮世絵、歌舞伎、宗教から浮き彫りにされる個と全体との関係を論じた日本文化論。

    [ 目次 ]
    1 遠近法とはなにか
    2 日本美術の遠近表現
    3 ヨーロッパ美術の線遠近法
    4 浮世絵の遠近法
    5 錦絵の誕生
    6 視形式の特殊性
    7 絵画の目的
    8 アニミズムと一神教
    9 日本の型文化と

    0
    2014年10月27日
  • 曾根崎心中 冥途の飛脚 心中天の網島 現代語訳付き

    Posted by ブクログ

    近松の心中には、逃げてゆくと言うより、死に向かって不可避的に邁進して、ぶつかって行くような印象を受けます。「心中天の網島」は篠田正浩も映画化していますが、これも非常に優れています。

    0
    2010年02月13日
  • 曾根崎心中 冥途の飛脚 心中天の網島 現代語訳付き

    Posted by ブクログ

    『曾根崎心中』は文楽で見ていたが、読むのは初めて。他に『冥途の飛脚』と『心中天の網島』の有名作を収録。校注を読み終わってから現代語訳を読むようにしたが、やっぱり難しい。訳があってよかった。しかしどの話も切ないなぁ。お初・徳兵衛、梅川・忠兵衛、小春・治兵衛と対で語られる二人の転落物語だし、当時はかなりホットなゴシップだったのだろうが、なんとも美しく描かれている。

    0
    2020年09月23日
  • 曾根崎心中 冥途の飛脚 心中天の網島 現代語訳付き

    Posted by ブクログ

    有名どころの3編が掲載されています。こなれた現代語訳なのでとても読みやすく臨場感があります。
    元々冥途の飛脚を目的に読んだのですが、自分のメンタリティの関係で、転落していく主人公に対して見てられない感じがして、思った以上に楽しめなかった自分がいました。共感性羞恥が発動されてしまったような気がします。自分自身のどこかに、自分もこの主人公のようにふとしたはずみで転落してしまうのではないかという意識があるのかもしれないと思った作品でした。単純に悲しい話の時は、何ともない事が多いのになぁ。

    0
    2017年10月09日
  • 曾根崎心中 冥途の飛脚 心中天の網島 現代語訳付き

    Posted by ブクログ

    近松門左衛門をはじめて読んでみた。
    浄瑠璃の知識もほとんど無く読んだのだが、なかなか面白い。
    文章で読んでこれだけ面白いと感じるのだから、浄瑠璃で観たら更に面白いのではないかと思う。
    所謂「心中物」であるので無常観をあらわす仏語なども頻出したり、ことばの掛け合わせなどもあり、意味をくみ取るのにだいぶ苦労する。
    本書は原文の雰囲気を損なわない秀れた現代語訳があるので、それを頼ることが可能である。
    原文にも細かな校注があり、とても素晴らしい書籍だ。

    0
    2015年12月09日
  • 曾根崎心中 冥途の飛脚 心中天の網島 現代語訳付き

    Posted by ブクログ

    江戸時代前期の元禄期の人形浄瑠璃の作者として歴史の教科書などで必ず目にする近松門左衛門の心中物として名高い曾根崎心中、心中天の網島など3編を収録。大坂を舞台に、遊女とその遊女にのめり込んでしまった男の顛末記です。浄瑠璃のための作品なので、上演されるものを見るのが前提だけに本を読むだけだと微妙に分かりにくい部分もありますが、セリフ回しなど、なかなか面白いです。これはぜひ歌舞伎や人形浄瑠璃で観てみたいです。あと、本書は現代語訳と原文が1冊にまとまっているのでとても重宝します。

    0
    2013年10月09日
  • 曾根崎心中 冥途の飛脚 心中天の網島 現代語訳付き

    Posted by ブクログ

    人形浄瑠璃や歌舞伎で触れてきた物語。
    一場面ずつでしか味わってこなかったものを、初めて通して読むことができた。
    前半は現代文、後半が原文と注釈がありわかりやすい。
    初めて近松作品に触れる方にはオススメの文庫本。

    0
    2024年02月19日
  • 日本人と遠近法

    Posted by ブクログ

    遠近法を取り入れると写真のようにリアルな表現になる。写実こそがあるべき姿目指すべき理想型という(明治以降?)価値観に染まっていた私には、江戸までの絵画が、遠近法と言う科学のツールを知らないための稚拙な表現にしか見えなかった。しかし、江戸時代以前の日本美術は、遠近法を知りながらあえて遠近法を取り入れなかったのだ。私はずっとこのことが不思議で仕方がなかった。この本で言われている事はその疑問への1つの答えである。アニミズムの信仰による空間と時間の視点移動があり、それが遠近法を選択しなかったと言う仮説である。

    0
    2022年06月04日
  • 安倍晴明伝説

    Posted by ブクログ

    著者は「あとがき」で、本書のめざすところを次のように述べています。「本書は、オカルト志向、超人待望のいずれとも無縁である。安倍晴明の真実の姿をあきらかにすることによって、その虚像性をはぎとることに精力がそそがれている。しかし、本書はたんなる破壊の書ではない。虚像として結晶した安倍晴明伝説の形成過程を丹念に糾明することによって、伝説に託された多くの人々の願望と悲しみに陽の光をあてている。それは、もう一つのあたらしい清明像の創出である。」

    まずは、陰陽道や式神についての研究を通して、当時の政治的現実の中を生きた安倍晴明の姿を明らかにしています。その上で著者は、中世以降の民間陰陽師たちによるさまざ

    0
    2015年12月02日
  • 日本人と遠近法

    Posted by ブクログ

    前半は、中国を経由して日本に遠近法がもたらされた経緯についての、実証的な考察が展開されています。

    後半に入ると、日本の浮世絵に見られる自由な視点の移動という特徴が、連句をはじめとするさまざまな日本文化の中に共通して見られることを明らかにしています。さらに、遠近法を生んだ西洋精神史の背後に一神教の伝統を見るとともに、多神教を基調とする日本文化と「視点の移動」のつながりについて考察をおこなっています。

    前半の実証的な議論は、この分野にまったく未知の読者としてはやや退屈で、後半の精神史的な議論は考察の範囲が広がりすぎているような印象を受けてしまいました。

    0
    2015年06月14日
  • 曾根崎心中 冥途の飛脚 心中天の網島 現代語訳付き

    Posted by ブクログ

    そういえば浄瑠璃というのは観たことがない。人形劇だから「プリンプリン物語」みたいなものだろうか(笑)。
    江戸・大坂あたりの町人文化を描いたものとして、民俗学的な興味をもって読んだ。これだけ読むと当時の庶民はひどく簡単に「心中」をしたのかと思ってしまうが、実際そんなに多かったのだろうか。現在では自殺は一般的倫理に反するものとして暗黙のうちに禁忌的なイメージを持つが、この頃は「死」は世上の軋轢を解決する手段として比較的容易に用いられたものだったか。
    西洋は「個人の生」を保護すると共に管理し、それを至上の命題として「掟」化することによって、自殺をあからさまに禁じた訳だが、西洋化する以前の日本であれば

    0
    2013年03月03日
  • 曾根崎心中 冥途の飛脚 心中天の網島 現代語訳付き

    Posted by ブクログ

    近松門左衛門の浄瑠璃。
    現代語訳が大変読みやすいです。
    現代語訳がなかったら読まなかったと思います
    (読まざるを得ない理由があるのだが)。
    付けたのは★3だけど本当は4でもいいくらい。

    なかなか不条理なストーリーもあるのだけど
    文章が軽快で重苦しさはない。
    当時の風俗が垣間見えてそういう意味でも興味深い。
    機会があったら三作品とも浄瑠璃で観てみたいものだ。

    収録作品
    ・曽根崎心中
    ・冥土の飛脚
    ・心中天の網島

    0
    2009年11月19日
  • 曾根崎心中 冥途の飛脚 心中天の網島 現代語訳付き

    Posted by ブクログ

    某動画サイトに投下された同名の曲を聴いて興味がわき、読んでみました。
    現代語訳もあって読みやすいです。
    この話、新春ドラマとかでやったら人気出るんじゃないでしょうか…。

    0
    2009年10月04日