荻野文子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
言わずと知れた有名な徒然草をやさしく解説してくれている本。
単に言葉の意味だけでなく、吉田兼好が生きた時代背景や兼好自身の簡単な生涯を交え、いかに当時が無常感に包まれていたかが分かり、作品に及ぼしている影響が理解しやすくなっている。
現代人の我々に置き換えて考えるに、本来は常ならぬ世の中であることを忘れ、もしくはその感覚すら鈍くなっているのは非常に危険なことなのではなかろうか。
また、「つれづれなるままに、日ぐらしすずりにむかひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ」や、「花はさかりに、月はくまなきをのま見るものかは」など心に残すべき -
Posted by ブクログ
古文のなかでもとくに苦手とするひとの多い和歌の修辞法についてくわしく解説し、じっさいに入試問題を解くための手法を解説している本です。
枕詞、序詞、掛詞、縁語を一つひとつとりあげ、それらにかんする問題を解くための実践的な知識を解説していますが、すこしテクニックに偏りすぎているような印象もあります。とはいっても、いくつかのコラム記事でより深く和歌をあじわうための手引きになるような説明がくわえられており、飽きることなく読むことができます。
和歌の修辞法に特化した大学受験参考書はすくないので、過去に和歌の出題が多い難関大学を受験する学生にとっては有益な本なのではないかと思います。