宇佐美典也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
給与明細をブログで公開した若手官僚として名を馳せた著者が、経産省を辞めて独立して挫折を味わった経験から、今後の働き方について提言している。第4章では、雇用情勢の変化の分析も行っており、特に新しい視点はなかったが、流石元官僚だけあって、関係明快によくまとまっていると感じた。
題名に「地獄」とあるが、結局、今はベンチャー企業の代表取締役としてそれなりにやっているようで、そこまでのインパクトはなかった。また、本書を読んでいると、著者の浅はかさを感じるとともに、いまだに「肩書きエリート」としての驕りが見え隠れして鼻白んだ。
しかし、自分から辞めないにしても、突然、今の「肩書き」がなくなったらどうやって生きていったらいいのだろうという漠然とした不安は自分も持っており、この本のテーマは興味深いものだった。
著者は、フリーエージェントとしての生き方を提唱しているが、その土台は「肩書き」の上に積み上げていくのが近道と指摘し、今の仕事に関わる能力を高めるべきだと主張している。そして、いつでも「仕事を選べる」状態にしておくことを提起している。著者の主張は大筋で納得のできるものであった。とりあえずは、今の会社で基礎となる専門性を身につけるとともに、万一のことも考えてセルフブランディングの方向性を定めるということが大切だと感じた。 -
Posted by ブクログ
元官僚の宇佐見典也氏が、肩書きを捨てた後の地獄とそこから這い上がった実話を通して、いつでもフリーエージェントになる覚悟を持って働くことの大切さを語った一冊。セルフプロデュースのもとは、これまでの自分の人生にしかない。自分が経てきたストーリーからしか生まれない。16歳にして早稲田の商店会の会長を勤めた木下斉さんの話も面白そうだった。資本の流入で地方にシャッター街が生まれるという紋切り型の話に異議を唱え、地方の商店が市場原理に逆らう気概を持っていないことも原因のひとつだと言う。シャッターを閉めてる店は年金で暮らせてるから。その証拠に地方の風俗は年金支払日に混雑してる、とか。肩書きを捨てながら、新しい肩書きを手に入れて行く人々のたくましい生き方。中盤の今後の雇用形態が変わって行く話はつらすぎて読めなかったけど…。
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Posted by ブクログ
佐藤優氏が勉強会動画で言及していたので購入。
タイトルも面白かったが、著者の苦しい時代と、出会った人のエピソードはとても面白かった。しかしながら途中はなぜか退屈で、誰でも書いているような教科書的な分析で時間の無駄とさえ感じた。
そう思いつつ終章に行き着き、杉村太蔵に著者が「そんな話ばかりでは誰にも相手をされない」というようなことを言われたというエピソードがあり、私がつまらないと思った理由を発見した思いだった。
杉村太蔵についても多少面白い人物であると見直した。
本にするために世の中の分析やら何やらの、タイトルとは少し離れた(膨らましとも思える)箇所があってそれが面白くないと思った。著者本人の体験やら思いやら感じたところはとても面白かったが、分析ともなるとなんだか官僚的、教科書的で、わざわざこの著者の本で教えられなくても良いとさえ思ってつまらなかった。
そういう意味で星三つ。 -
Posted by ブクログ
若手官僚の退職が増加しているという話を聞き、タイトルがそのままだったため、手にとってみました。
30歳で経済産業省を退職する著者が、その退職する直前に記したという素直な意見は大変読みやすく、かつ実態をよく表わしているものと思います。
その職務経験の中で著者が感じたことは決して絵空事ではなく、現実的であり、親近感のわくものでした。
優秀で国のことを真剣に考える人が、職を辞してしまうことは損失だとは思いますが、著者の新たな場での活躍を祈りつつ、そういう思いを持った人がその意志を引き継いでいってもらえるものと信じています。
それにしても、行政改革のアイデアを江戸時代に求めるという視点はこれまでなく、新鮮に感じました。
これからの官僚が果たすべき役割は、未来を開拓する勇気を持った国民に対して、情報提供や実行面でサポートする「重要な役割」
官僚に求められる能力とは
『役人道入門』(久保田勇夫著、中央公論新社、2002年)より
一、役人の基本は文章にあり(場面場面に適した文章を書く分析力と表現力)。
一、役人の真髄は交渉力にあり(交渉にあたって状況をすばやく把握する勘のよさと、いかなる状況にも落ち着いて対応する冷静さ)。
一、役人は組織で仕事をする(組織の一員として働く協調性)。
一、役人はプロとしての自覚を持つべし(日本の官僚としての矜持)。
一、役人は心身の健康仮に心すべし(日々の生活を節制する自己管理能力)。
一、役人は国際競争力の涵養に努めるべし(広く世界の状況を把握する目と、そのなかで日本の立ち位置を考える戦略的思考力)。
一、役人は首をナナメに振るべし(軽率に断定的な表現をしない慎重さ)。
霞が関界隈では、「東大を出たような優秀な人間」がいくら集まろうとも、官僚組織の縦割り構造がボトルネックとなって、社会変革に対応した大きな問題に機動的に対応することが困難な状況
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しかし、そもそも官僚制の前提には「縦割り化して役割分担を明確にすることにより、細分化・専門化した行政問題に鉄器核に対応する能力を養う」という発想があり、横断的な連携を前提とした組織構造にはなっていない
行政改革の目的=経済的に持続可能な政府をつくること
①行政改革の目指す姿はインフレ誘導、殖産興業、歳入改革の一体的な推進を可能とする政府である
②縦割り行政の打破を目指すのではなく、むしろ縦割り行政を前提として、財政再建における重大な課題について行政機関同士の連携の必要性が最小限で済むような行政機構の再編を図る
③殖産興業の方向性は、「社会保障関係費の削減に直接的に資する」ことを目指す
<この本から得られた気づきとアクション>
・縦割り行政を前提として語るように、最初から大きな問題に挑むのではなく、既存の組織やシステムにも背景や理由がある中で現存しているので、それを踏まえて行動すべき
・成熟化した日本社会においていつも外国に答えを求めるだけが解決法ではない。歴史に学ぶことも大切
<目次>
■はじめに
これ以上、霞が関を去っていく若者を生み出さないために
■第1章 僕が経済産業省の官僚になるまで
■第2章 なぜ東大生が集まっているのに問題だらけなのか
■第3章 キャリア官僚制度には意義がある
■第4章 政治家と官僚の役割を考える
■第5章 天下りは本当に悪なのだろうか?
■第6章 官僚としての最後の提言
■おわりに
僕は自分の迷いに忠実でありたい -
Posted by ブクログ
ネタバレたまたま本屋で目に留まったので読んでみました。
世間的には、官僚の方々に対して良くないイメージが定着しているように感じますが、この本で書かれている内容からは
「多くの官僚は、日本のために一生懸命働いている人々である」
「官僚の仕事は、若い官僚においては特に、世間平均をはるかにしのぐ激務であり、決して楽な身分ではない」
と感じることができます。
この本から何かを学び取るとか、そういったことは特にありませんでしたが、個人的には
「官僚の多くは、日本のために一生懸命頑張って仕事をされている素晴らしい方々」
だと思っていますので、こういう本が世の中で多くの人に読まれ、世の中の「官僚に対する感じ方や評価」が良い方向になればいいなと思いました。 -
Posted by ブクログ
若手官僚がどんどん辞めているようである。死ぬほど働いても、バッシングだらけで報われない環境となってしまった。天下りや政治を裏で操り既得権益を守る姿勢など、一面だけをみれば納得できない事柄だが、実際その中で働いていた人間の言葉を知ると、一概に批判はできないなと思う。
給与明細も掲載され、31歳で42万は高級だが、毎日夜中3時まで働き、そのまま事務所で寝て9時からまた仕事の日々を思うと、割に合わないのだろう。
国を動かす仕事は、とてもやりがいがあり、頭も良くなきゃできない。東大卒の優秀な奴らがたくさん入省しても、力を発揮できないまま、もしくは高いモチベーションを維持できなくなり、退職してしまう。この構造を変えていくことと、つまりは官僚の働く環境が変わらなければ、日本も変わらない。