吉田典史のレビュー一覧
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吉田典史著 「震災死」(生き証人たちの真実の告白)を読む
死という厳粛な事実と真正面から、立ち向かい、遺体を、科学的に、検視報告なり、医師・歯科医師・警察・消防団・自衛隊・潜水士・心理学者などの証言を、こまめに、検証・分析して、死因の究明(圧迫死、外圧死、凍死、窒息死、即時死後硬直などの事実)を通じて、そこから、見えてくる「防災」想定を設定すること自体の問題点、防災意識の油断の指摘と、今後の防災対策への提言へと、進んでゆく。PTSD(心的外傷後ストレス障害)に於ける能動的意思の有無の重要性や、心のフィルターのコントロールの説明や、突然の「暴力的死別」により、心の中に生まれた「自責の念や怒り」、 -
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先日読んだ『遺体 震災、津波の果てに』に通じる作品。津波による犠牲者の遺体を中心に置き、検死医、遺族、消防団員、自衛隊関係者、救助犬調教師などを取材している。どちらか?と比較すると、『遺体 震災、津波の果てに』の方が良書ではあるが、こちらも新たに考えさせられる内容ではある。
特に、災害救助犬「レイラ」についての章や、自衛隊の活動についての章は読んでよかったと思うところ。
震災の後、「津波てんでんこ」という言葉があることを知ったけれど、この本を読んでまたこの言葉が頭に浮かんできた。
まずは各々が“憂う”こと。そうして自分の命は自分で守ること。「1000年に一度の災害だからこんなに多くの犠 -
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ハンドマイクを握り締めた姿のまま、遺体となって発見された消防団員。
防災無線で避難の呼びかけを続け、津波の犠牲となった自治体職員の
女性。彼ら・彼女らの死を「美談」として取り上げるメディアが多い。
しかし、美談だけで終わらせていいのか。何故、多くの人が犠牲になった
のか。2011年3月11日に、被災地では何が起こっていたのか。それを
検証せずには前に進めない。
三陸沿岸は日本でも有数の津波多発地帯である。津波に対する避難
訓練も日常的に行われ、津波対策としては立派な防潮堤・防波堤も
備えていた。
それが却って、津波に対する考えを甘くしていたのではないかとの
問題提起を -
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「負け組社員」となってしまった会社員の具体的事例をもとに、「負け組」になってしまう理由を分析し、「負け組」にならずに職場で生き抜く技術を提示する。筆者の意図は、個人の成長を意図したビジネス書のアンチテーゼを書くことにあり、本書では組織の論理に従うべきという身も蓋もない議論が展開される。
他山の石となる事例が多く紹介されており、職場で生き抜いていくうえでためになることは間違いない。しかし、人間として本書で勧められているような生き方をしたいかといえば、すぐにうんとは言えないところがある。後輩の指導に力を入れては自分の身が脅かされるので、むしろ後輩を潰すべきといった論調には辟易としてしまう。
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購入済み
人それぞれである
私も被災者の一人だ。
本のタイトルを見て、興味が湧いた。
メディアが取り上げなかった真実とは・・。
しかし、がっかりする内容だった。
同じ内容を何度も繰り返し、検証と称して自分の思ったことをただダラダラと話しているだけの薄いものだった。
批判ばかりが目立ち、読むに堪えない内容だ。
被災者をバカにしている。
そりゃー、こんなふざけた内容を他のまともなメディアは取り上げることはないだろう。
ある意味、タイトルは間違ってはいないだろう。
しかし、考え方は間違っているのではなかろうか?
本の中で何度も使われている『この経験をいかす』には、お前に言われたくないと思う人もいるだろう。