渡辺精一のレビュー一覧
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孔明について書かれた評論が面白い。
孔明と同時代に生きた人物からは、その才能と義を称えられる文書が多いが、それ以降では賛否両論分かれる。
孔明が蜀を拠点に選んだ時点で、間違っていたという物や、孔明が4次北伐以降も生き続けていればあと3~5年で魏を倒せたという物がある。司馬慰と孔明を比較する文では、何れも孔明に軍配をあげている。
険しい地形によって守られた蜀は、一つの国として守り、繁栄させていくには適していたかに思われるが、そこを拠点にして天下統一を目指すには不適に思える。劉備が国を構えて、呉と力を並べ、魏を睨むにはやはりそこしかなかったのかもしれない。4度も北伐をしかけながらも達成 -
Posted by ブクログ
春秋戦国時代、戦乱が絶えない時に、こんなに多彩な思想家がいたことがとても興味深いです
孔子の儒教がメインの道徳的なイメージが強かった諸子百家ですが、法律の運用だったり、弁舌をふるったり、兵法を説いたり、いろいろな人たちがいて本当におもしろい
私がもっと詳しく知りたいなと思ったのは韓非子。
「矛盾」や「逆鱗に触れる」は韓非子だったのですね
そして、ビジネスで人気の孫子。
戦争時の兵法としたとき、著者が書いているように、「そんな決定的必勝法があったらあったで、おたがいその必勝法同士でぶつかりあうことになり」、どっちが勝つの!?と私も気になるところがあったりして、孫子も詳しく知りたいなと思いま -
Posted by ブクログ
1920年頃に発表された「三国志演義」の二次創作。一言でいえば、蜀びいきの三国志。場面は劉備が新野にいる頃、徐庶が曹操の計略で許昌に行くか否かといったあたりから始まる。司馬徽が徐庶に送られてきた偽手紙を見破り、徐庶は劉備の下にとどまり、諸葛亮・ホウ統・徐庶の三参謀と五虎大将が揃い踏みする。劉表から荊州を譲られ、益州をも獲得し、一気に中原をうかがう・・・という話。本当にトントン拍子で蜀にとって都合のいいように展開する。
最終的に蜀を勝たせたい作者の意図が強烈に働いており、蜀の武将は全員優秀で、魏・呉の武将は一部を除き役立たず揃いといった描かれ方が露骨すぎる。また、蜀の版図拡大は一気呵成ではなく、