草川為のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ短編集。草川さんの作品としては珍しい、ちょっと艶っぽい感じのお話が多いです。
『僕の棺で晩餐を』
ロヴィサはわざと無愛想な態度を取っていますが根は優しい、ということが随所で描写されていて愛らしかったです。「いつにもまして表情がないな」からのシーンがすごくかわいい!アシュリーが時折ちょっとだけ頬を染めてとても優しく微笑む表情がとても好きです。
『黄昏恋々』
姉がよく出来るだけじゃなく桐子のことを大切に想ってくれているので歯痒さが募る一方の桐子。自分自身も吸血鬼なので銀を触れば傷を負うのに、嘉陽を守る為に躊躇なく銀の万年筆を握りしめた桐子がとてもいいです。
『星は暁のかげ』
ミハイの品の良さと真っ当さは生まれ育ちの良さからだと決め付けていたら、そうではなくて、彼自身が持って生まれて守り抜いてきたものだと気付いて改めて己の品のなさを恥じ、自らを犠牲にしてミハイを守り抜くアウレリア。切ないお話です。ミハイが本当に上等な男すぎる。
『しのびごと』
前世の悲恋相手と巡り会う、お話ですがその二人がくっつかないラストなのが新鮮。千弥にも前世の感覚が少しだけ残っていて、葛への淡い感情はあるけれど、それでも心中を図るほど葛に恋い焦がれていた「ちよ」そのものではない。葛を再び一人で逝かせてしまったことに千弥はしばらく苦悩するかもしれませんが、最終的には北先輩との新しい未来を歩んでいけると思います。